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5話
ずっと真っ暗な闇の中で私は覚めない悪夢を見ていた。いや、起きても悪夢は続いているので実質未だ夢の中のようなものだ。
カーテン、もとい私の瞼はいまだ開かない。
このままではダメなような気もするし、いいような気もする。
何もかもをなかったことにしてずっと眠り続けていたい。忘れたい。忘れていいわけでは決してないけれど。
起きても寝てもずっと悪夢は影のようにまとわりついて私を放さない。
逃れたい。報われたい。
限界はすぐそこまで来ている。だけれどわずかの可能性と一縷の希望がある限り私は私を手放すことが出来ないでいる。
優柔不断だ。
私の秘密があの子にばれていないうちはまだごまかしがきく。嘘をつける。騙すことが出来る。だから、大丈夫、まだ、大丈夫。私のことを信じてくれているうちはまだ私は私でいることが出来るから。