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残響に耳を塞いで  作者: もちもちのき
18/22

18話

菊野さんの言うことが正しければ、愛崎さんは極度の潔癖症で、それが原因で絶賛不登校中ということになる。


 「なんだかなぁ」


 そもそもよくよく考えたらやっぱりあの異常なまでの不潔さは普通ではないのだ。

 それは初対面の時から分かっていた。分かっていたはずなのに僕はその異常さを普通に受け入れてしまったのだ。


 「虐待か…」


 桜さんから言われるまでその可能性もあるということに気づかなかった。考えようとも思わなかった。

 いや、しかし。

 簡単に人の弱みを握って大人を脅せる子供だ。そんな気の強さを持った子供があの覇気のない母親に虐げられているところをイメージするのは難しい。どちらかというと…。


「……いや、考えすぎだな」


 に、しても。

 あっけなく突如現れた菊野さんによって僕に課された課題『愛崎さんの不登校の理由』を不可抗力とは言え知ってしまったわけだが。

 

 「潔癖症、ねぇ…」


 本当だろうか。本当に、そうなのだろうか。


 解答権は来年の合格発表の日一回きりだ。なんとしてでもその一回をミスることは許されない。

 僕は愛崎さんからもらったヒントをまとめたメモ帳を取り出した。


同級生

クラス

学校

二年四組

花壇

美化委員会

女子

男子

来年

受験

スカート

階段

アイドル

いい子

悪い子

昨年



 どこにも潔癖症に関連するものが見当たらない。いや、あるいは全てに関連しているのかもだけど。


 「……………疲れた」



 とにかく今日はいろんなことがありすぎて疲れた。

 僕は目を瞑って愛崎さんについて考える。


 当たり前だが目を瞑っただけでは彼女のことなどわからなかった。

 


 

 


 


 


 


 

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