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第34話 学園に帰る前、父への挨拶

 コンコン。

 私は、自宅の父の執務室をノックした。

「リナです。入って良いでしょうか?」

「お入り」

 中から父の声がした。事件があってから、父に会っていない。

 久しぶりだ。


「学園に戻るため、挨拶に伺いました」

「そう。まだここに残っても良いんだよ。どうせ、社交シーズン中は、自宅に戻っている娘も多いし」

「アル兄様は、とうの昔に学園に戻ってますでしょう? 私も、もう大丈夫です」


「リナは逃げないんだね。このまま領地に帰って領民に混じって生活しても良いのに」

 確かに、子爵家程度の家の娘こなら、嫁ぎ先によって貴族の地位を捨てれる。

 さすがに王都に近ければ無理だが、うちみたいに片田舎の領地でなら、前例もわりとある。

 貴族を続ける気がないなら学園を卒業しなくても良いだろう。だけど……。


「気持ち的には、すごく逃げたいんですが……」

「では、そのように手続きをするが」

「夜会でデューク様から、アボット侯爵家とホールデン侯爵家のご子息を紹介されました」

 分かるかな? 父よ。私にはこの紹介の意味がわかんなくてさ。


 なんで、頭抱えてるかなぁ。

「なんでまた……あの方々を……」

 あ……察し。面倒くさい方面ですね。

 なんか、今一気に訊く気が無くなったよ。今、私のメンタルライフ、ゼロに近いんで説明いいです。


「味方に付けていた方が良い方々だから紹介してくれたんだと思いますが」

「それは……そうだろうが……」

「田舎に逃げ帰ったところで、領民巻き込んで、連れ去られるのが落ちかな? って」

 あってます?

 父は溜息をついた。


「リナは、国王陛下からアレをもらったんだったよな」

「ネックレスですか?」

「リナはネックレスの形になったのか。私はブレスレットとして持っている。親子2代で同じ家系から出るのは珍しいんだが、戻る前に少しこれと先代の話をしようか。ソファーに座りなさい」

「はい。お父様」

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