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第21話 セドリックとアル兄様に問い詰められて

「リナちゃ~ん? ちょっといいかなぁ~」

 次の日、図書室でエイリーンが来ないかなって思って、資料の物色をしていると、セドリックから呼び止められた。

 なんか、迫力のある笑顔だ。

 反射的に逃げようとしたら、ズルズルと引きずられて図書室の片隅に連れてこられた。


「今回の件、俺たちに任せてくれるんじゃなかったけ? なんか、話が違うんだけど。なんでリナちゃんが動いてるの?」

 協力してくれとは言ったけど、任せるとは言ってない。

「ナンノコトデショウ」

 あさっての方向を向く。

「ふ~ん。そういう態度なんだ」


「今、レポートで忙しいんです。セドリック様」

「なんで、俺たちに丸投げしてくれないかなぁ~」

「レポートを?」

「よし。君のお兄様に、進言してこよう」

 いや、色々言葉使い間違ってるよ。ーっていうか。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 絶対、無いこと無いこと(有ること無いことの間違いじゃ無い)言われる。超過保護なんです、うちの家族。

 セドリックの服にしがみついて、引き留める。


「ふ~ん、で?」

「いや……ちょっと……ここでは……」

 放課後、兄の部屋で、と言って別れた。どうせ、兄の耳にも入ってる。



「だから……ちょっと、悪巧みしてる人のお屋敷に行ってみたいなって……」

 上目遣いで、甘えたように言ってみる。

 兄の部屋で、2人の前で……って何の罰?

 うん、言葉にしたら、お馬鹿な発言だってことが自分でもわかるよ、でもね。

 まぁ、この2人の前でぶりっ子しても仕方ないか。


「まぁ、めでたく、ジークフリート様の派閥から敵認定されつつあるみたいですし……」

 あさっての方向を向いて言った。

「「えっ?」」

「ジークフリート様から直接忠告されたから、間違いないと思います」

 兄がセドリックを睨んでる。


「え? もしかして俺のせい?」

「リナ。ジークフリート様とどこで話したの?」

「寮の……私のお部屋で……ですけど?」

「あのバカ王子、何やってくれてんだ」

 セドリックがぼやく。

 兄が、セドリックの横で殺気立ってます、怖い。


「忠告しに来たんだと思いますけど……」

「まぁ、そうだろうけどよ。エイリーンにはこれ以上近付かない方がいいぞ」

「わざわざ、ジークフリート様が無視してるからですか? でも、まわりに聞かせるようにセドリック様の話を振ってきたのはエイリーン様ですよ。ですから私、アラン様に気に入られてるって返したの」


「あ~。なるほど、それで……」

「それで?」

 私が聞き返すと、セドリックもまだ何か腑に落ちないって感じで訊いてきた。

「なぁ、リナちゃん。俺……俺たちに、まだ何か隠してない?」

 兄からもじっと見られる。う~ん、言っていいのかなぁ。

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