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第15.5話 デビュタントでの噂 アラン王子の部屋にて(セドリック側)

 なんだか、変な噂が流れてきている。

 デビュタントの謁見の間で、国王陛下に所望された令嬢がいる……という、異例中の異例の変な噂。

 歴代の国王の中にはいたかもしれないが、現国王は子どもを所望するような性癖は無かったはずだけどな。


 俺は、実家の父親から来た手紙を持って、アランの部屋を訪ねていた。

「あの噂の令嬢。リナ・ポートフェンらしいね。ただ、父親の方も呼び出されているから……夜伽じゃないみたいだけど」

 アランが俺に話を振ってくる。

 情報が欲しいのか。まぁ、隠すものもないけど。

「リナはかなり抵抗したみたいだな。()()王様から『無礼な態度でも許す』って、言質とったらしい」

「すごいな。それで?」

 アランが話に食いついてきた。

「クラレンス・ポートフェンも来るというというのを聞くまで、謁見の間を動かなかったらしいぜ」

「……いや。それ、本当に15歳の女の子なの?」

 アランは信じられないという顔をしている。

 いや、俺もそうだから。


 俺は、持っていた手紙をアランに渡す。

 受け取った手紙を、アランはその場で開けて読んだ。

 そこには、クランベリー公爵の直筆で、謁見の間でのあらましと、リナ・ポートフェンを我が陣営に引き込むようとの指示が書かれていた。


「これ……セドリックがリナを取り込むって事? 政略結婚の相手として」

「まぁ、そうなるな。別に政略結婚自体は良いけど……多分、他の……。例えば、ホールデン侯爵家とかアボット侯爵家からも、出てきそうだよな」

 各陣営トップが、リナ・ポートフェンの事を、余所の陣営に取られたらまずいことになると、認識したらしい。


「まぁ、そうだよな。ホールデンは、ちゃっかり、僕の妹とも縁談組んだしね」

 王族との婚約は解消できないから、クラスメイトのレイモンドは兄のサイラスへの橋渡し役か。

「どちらにしろ、国王に取り込まれた以上、僕とジークは手が出せなくなったから」

 まぁ、そうだろうけど……。

 やれやれだな。リナ・ポートフェンを取り込めと言うけれど、色恋沙汰は、専門外だ。

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