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第104話 リナちゃんは安全なところに保護されてしまいました

 ーと言うか、私もあっちに行かないと

 次の瞬間、ぶわっと身体が浮いた。へっ? 私また担がれてる?

「大丈夫ですか。アラン王子殿下」

 セドリックは、人がいるのでアランに対して一応丁寧な言葉使いしてるけど。

 私荷物じゃないです。


「ああ。問題ない」

「ちょっと、現場離れても良いですか」

「そのために、サイラス連れて来たんだろう。早く、リナを連れて行け」

「え? ちょっと、待って」

 セドリックの肩の上でジタバタする。ビクともしないなぁ。

 足当たって痛いだろうに。


「降ろして下さい。セドリック様。降ろせ~~」

 ふと、遠くを見ると、騎士と近衛が入り交じって乱入した兵士らしき人たちを捕縛していた。

 サイラス、戦いながら手振ってるし。余裕か。


「大丈夫だから、降ろして下さい。戻って現場見ないと」

「見なくて良い」

 ズンズン歩いて行く。なんで、人一人担いでこんなに早く歩けるのかなぁ~じゃなくて。

「取り調べ」

「もともと、司令官の仕事じゃない」

 近衛の第何部隊だろう。何人か付いてきてるなぁ。

 知った顔がいない。命令できないように、騎士団と近衛第3部隊を外したか。

 さっきから、必死で抵抗してるのにな。

「ちょっと、あばれるなよ」

 っと言って、鞍の付いた馬に乗せられた。すぐにセドリックも乗ってくる。丁度、セドリックの腕の中に収まってる感じ。


「捕まってろよ」

 馬を走らせ出した。2人乗りで、全力疾走させるなんて、馬が可哀想。

 そうは思うけど、しゃべれないし、落ちたらシャレにならないのでしがみついてた。まぁ、行き先は分かってたけどね。


 クランベリー公爵家の、私の部屋に連れて行かれた。

「現場に戻りたいです」

「危ないからダメだ」

「危なくても自業自得だって言ったのは、セドリック様でしょ? 戻ります」

 セドリックの横をすり抜けようとしたら。

「ここから出たら、護衛の近衛騎士。現場処刑するからな」

 な……んですって?

「正気なの?」

「現場処刑はリナちゃんの権力(ちから)の、範囲外だったよな」

 こんなこと聞かされて、付いてきた騎士達は平気なの? 皆、無表情で立ってるけど……。

 セドリックは、私に目線を合わせて言う。


「頼むから、聞き分けてくれ。本当に危ないんだ。お前、アランと一緒に斬り殺されそうになってただろ?」

 なんか、セドリックが心配を通り越して泣きそうな顔になってる。

 私は、セドリックを抱きしめた。

 私も司令官の礼服を着てるから、絵面(えづら)は考えたくないけど。

「分かりました」

「ごめん。リナちゃん」

 セドリックは出て行った。


 近衛の人たちは、バルコニーの所とドアの前とに数人ずつ居る。

 そのうち侍女が数人入ってきて、部屋着のワンピースに着替えさせてくれた。

 お茶を飲んで、人心地着く。司令官の礼服を持って行かれなくて良かった。

 アレには色々入ってる。


 例のごとく、部屋の鍵を開けて護衛の人に声をかけた。

「なんで、鍵空いてるんですか」

 護衛の人の驚きは無視して。

「ちょっと、お願いがあるんですが」

「外には出せませんよ。本当に危ないんですからね」

「約束は守りますよ。そうではなくてウォーレン・ライラ伯を呼び出すことはできますか?」

「近衛第4部隊のですか? 今、現場に居ると思いますが……。分かりました」

「お願いします」

 これで少しは動きがとれるかな。

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