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プロローグ

そう、これは神様のくっっっっっっだらなぁい遊びに巻き込まれた少年の、悲哀に満ちた冒険譚。

そのプロローグとなるお話です。

それでは、悲劇(笑)の英雄(爆笑)の物語、始まり始まりぃ....。

生まれてこのかた平凡だった。


黒い髪、黒い瞳、平均的な慎重に、少し軽い体重。

目つきは少し悪くて、髪質も肌質も、いいとは言えない。



何かを成し遂げたかった。



可より不可の少し多い成績表。

数人いた、放課後に、児童館で遊ぶ程度の友達。



何かを成し遂げたかった。



情熱とは関わりのない、緩めの文科系の部活動。

昼ごはんは数人の友達と、休日は時々外へ遊びにいく。



何かを成し遂げたかった。



程よいレベルの高校に、まぁまぁ頑張って合格。

新学期、友達は数人。席が近いことから始まった、浅い仲。



何かを成し遂げたかった。


....何かを、成し遂げたかった。


目の前を桜の花びらが散っていく。自分の体が宙に浮く。

腹部にゆっくりとめり込んでくる、黒く光る鉄の塊。車と呼ばれる文明の利器。

先ほどまで指先が触れていた柔らかい背中は、僕に突き飛ばされて白線の内側へと。


何かを成し遂げたかった。


体の中、何かが軋むのがわかる。ゆっくりスローモーションに、だけど確実に。

ぎちぎち、嫌な音が体に響く。

肺が圧迫される、息がつまる。

体が勢いよく飛んでいくのがわかる。

それでも頭の中は、ただ、ただひたすらに冷静に。


ドンッ。


20××年、四月十五日。

僕は、死んだ。





『何かを...何かを成し遂げたい。

そう思った末の行動だった、後悔はしていない』


<都内在住/16歳/Iさんのコメント>

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