第ニ十五話 正解
コロンブスの卵という言葉(逸話?)をご存知だろうか?
誰でもできる事でも、最初に実行するのが難しく、
発想力が必要、とかなんとかだ。
詳しく知りたい方はググって見てくれ。
西洋人として、アメリカ大陸に初めて到達した、
大虐殺者について、色々と知ることができるだろう。
いや、何を言いたいのかというと、
要するに、正解が解ってしまえば、非常に簡単な事だった、という事だ。
結局のところ、
どうして『数字』が増えたのか?
と思考がスタート地点に戻ってしまった(前話の最後)
ちょうど、その頃。
担任の1時間目の授業が終了した。
するとどうなるか?
答え。
転校生の佐藤の周りに沢山の生徒が集まって、質問タイムの始まりだ!
「私の名前は 加賀 麗子。
みんなから、ガガ様って呼ばれているから、
気軽に ガガ様って呼んでね
で、佐藤さん何処から引っ越してきたの?」
「あたしはぁ~、渡辺 亜佐美。
なべちゃんって覚えてねぇ~
しおっちってばぁ~、カレシいるのぉ~?」
「山本 桜。
さくらって呼んで
詩緒さんは、前の学校では何部だったの?
よかったら、是非、ウチの部活に…」
何だろう、どこぞの記者会見のように、
必ず、自分の名前を言ってから、質問をするクラスメイト。
礼儀正しいのか、何なのか?
え~と、どうやら委員長が仕切っているようだ。
やるな、委員長。
名前が思い出せないけど………
すまん、委員長!
そして、自己紹介をしながら質問をしているおかげで、
その都度『数字』が増えている。
なんで、自己紹介が正解ではないのだろう?
んっ!
って、あれ?
加賀、渡辺は1増えたが、
山本は2増えたぞ!
山本だけ、自己紹介を2回行ったのか?
いや、そんな事はない。
3人の質問内容か?
いや、そうじゃない!
とある事に気がついた!
……そうか、そうだったのか!
これは「自己紹介をする」が条件と勘違いしてもしょうがない。
自己紹介をすれば、間違いなく条件を満たすからな。
でも「自己紹介をする」では確かに間違いだ。
自己紹介をしなくても、カウントされうる条件だからな。
先ほどからウィンドウが表示されているが、
まだ「はい」は押さない。
何せ、まだ時間はある。
しっかりと確認してからでいい。
とりあえず、邪魔なので「いいえ」を選択し、ウィンドウを消しておく。
あとは、条件を満たしやすい人物を観察して、確認をとるだけだ。
残念?な事に、俺のクラスには条件を満たしやすい生徒はいないようだ。
まあ、他のクラスも探せば、一人くらいいるだろう。
何なら、アイツに訊いてみれば心あたりが、一人くらい………
ああっ!!!
オレは何てアホなんだ!!!
何で、その手段を思いつかなかったんだ!!!!
わざわざ訊いたりするする必要なんかないんだ!
見れば判るんだから。
そうなんだよ!
『数字』が大きいということは、
それだけ、数字が増える機会が多い人な訳だ。
つまり『数字』が大きい人を観察すれば良かったんだよ!
あ~ぁ、自分の愚かさに、マジへこむわぁ。
………過ぎたことは、しょうがない。
よし、昼休みにでも確認してみるか。
あっ、ところで、
もう、正解は判ったよね?
わざわざ言うのも無粋だと思って、濁していたけど、
念のため、書いて………
いや、今日の昼休みに検証してみるので、
やっぱり、それまで待って!
万が一、噂されたら恥ずか……じゃなくて!
間違っていたら恥ずかしいし………
ごめん、また次回!
次回で終了です。




