第ニ十四話 検証
まず、最初に、
佐藤の『数字』が1増えたのは間違いない。
そこが違っていると、これから考えることが全て無駄になる。
これは、絶対に自信をもって言える。
佐藤が、自己紹介をして、頭を下げて頭を上げたときに間違いなく『数字』が1増えた
そして、もし「礼をする(頭を下げる)」が正解ならば、
授業開始前に、毎回起立して、
礼をするクラスメイトの『数字』が増えていないのはおかしい。
よって「礼をする(頭を下げる)」は除外した。
ん、起立して礼をする………
佐藤は、当然ながら、座っていなかったので、
礼の前に「起立」していない。
起立してから、礼をすると、カウントされない?
そんな、面倒くさいルールがあるのか?
いや、でも、初日の赤ちゃんのお母さん。
彼女とは、去り際にお互いに会釈をしている。
「礼をする(頭を下げる)」に該当するよな?
そして、ベビーカーを押していた彼女は、座っていなかった。
つまり、「起立」していない。
う~ん、やっぱり「礼をする(頭を下げる)」は除外していいのではないだろうか?
でも、佐藤が他にした事といえば……
「自己紹介」だが、それは不正解であると言われてしまった。
……何らかのシチュエーションが付随されるかな?
「転校生として自己紹介する」とか………ニッチすぎるわ!
『数字』が増えたクラスメイトの説明がつかないよ!
「教室で自己紹介する」……世の中、学生ばかりじゃない。
そもそも、ウチの父の『数字』が増えた事とも結びつかない。
「多人数の前で自己紹介する」……ありかも、
教室以外でも、例えば部活とかで多人数の前で自己紹介することはある。
父も、仕事の関係であったりするのだろう。
これか?
あれっ、でもそれだと、母の件がおかしい。
夕飯の時には『数字』に変化はなかった。
そして翌朝確認すると『数字』が1増えていた。
夜中に人が訪ねてきたりしていないし、母も出かけていない(筈)
多人数どころか、自己紹介したのかも怪しい。
あれっ、
じゃあ、やっぱり「自己紹介」は関係ないのか?
っていうか、不正解って言われているのだから、
他の事を考えてないとダメか。
結局、最初に戻るのか、
どうして『数字』が増えたのか?




