第十一話 変化
そんな事を考えているうちに、昼休みも終わり、午後の授業がはじまった。
授業をろくに聞かすに『数字』のメモを見ながら、考えに耽っていると、
ふと、英語教師の『数字』が目に入った。
そういえば、昨日は6時間目が英語の授業だったので、
この教師の『数字』もメモった事を思い出した。
どうせ変わっていないんだろうなぁと思いつつ、一応『数字』を確認してみる。
……まじ、か・よ。
『数字』が6も増えてやがる。
本日の最高記録だよ!
期待していなかったので、マジで驚いた。
…って待てよ、そういえば、昨日も午後になって数字が変わっているのに気がついた。
ひょっとしたら、このクラスの中にも、朝のホームルーム以後に変化があった奴がいるかも…
……いた。
3増えている奴が1人、1増えているのが2人もいるじゃないか!
しかも、3増えている女子は『数字』が被っていた女子じゃないか。
何か、関係が………まぁ、これは判断材料が少ないので、とりあえず保留で。
そして、1増えた2人は――どちらも、昨日から今日にかけて変化がなかった2人。
2人とも性別は女子。
今日の午前に変化したのは、全員女子だな。
何か、関係が………、あれっ、何かデジャヴ?
でも、英語教師は男だしな………
あっ、英語教師の場合は、今日の午前に変化したとは限らないのか。
最後に確認したのは、昨日の6時間目だ。
今日は、今さっき確認しただけなのだから、
昨日から今日にかけて変化した可能性もある訳だ。
更に、昨日の午後『数字』が変化している事に気がついた生徒は、男子だった。
う~ん、性別は関係ないのか?
でも、英語教師の『数字』に変化があったのが昨日だとして、
今日確認できた、男子3人は昨日増えて、
女子2人は今日になってから増えたと仮定すれば、
昨日は男子の『数字』が増え、今日は女子の『数字』が増えたと考え………
――だめだ、仮定に仮定を重ねすぎている。
さっき確認した、女子は間違いなく今日『数字』が増えているが、
他は、そうだったら『数字』の謎の解明に近づくかもしれないという、
俺の願望が入りすぎている。
実際に、昨日『数字』が増えたのを確認した訳ではないし、
今日『数字』が増えたのが確認できたのが、たまたま女子だけだった
と考えるべきだろうな…………
あれっ、待てよ。
『数字』が増えたのを確認した訳ではない……
……そうだよ!
何故今までそれに気付かなかったんだ!
その手があったじゃん!




