表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートスキル  作者: 雪将
第二章 旅立ったさき
29/29

ミッション24 受付嬢攻略戦 1

 すいませーん、水をもう一杯! と、今いる誰かに持ってきてとも言える一言を言うと、いつのまにか復帰した先生(僧侶)がニコニコしながら、「私が入れてあげよう。」と、人好きで優しさを含んだ笑顔で水差しを持ってコップに注ぐ。

 注いだコップを俺に渡してくるのだが今さっきの事もあり正直受け取りたくないし、コップを注いでいる先生に嫌な悪寒が心の其処をしめている中に鑑定サトリ先輩が教えてくれる。

『グヒュヒュw 私の注ぐ聖水を可愛いパピーが飲む。最高じゃないかw! 優しく導き本当の聖水をその内飲ませてあげるからね♡』

 恐ろしいサトリからの一言に瞬間的に俺は僧侶(先生)の水差しを奪い取り、

「あ、ありがたいのですが、コップ程度では俺の喉の渇きはいえないのでこちらで失礼します(ガクガク、ブルブル)」

 浴びるように水を一気飲みして僧侶の注いだ聖水を回避した。

 僧侶は突然の行動に「!」を見せながらも僅かに舌打ちのような濁った目をしたのち、優しい笑みを浮べて、

「ははははは、元気になってよかった! 水は逃げないのでゆっくり飲みなさい」

 持っていたコップを笑顔で差し出してくる。

 それを俺は手で静止、急に飲みすぎてお腹一杯なのでコップを受け取りながらベッドに備え付けの机にそっと置いた。

 僧侶は1つニコリを頷き、最後の悪あがきとばかりに、まだ身体に水分が足りていないと思うからお腹の水が身体に吸収されたら飲むんだよ。の一言を残して攻防戦が終結した。

 つまり、俺の精神的な貞操が守られた。

 ふぅ、と一時的な安堵と刹那。

 肩を掴まれた、父に。

「……な、何か………?」

「我らの偉大なる神が私に神託をいただいた」

 肩の力が ギュっ! と強くなり痛みが走る肩を余所に、

「何たる不覚、何たるだらしなさ、そしてお母さんとイチャイチャ(子作り)を邪魔してくれたなぁ(クソ野郎!)」

 逆の肩から力強い腕力でよく見知った顔が徐々に近づき耳元でクソ野郎。と、罵られる俺はただひたすら恐怖しかない。

 そして、雷様からの神託がなんだったのか、俺に不都合な内容な気がして、誰を呪えばいいのかわからない現状に「申し訳ございません」しか、出なかった俺に目で『チッ』とした視線後に小さな声が聞こえてくる。

「俺たちの気持ちも理解しろ、馬鹿やろぅ。」

 聞こえた気がしたが気のせいか? と、考えると、勝手に鑑定サトリさんが話しかけてきので、スタートをする。

 そうして、鑑定さんと会話が始まった。

================================================

「で、俺の聞き間違いではなかったんだ、さっきの」

「そうだな、あの夫婦も気持ちの整理に一生懸命なんだ。」

 気持ちの整理……と呟くと、なんとなく横目で一瞬見られた視線が来て、鑑定さんは口を開いた。

「その身体はあの夫婦が大切に育ててきた子供。

 その魂が、分けあって違くとも共に過ごしてきた様ざまな思い出があるわが子の姿、心配したい気持ちと別の存在(魂)と神に言われていても大切に育ててきた子供なのは間違いが無く、その怒りをぶつけたくとも本気でぶつけられないでいるのだ。それで今回の事だ、心配で来てくれたんだ。

 この夫婦だって複雑なんだ、そこは理解してやれ」

 お前は少なくとも大人だったんだろ。子供がいなくても人の気持ちくらいは考えられるだろ。

 なんて、言われてしまうとスゲー罪悪感が芽生える。が、俺とてスゲー悲惨な感じで神に殺されたものであるが、それすらも鑑定さんは、

「それでもお前は親の脛を齧り、死ぬことで脛を齧った分のお礼を神から授かり、強い武器や盾・魔法は無くとも、我(意識ある鑑定スキル)や人よりも鍛えれば上回れる知識チートを神は温情でくれているのだ。

 そして、それを差し引いても彼ら夫婦にとって子供を奪われる事がお前のやられた事と同列に語るのは可笑しいのは解るだろぅ」

 なんて諭される。

 俺は無限の時間の中で言われた言葉に耳を傾けて考える。

 正直、わだかまりが心の中で渦巻く。渦巻くが鑑定さんに言われた事を無言で考えながらも考えず、ただ心の中を虚空にして現実逃避していた。

 でも、本当は解っているんだ。

 本当は怖くて逃げたくてその気持ちを理解したくなくて他人のせいにして逃げてきたのはわかっていた。

 あの日々(転生前の日々)もいつかは終わると思っていたユーチューブのショートでもニートが親に毒殺される動画なんてのも見ていた。

 外に出るの漠然と怖くて、否、俺は本当に社会で生きていけるのか? という、疑問から胃がキリキリと痛み逃げてきたあの日。

 嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼亜ああ亜ああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああ嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ わかってんだ!! クソッ!!! クソッ!!! クッソッぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!

「………」二

「………」カ

「………」二

「………」カ

「………っ」二

「………」カ

 視線のような感覚がニートに注がれる。少しは気が、気持ちの整理は出来たか? と、

 口の中で、心の中でモゴモゴと情けなくて、でもわからなくて、これを言ってしまうと負けを認めてしまうことででもそれが嫌で、でも鑑定さんはジッと目の前で俺を待ってくれるような親のような視線で俺を見ている気がして、その上で俺はわかっているんだ。

 この黙る事が意味を成さない、情けない俺の葛藤である。小さなちっぽけな自尊心すらさらけ出せない俺を待つのは鑑定さん。

「あ………」

 頷かれた気がした。

 拳の力が入り、手が痛いと感じる感じがするが、この世界に手はない。

 でも、俺から言わなければならないのもわかっている。

 悔しさと情けなさと申し訳なさで、歯を食いしばり口を開いた。

「鑑定さん、……俺は…どうすれば……よかったんだ………………」

「それは、今の事か、それともその身体に転生する前か?」

 鑑定さんは冷静に尋ねてくる。

 とてもいやらしい性格をしている。

 ニートの心が読めるはずなのにあえて聞いてくる。

 でも、心の成長は認めることから成長をする。

 だからこそ鑑定さんは年長者としての矜持で若者を育てるつもりでの返答を伝える。

 それにニートは、口を開いた。

「両方の事だ」

「………うむ、自分で考えろと突き放すのは簡単だ。

 でも、お前は今、葛藤して自分を見た。頑張った。と我も思う。

 それを突き放しては年上としての矜持が廃れよう。

 だから、簡単に、わかりやすく伝える。

 解ってくれ。と、体現で伝えるな。口で自らの弱さやどうして欲しいのか、どうしたいのかを素直に伝えろ。

 誰も気持ちを伝えてくれない、口を開かない奴の言う事なんてわかるわけない。

 神とて、本当の所は甚振るやり方をよく使うが本当の所はお前の心の弱さをさらけ出させるために甚振っているように見える。

 ツンでれなんだよ、あの神は、んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! こ、このツンデレがーーーーーーー!!! んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 この人(?)も学習しないなー。すんげーいい事言っていたのに。

 しまらねーーー。けど、

「鑑定さん、ありがとう」


=================================================

「みな、んぎっ! ゲフン、ゲフンっ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ