ミッション22 旅の始まり5
かくかくしかじか、と。鑑定さんから揺り籠件抱っこするための羽衣の能力を聞いて俺は思った。
すげーチートアイテムで、羨ましい。
「ちなみにあの羽衣、防御力が300ある。」
「っうぇ! ま、ま、まじでって?!」
「ああ、まじだ」
「つまり、赤ん坊を抱きながら羽衣をつければ、当面、俺無双できるじゃん! おい! やったな!!」
「いや、お主、何勇者を肉の鎧にしようとしているんだ。戦う際に誰かに預かってもらうなりして戦おうするのが人では? 人手なしか?」
「うぐっ。(人でない方に人出なしと言われるとは、)おっけー、わかった。
ありがとうございます、鑑定さん。今回は戻ります。スタート」
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現実に回帰して、目の前の医者と父を見直すと、医者は朗らかに笑いかけてこちらを覗き込み、父の顔は
こんな面倒に遭わせやがってが75%と、やっぱりやりすぎたかぁ? が、25%な感じでこちらを見ている。母に至ってはパンスト太郎(勇者赤子)をニコニコしながらあやして、女将さんは母さんに近づき赤ちゃんを見ながらなんか小声で母と話さしながらこちらをチラチラと怪訝と、まさかね? で見てきてる気がする。
『あれは確実に攫ってきたとかと、勘違いしていそうだな。』
ここで鑑定さんが心の中で言葉を発する。
俺は否定したいけど、全てが徒労に終わり添えなので諦めておく。
「さて、ニート君。身体の方の調子はどうだい?」
どこまでも安心して、どこまでも心配する親のように俺に話しかけてくる医者の声に俺は思わず安堵と医者の優しさに泣きそうに、ホロリと涙が出た。
滲んだ視界で父は驚き、母と女将は赤ん坊を見て医者は優しく抱きしめてくれ、
「大丈夫。大丈夫」
と、背中をさすってくれている。
それをされると今まで貯めていたものがほろほろと出てきて、この時の俺はさざ目なく泣くように医者の腕の中で泣くのであった。
この時、俺は泣きながら色々話した。
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ひとしきり泣き終えた俺は放心しながらも、すっきりした。
今まで何だかんだで不安だったのも実はありそれすらもぶちまけていた為、この身体の両親が少し複雑そうな顔をしており、医者と女将さんは現在雷様に意識だけが持って行かれているらしい。
それは何故か? 正解は、あまりな話にパニックになりそうだったから強制的に雷様が意識をお持ち帰りした。と鑑定さんが言っている。
確かに冒険者ギルドの受付あたりの話はパニックになると思われる。
俺が神様から勇者の養父になった件は医者(僧侶)のおじさんと女将さんは、なんだか複雑な優しい笑みを浮かべて聞いていたが、ギルドの受付女の話になると一転、なんだか思い浮かぶ何があるみたいに聞く耳を尖らせていた。
そして、俺に鑑定スキルがあることを知ると、二人の目が座った瞬間、二人は天を見上げて惚けた。
その後鑑定さんが深いため息を吐いて告げてくれる。
『二人の意識は今神のもとだ。ハァ〜・・・』
なんとも疲れる子供を見つめる大人のような鑑定さんの意識視線に違和感を覚えて俺は思わず、
『なんで、そんな口調なの?』
聞いて見ると、
『それはそうだろ。自身のステータスは見ることが出来るこの世界では当たり前だが、他者のステータスを見ることしかも細かかとなれば、そこの僧侶のおっさんや女将とてどうにかしようと考えるものだろうよ。
お主、気が緩んでしまっているからとて、言っていいことと悪いことを区別しないと一生組織に飼い殺しにされるぞ』
凄まじく恐ろしいことを言ってくる鑑定さんの言葉に今の俺は座ったまま足をぶるぶると振るわせるのだった。
そして、怯える俺に鑑定さんは続きを言う。
『お前そこの二人のステータスと逸話を読んでみろ。かなり恐ろしいものが出てくるぞ。』
若干怖がらせよう感がある発言と呆れに鑑定さんは、人間とは悍ましい。と、つぶやくのだった。
俺はその場で他者のステータス開示をしようとしたら、鑑定さんがそこは『スタートしてからにしろ、お主、本当にアホだな、リアルタイムでやっていたら奴らが帰ってきたらどうするつもりだ。』で、心の中で『スタート』と呟いて、医者のおっさんと女将さんを鑑定することになった。




