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信号機葡萄味

作者: 小波
掲載日:2026/09/11

色を見ると舌の上に味が戻る、そういう感覚をもっていて、ある日、信号機を見上げたら葡萄の味が戻ってきた。

緑、黄色、赤、


おかしい。

ああ、シャインマスカットか。

似てないけどなぁ。

こんな味だったっけ、高いからあまり買わない。わからない。

いつも機嫌良さそうだよね。と、となりの弟が言う。赤信号なのにさ。

急がないと遅刻だよ。

やっぱり、兄弟だけど、この子の舌はノーマルなのらしく、説明したところで納得してくれないだろう。

赤と青、と緑と。青、青って呼ぶんだった。混ぜたら紫。

車道に乗り出していた弟に目を配り、信号機を見上げ、前を見た。赤い車と青い車が衝突した。

目を閉じた時、はあ、葡萄。

これこれ、シャインマスカットじゃないやつ。

微笑むわたしを弟が睨む。流石に不謹慎。

いや、怖かったから逆に。

黒いランドセルの肩を軽く抱き寄せる。

警察来るかなぁ。どうかなあ。

とりあえず遅刻しても怒られなさそうだよね。

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― 新着の感想 ―
主人公の不思議な感覚に引き込まれました。 弟くんからすると、驚いてしまうのもわかるかも。 実際に起きている事態と主人公ののんきな語りの温度差が面白いですね。 印象的なタイトルも素敵です。 小波さん、あ…
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