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第42話 北側の村で休憩と?

 さて、レベルが上がって、更に暫く狩っていたけど、短期ログアウト時間が近くなってまいりました。


 玉兎:ここからだと……村をまず探すか。

 ひまり:騎獣さんがいないから、牙のでかいウォーボアには注意だねえ。

 ミケ:最初の突進が俺以外に行かなきゃ雑魚だから

 ミュー:それフラグっぽいからやめてー!


 パーティチャットでわいわい喋りながら、キャラとしては静かに森を歩く我々です。

 ウォーボアは2回程見かけたけど、どっちも牙が雄の半分もない若そうな雌で、ふんす!と顔を上げた程度で近づいてはこなかった。


 ミケ:こいつあれか、パーソナルスペースがでかいタイプのノンアクか?

 ひまり:ありそう。

 玉兎:接近しすぎると怒る、をノンアクと言っていいのか?

 アン:認識した瞬間に襲いに来るものだけをアクティブとしてるんですかね。

 ミュー:オオヤマネコとの違いはー?!

 北斗:あれも普段は近づいてはこないよなあ。


 白い七面鳥NPCの横を通り抜けて……あれ、七面鳥が付いてきた。


 ひまり:ついてくるねえ。

 ミケ:まあ悪い事にはならんだろう?

 北斗:面白い顔してるなあ。

 アン:雄のようですが、実物よりちょっと顔つきがマイルドですね?


 アンファルさん、実物の七面鳥もご存じで?私写真でしか見た事ないよ?


 七面鳥は気が付いたら私たちを追い抜いていて、時々左右に進路がぶれながらも、とっとこ歩いていくので、思わずついて行く我々です。もふちりもふちり。


 そして何故か見えてくる人家の囲い。村ですね?


「……あれ、自力で帰って……おんや、どちらさん?」

「狩り帰りの冒険者です。見慣れない鳥に追い越されたのが気になって追ってきちゃいました」

 木と石で作られた囲いのある村の入り口にいたおじさんに聞かれたので、さくっと素直に返事をする。


 玉兎:身も蓋もない。

 ミケ:だが事実だ!

 北斗:だって歩き方が面白いんだもんこの鳥。

 ミュー:こういう説明はひまりちゃんにやってもらうとなんか納得されやすい感じがする。

 アン:天真爛漫ですからねえ。

 ひまり:そういうロールプレイですから!


「あー、こいつしょっちゅう脱走する上に迷子癖があってね、君らを迎えだと勘違いしたんだな、きっと!

 冒険者さんならちょうどいい、明日でいいから後で一つ仕事を頼まれてくれんかね?」

「はい!では休憩したいのでちょっとだけ場所をお借りしますね!」


 例によってクエストがぴこん!と生えたので受領して、でも短期ログアウト時間が迫っているので、まずは休憩場所をお借りしますよ!


 玉兎:短期ログアウトの時間もう少し短くならんかな?

 ひまり:5分くらいでもいいような気もするね。

 ミケ:トイレがボムだと困らんか?

 北斗:そこは申告すりゃよかろ?時間合わせができればいいんだから。

 アン:冒険者の健康の為ではあるので悩ましいところですね。

 ミュー:我々の健康だよね??


 どっちでも大差ないです多分!



 短期ログアウトして、今回はトイレに参ります。ボム()じゃないけど。

 時間のかかることはプレイ時間には被せないよう調整してますから!

 そしてやっぱり花枝はなえさんと鉢合わせだ。


「頻繁に脱走する七面鳥がさっさとローストにされない理由はなんなんですかね?」

「……そういえばそうね?」

 おもむろに疑問を提示されて、私もちょっと考える。

 言われてみれば、家畜として飼われている七面鳥って、基本食用だよね。

 これがガチョウだと、番犬ならぬ番ガチョウってのもいるらしいけど。


「判らないなあ。クエストで説明があるといいんだけど」

「ああ、そういえばクエストが発生してましたね。あの七面鳥絡みなんでしょうか」

「違うかもしれないけど……村のクエストも複数あるみたいだし」



 そんな会話の後お手洗いと水分補給をして、再びログインだ。


 ひまり:にゃっふー

 ミュー:おは!

 玉兎:じゃあまずクエスト?

 ミケ:そういやアヒルがいるって聞いたのもこっちだよな?

 アン:アヒルがいるなら卵が欲しいかも……

 北斗:たまごかけ……って生食だめだっけか。


 村の門の横手の小屋の陰で休憩状態だったのもあって、さっくり全員揃ったので、最初に話をした村人さんを探す。

 そしたら、村人さんより先に、例の白い七面鳥に遭遇した。なんか我々を見て、小声でぷきゅぷきゅ鳴いている。


 ミュー:おもろい声だ。

 玉兎:叫ばないんだな。

 ひまり:地鳴きって奴?


「おっと!おはようさん、冒険者さん達!随分チャッターに気に入られてるねえ?」

 そこに昨日のおじさんがやってくる。どうやらこの鳥はチャッターという名前らしい。


 ひまり:おしゃべりちゃんか。

 玉兎:即訳するんじゃないw

 ミュー:名は体を表す?

 ミケ:この場合現わしてるのは性格だな


「気に入ってる声なんですか?」

「気に入らない相手だと大声で騒ぐからね、こいつは。

 チャッターは人間の言葉を喋りこそしないが、俺らの言う事を理解できるんで村に残しているんだ。

 素直なリーダー役がいると群れの管理が楽だからね!」

 なるほど、賢いから生き残った、把握。


 ひまり:芸は身を助く?

 アン:お肉ルートより利益が高いわけですね。

 玉兎:あっちこっちふらつくのはいいのか……

 北斗:縄張り巡回してるだけのつもりかもなぁ。


「んで、こいつたまに怪我して帰ってくるんだ。

 だもんで、何がコイツに突っかかってくるのか調べて、場合によっては倒して欲しい。

 まあそこらのウォーボア辺りだとは思うんだが……こないだ何故か火傷しててさあ」


 んんん?クエストの内容、思ってたのと微妙に違うぞ?


 ミケ:火傷……誰かうっかり魔法でもぶっぱしたか?

 ひまり:でも火魔法って範囲まだ未開放だよね?

 玉兎:もしかしてこれ同胞われわれの失敗クエストの尻ぬぐいでは?

 ミュー:ありそう(

 アン:あ、クエスト名に番号が付いてる……『七面鳥の謎:2』、ですって。

 北斗:また2だけ受領のパターンかい!


 そんなわけで、今回のログイン時間はクエストで、七面鳥のチャッター君のおり、となりました。

 番号付いてるクエは繰り返しないから報酬高い奴よね?


 チャッター君は朝ごはんを食べ終わると、昼までの間は村の傍にある放飼場で、群れの仲間とコミュニケーションを取っている。

 七面鳥が50羽ほどと、アヒルがおよそ20羽、そしてそのまた隣の鳥小屋に、卵用の鶏がたくさんだ。


 ひまり:採卵鶏、クッカドゥーとかよりかわいい……

 玉兎:流石にあっちはモンスターだからなあ。

 アン:でも種としては大差ないらしいですよ。

 北斗:こんな町から離れたところで養鶏やってるんだな。

 ミケ:モンスターって普段はあんまり人家には近づいてこんらしいからなあ

 ミュー:そもそもこのゲーム、動物とモンスターの違いって何?

 ひまり:確か動物には魔力や思考力がほぼなくて、そのどっちかを持ってると幻想種ってくくりになって、人間に友好的なら幻獣で敵対的もしくは無関心だとモンスター?


 冒険者組合でのちょっとしたクエストでそんな説明があったはずだ。

 厳密には、魔力があれば幻想種、その中で友好的なものだけが幻獣。

 魔力があっても敵対的だったり、そもそも一般人類とコミュニケーション取れない存在だったらモンスター。

 そんな分類だったという記憶。


 アン:ああ、クエストでそんな説明がありましたね。

 玉兎:確か騎獣は原則幻獣か幻獣候補、だっけ。

 北斗:その理屈でいくとチャッター君もその枠っぽいな?

 ミケ:んじゃあのでけえリスは?

 ひまり:【モンスター鑑定】で鑑定可能なものはだいたいモンスターです。


 私まだ【動物鑑定】の方は生えてないんだよねえ。

 多分サンプルが少ないせい?ここの皆さんも観察しておこう。


 チャッター君の基本行動を教えてもらうついでにこの村の話も聞いた。

 此処は主に食用の鳥を飼う村の一つ。七面鳥もドングリを食べるのでコルク樫の森に村を作っているんだって。

 コルク樫の方は領主様が栽培しているもので、定期的に職人が来てコルクだけを採取していくそうな。


「本当は豚を放牧したいんだがね、このあたりはウォーボアがいて、雄を殺して雌をかっさらっていくから七面鳥にしたんだよ」

 ウォーボアが割とガチめに害獣ムーブですね?


 ミケ:もしかして:ここらのウォーボアの肉、旨いのでは?

 玉兎:残念ながらデータ上は他地域と同じのはずだ。

 アン:ああ、ウォーボアはドングリのある森にしかいないそうなので、どこで獲れても美味しいそうですよ。

 ひまり:あー、東のゴブさん村の辺りにもドングリ植えてあったね。多分染料目的かなぁ。


「アヒルがいるのですね、水場が近いのですか?」

「ああ、北の川から水を引いているんだよ。昔、稲を育てようとして失敗した人が居てね。跡地をアヒルやガチョウを飼うのに使っているのさ」


 アンファルの質問にはそういう返事だ。

 なるほど、水田の跡地で水鳥を飼う、か?それとも溜め池かな?


 データ上はさておき、こういった規模の農村はいくつもあるんだそうだ。

 ゲームとしては東西南北に一個ずつ、っぽい感じだけどね!

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