第110話 配信取材回:わんにゃん赤金ダンジョン。
真面目に配信用の撮影する回。101話でちらっと書いてたわんにゃん王国さんです。
時系列:105話のちょっとだけ前。
「はーい!HiMaRi☆だよ!
本日はサーバー08:ニンガルにおじゃましています!
クラン『わんにゃん王国』さんが、赤金鉱山の奥底に新たに発生したダンジョンを攻略するそうなので、取材しますよー!」
配信なので!まずはカメラに向かって挨拶!基本!
今回のHiMaRi☆ちゃんはニンガル鯖の偏在アバターだ。
私の場合、毎回行先が違うから、そこはちゃんと入れ込まないとね!
「できたら手伝ってほしいけどねえ!」
できないことを判っててそう言うのは、『わんにゃん王国』のクランマスター、台覧大輝ノ山猫種のラストオーダーさんだ。
なんでラストオーダー?と思ったら料理店のアレ、だそうだ。
だから毎回なにかしらの注文が出てくるのかな?
「お札が足りなかったら書きますけど!バトルは禁止なのでー!」
「デスヨネー知ってた!」
勿論、先方も偏在キャラに中身が入っていてもバトル参加は禁止なのは知っているので、要望はさっくり引っ込められる。
ごめんねー、偏在キャラに経験値入れるとバグるらしいんでねー。
「ところで今回のダンジョンはどういう編成で?」
「護法符術編成っすね。新エリアでは状態異常耐性注意!はこのゲームじゃ基本ですし」
「リーダーが闇護身符使えるのがお強いですよねー」
「治癒符もね!じゃあそろそろポータル移動してダンジョン乗り込むぜー!」
『わんにゃん王国さんは符術師と大聖、あとは少人数の獣人さんだけで構成されているクランだよ!
種族的には別に犬猫には限らないそうで、天狗さんもいらっしゃいますけどね!
符術師、つまりノの字が16人、大聖が8人、獣人さんが4人がここ最近の構成だって。
今回は3パーティアライアンスなので、符術師が12人、大聖と獣人さんが各3人の全部で18人だね!
レガシー鯖の大聖さん達は9割がた拳士だったけど、ここの大聖さんは剣士系の人もいて、
皆上位職の豪拳士とか戦士だね!
獣人さんは今回は3人とも護法師さん。
でもジョブは固定ではなく、符術師の人がセカンドキャラで別ジョブ参加とかもしているそうだよ!』
この辺の情報もある程度口に出してログに残す。
何が起こるか判らないからね、編集素材は幅広く確保するよ!
……ええ、後日やっぱり大量カットが発生してこの素材もきっちり使った。準備、だいじ。
ダンジョンの入り口は、第一・第二と第三以降では別の場所だ。
第一と第二は町から直接行けるけど、第三・第四・第五の三つはそれぞれ違う場所まで騎獣で走ることになる。
Lv120だから徒歩でもいいんだけどね、時間かかるからね。
第五ダンジョンは最新実装の高レベルダンジョンだ。
敵のレベルも120から140と幅広い。140って事はこれまだレベルキャップ上がるんですかね?
レンタル騎獣でやってきたのは、エリアのほぼ南端だ。
ひとつ前の第四、通称ポップコーンダンジョンも東の崖の途中に入り口があったけど、ここは更に下がって断崖絶壁の下の海蝕洞の奥にある。
「よし干潮!いくぜー!」
そう、ここ、満潮だと入れないんだよね!今回はラストオーダーさんが先に調査済みですんなり入れたけど。
中のモンスターは蝙蝠上位種、エキドナ上位種、そしてゴーレム上位種までは判明している。
グラウンドバット、ゴールデンエキドナ、グラウンドゴーレムだね。
「ひまっち、言葉少なですがカメラ回ってる?」
「回してるけどー、なんか嫌な予感がするのでー」
入り口はもう一般鯖掲示板にも上がってる情報だけど、お外にダンジョンの中身の情報、出てたかなあ?
この配信、ユーザーじゃなくても見られる方だから……
このダンジョンは階層式だ。
ほぼ殲滅しながら転送魔法陣で下っていく。
初見ダンジョンだというけど、鉄板構成に慣れた集団はかなり順調に攻略して20層を過ぎ、グラウンドゴーレムのレベルが140に上がる辺りで、別のモンスターが現れた。
うん、だめだな!ここは確定でカットだ!
初見殺し持ちだしなこいつ!例によって今日のわんにゃんさんとこの編成だと効果ないけど!
勿論私は本家ひまりちゃんで、ここのもう少し先まで攻略済みだ。
そしてその情報は偏在キャラログインでこのHiMaRi☆ちゃんにも反映されている。
まあ自前のステで状態異常系はほぼ弾くし、バトル中はパーティ外の私には何も飛んでこないけど。
隠蔽術も使ってるので、モンスターにタゲられることはないよ!
「あははー、ここはカット確定」
「デースーヨーネー!」
コメントで盛大に『なんでそこを切るんだ!』とか言われるの請け合いの奴!
まあ実際にはその手前から、バトルシーンほぼ全部カットになりましたけども!!
新着ダンジョンの場合こういうことが起こるのでー……!
でも行きたかったらしいのでしょうがないのだ……
うん、巡回順がちょうどここだったし、『わんにゃん王国』さんと攻略速度を競ってる『セルロイドブルー』さんとこは前回のニンガル編で登場して貰ってたしね……
『残念ながら、ここの初見モンスターで死に戻りが出てしまったので、わんにゃん王国さんは撤退することにしたよ。ほぼ初見で記録24層は結構順調な方だと思うけどね!
このダンジョンも踏破記録はデータとして残るし、前回の続きから攻略することが可能だよ!』
撤収が決まったのでナレーションを入れておく。
護法師さんが不意打ちバックアタック食らって沈んでしまったのでね……
このゲーム、未だに蘇生魔法、ないんだよね。我々は死に戻りすればいいけども。
クランによっては、はなからもっと大人数で入って、死に戻りの人はほっといてずんずん奥に進んでいくスタイルのところもあるけど、わんにゃんさんは入るなら足並み揃えて、というタイプのクランだからね。
そうそう、製品版でのクランは所属可能団体3、最大人数100人に拡張されているよ!
それでもレガ鯖では特殊種族が多くて、境界の子互助会は元祖と本家のふたつある。
旧無印と第二がほぼそのままスライドしただけなので、名称が元祖・本家なのはネタだけど。
100人制限になったおかげで、大聖や他の特殊種族の人もちらほらいる感じになったし、私とミューちゃん、それにリツカちゃんとキリカちゃんは両方に所属する形だ。その方が連絡が取りやすいからね!
なおクランマスターだけは他クランへの所属ができないというトラップ。
団体をまとめるトップ組があっちこっちフラフラするな、とNPCのおっちゃんに叱られたのよねー。
それでもうちは成立事情の経緯もあるんで、せめてサブマスは両方所属じゃないと困るってゴネたら、あっちが折れる形で今のスタイルになっている。
そしたら[ネゴシエイター☆]って称号が交渉に関わった全員に付いた。ははは。
余談だけど☆40の一番乗りは私じゃなくてアンファルだった。
職人称号かと思ったら売り上げランキングで称号が付いたんだそうで……!
[ザ☆スター・オブ・モア☆スターズ☆]だってよ!
どうもこの称号、ひとつ上が来るたびに文中の☆が増えるタイプの予感……!
ちなみに☆はサーバーごとに新規で付くので、レガシー鯖以外のサーバーにもひとりずつ、ファーストスターやスターオブザスターズがいるよ!
ただ、称号の仕様はある程度の人に知られている状態で始まったこともあって、ファーストスター持ちがだいたいスターズ持ちだったりもする。
エンリル鯖だとエルリさんが転生したキャラがあらかた掻っ攫ってるとかなんとか。
他のサーバーでもレガ鯖にキャラいる人に取得者が多いので、これは運営もちょっと考えた方がよかったのでは感。
「おやおや、中途撤退ですか」
生き残った全員で入り口に転送されて戻ったら、なんと『セルロイドブルー』さんが全員集合していた。全部で30人くらいなんで余り人数は多くない方だけど、全員が青系統の色の髪か青い装備なんで、無駄に目立つって言いますかー……
……このクラン、こういう形で取材回じゃないときにも、やたら絡みに来るのがちょっとうざいんだよね……立場上言えないけど……
正直、視聴ユーザーの間でも、お行儀が良くないクラン筆頭だと認識されているよ?自重?
(ひまちゃんごめんね、絵を潰す)
(おっけー)
個人トークでラストオーダーさんから断りが入ったので即了承する。
「いやぁ24まではいけたんだけど、新規モンスがバックアタックかましてくれてねえ!
……おっとこれまだ言っちゃだめなやつだっけ?」
「ごめんねー、ちょっとだめだねー、カットだねー」
わざとらしくなりすぎない程度に話を合わせて、カメラと自分の向きを変える。で、カメラはHiMaRi☆ちゃんのどアップだけ映しておく。
こういう時に情報をライバルにお出ししてでもこちらの都合を考えてくれるからラストオーダーさんは好きだー!
直前のカメラは私が先に出て、出てくる『わんにゃん王国』さんを映すところからしか回してないから、『セルロイドブルー』が画面に映ることはない。うん、問題なし!
「そうですか、それは残念。では我々も行ってきますよ」
「おう、いってらー」
平坦な口調で『セルロイドブルー』のクランリーダー、タロウザさんが述べて、言葉通り全員でダンジョンに入っていった。
ラストオーダーさんの返事は、いつも通りの彼女だ。ひらひらっと手を振るサービス付きだよ!
クラン規模や戦績はさておき、個人的にはやっぱこの鯖のトップはわんにゃんさんかなぁ、って思っちゃうのはこんな時だ。余裕が違う。
そんなわけでちょっと攻略関連で尺が取れそうにない予感がしたので、ホームポータルで戻ってからお疲れ様会まで撮影しておいた。
……後撮り全部使うことになった。我先見の明ッ……!
オペ:なんで最新行っちゃうかなー!気持ちは判るけどー!




