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1、プロローグ

オールストン帝国の歴史は長い。二千年以上続いた帝国は隆盛はあれど、今日まで続いている。その要因をあらゆる時代の学者が論じてきたが、共通するのはオールストン帝国の王家の異質さだ。


国が滅びたり、弱体化するときの要因はたくさんある。戦争、経済、政争…他にも王の不貞や革命などがああげられる。実際オールストン帝国でもそのような事件は幾度となく起こった。しかし、国が二千年以上も続いているのは異常なことだ。


ある時期に魔王という脅威がオールストン帝国を襲った。それを退けたのが三人の勇者だった。彼らは魔王を倒した褒美に女神からそれぞれ祝福を受けて幸せに暮らした。その中の一人、アレキサンダー=オールストンは女神の祝福で『千年間の国の繁栄』を望んだ。


その時から、王家には必ず一人しか後継者が生まれなくなった。どれだけ王が不貞を働いたとしても跡継ぎは一人。それがどのような効果があったのか後世になればなるほどわかる。


跡継ぎを巡って『後継者争い』をすることがなくなるのだ。国を疲弊させる要因は王になれない王族と野心を持つ家臣たちのどす黒い欲が関係していることが多い。けれど、それがすべてなくなるのだ。王になりたい王族はそもそも存在しないし、家臣にしてみても乱を起こす正当性がない。


少なくとも国の内部争いで崩壊するということがないというのは上に立つ者からしたらとても大きなことだ。


けれど、二千年も国が続けば腐敗が始まる。上級貴族たちは特に何をするでもなく、上級職に就き、跡継ぎもそのまま変わらずその職に就き続ける。彼らはルールを作る側だ。敵がいなくなった貴族たちは好き放題したとしても、咎めるものがいない。


堕落しきった貴族たちが国を支配していれば、国民も不満を持つ。けれど、このシステムのおかげで帝国は常に諸外国にリードをしていると妥協していた。


そんなある日、敵国から亡命者が現れた。国らしき組織を持たないが強力な力を持ち、オールストンよりも短いが千年以上自治を納める種族が、地図をオールストンと二部していた。名を『黒の民』と呼ぶ。そんな『黒の民』の中から、亡命者が現れたというのはありえない事態だった。


千年前に『黒の民』は帝国の秘宝、『聖剣』、『聖杖』、『聖典』を盗み、帝国を弱体化させた。その隙を狙って諸外国から圧力を受け、帝国が滅びてしまうのではないかという危機感を与えた。それゆえに、帝国の民は『黒の民』を恨んでいた。


それがつい十年ほど前、『黒の民』の中から裏切者が現れた。なんでも『黒の民』の中で内戦が勃発したらしい。その隙をついて、聖遺物を三つ盗み出し、オールストン帝国にやってきた。


その亡命者は皇帝陛下並びにその臣下、そして、王太子と謁見すると、悪魔のように笑った。そして、謎が多い『黒の民』についての情報と三つの聖遺物の返上を条件に亡命ともう一つだけ要求してきた。


それは三つの聖遺物を扱うことができる人間の育成を任せてほしいというものだった。


「私が彼らを教え導けば、この帝国の領地は10年後には倍になっているでしょう。もし、失敗したら、私を追放してくだされば結構です」


10年後になった今、成長した『剣聖』、『賢者』、『聖女』は瞬く間に他国を侵略し、オールストン帝国は宣言通り倍となった。


亡命者の名は『不死王』。その名の通り死を知らぬ存在だ。

『重要なお願い』

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