11B覇王鮫
◇
ざわざわと騒がしい異国の市場。その中を銀髪の男が歩いていた。
男は左手に紙袋を下げ、右手に市場で買ったと思わしき林檎を持っていた。男は林檎を弄びながら波濤のような雑踏と客寄せの声の中を進み、やがて、店の間にある薄暗い路地に入った。
ボロ毛布を纏った子供の脇を通り、贔屓目に見ても正気を保っているとは思えない男の側を抜け、銀髪の男は進む。
やがて建物がまばらになり、足元が石だらけになり、河原へ至る。そこでようやく男は後ろを振り向いた。喧騒と灯りを遠く望みながら男は林檎にかじりつく
やがて芯だけになったそれを足元に捨て、足で踏み躙りつつ言う。
「さっきから臭い匂い撒き散らしやがって、――誰だお前ら」
河原にはいつの間にか男以外にも人影があった。男の目の前にいる影が言う。
「気付かれていましたか」
「そりゃあ犬畜生並みに臭い匂い撒き散らされちゃあ気付くっつの」
「それは失礼」
「謝って済むなら賠償金はこの世に存在しない。……で、誰だ、お前ら」
「我々は――軍団」
ざっ、と男の周囲を数多の人影が現れ囲む。男はどうでも良いと言った風体で呟いた。
「軍団。ああ、聞いた事あるな。3つの系統、組織の世界で最近鰻登りの集団だったか」
「ほう、武力の頂点に座する十指――気狂いに覚えてもらえるとは光栄だな。さて、我々の要求は解るかね?」
男、気狂いは返答した。
「さあ?」
「何、簡単な事だよ。――――死ね」
男の言葉と同時に、気狂いを囲む人影が一斉に銃を発射した。
襲い来る銃弾を右に左に下に後ろに。踊るように躱して、気狂いは走り出し、
「さて、」
たん、と一人の人影の前に到達して、その首筋をナイフで凪いだ。
頭と胴が別々に落ちる音と共に気狂いは言い放った。
「んじゃ、いっちょ殺りますか」
「あーあ」
数分後、気狂いはそこらへんの死体から持った銃を弄び佇んでいた。
「話にならない以前に話すら出来ない。雑魚過ぎるだろ」
周囲は血と死体の海。殆どが体の一部を切り裂かれ、絶命している。
「ぐっ、く……」
気狂いの足音で呻き声がした。辛うじて絶命を免れたリーダー格の男。辛うじてであり、体から血が溢れて余命まくばだろう。
「数百人だぞ……! 我が組織全員を総動員させた……! なのに、何故貴様は傷一つ負わない……!」
「馬ァ鹿か、お前」
男の問いに気狂いは銃の広い銃口を覗き込みながら呆れたように言う。
「オレは武力の世界の頂点に座する十指の一人だ。たかが数百人、傷一つ負わずに倒せなきゃ名乗る資格なんざあるわきゃねえだろう」
「……ッ」
絶句する男の額に気狂いは弄んでいた銃を突きつけた。
「ま、礼は言っとこう。少しだけだがウォーミングアップにゃなったしな」
「気狂い――!」
男の絶叫に気狂いは、
「あばよ」
別れの言葉と共に撃鉄を引いた。男の顔が床にたたきつけた林檎のように砕ける。
銃を投げ捨て、気狂いは後ろを見た。
そこには一人の老人が居た。老人は周囲の惨状に皺だらけの顔を眉一つ顰めず、杖をついて気狂いに近寄る。
「やあ。お初にお目にかかります。あなたが気狂いですか」
「そう言うお前が覇王鮫か」
「いえ」
老人はやんわりと否定した。
「?」
予想外の返事に気狂いは顔を傾げる。
「お前は覇王鮫じゃないのか」
「いえ、私は覇王鮫と言う異名を持っていました。今は捨てましたが」
その言葉に気狂いは顔をさらに傾けた。
「捨てた? 引退したのか」
「ええ」
頷く老人。
「……おかしいな。まだお前は在籍しているぞ? 引退したとかは聞いてない」
「おや、おかしいですね」
両者共々首を傾げ、不意に老人が思い出したように言った。
「ああ。そう言えば言い忘れていました」
「……引退した理由は年だからだな」
「ええ。最近めっきり」
「そうか」
相槌を打ち、気狂いはポケットからナイフを取り出した。
「さて、本題に入ろうか」
「本題とは?」
老人の問いに気狂いは答える。
「なに、聞きたい事があるだけだ」
「聞きたい事と言われましてもねえ。私は結構口が固いですよ? どうします?」
試すような口調で言う老人。
「んじゃあ賭けをしよう」
ナイフを空に放り、キャッチする。下手をすれば自身の腕を怪我する危険なジャグリングをしながら、気狂いは言う。
「お前が勝てばオレはなんでも言う事を聞いてやろう。オレが勝てばお前はオレの質問に答えろ」
「悪く無い、否、少しこちらの方が分の良い賭けですね?」
「介護サービスだよ。文句は無いな?」
「ええ」
パシリ、とナイフを右手で掴み、気狂いは構えた。
「んじゃ、ま、さっさと殺るぜ」
「そうですねぇ、補食を、開始しましょう」
最初に走り出したのは気狂いだった。
前方に踏み込み、右斜め下からナイフを一閃。
老人は風体に似合わぬ、機敏な動きで後ろに下がって、それを躱す。
それを追いかけるように左からの一閃を繰り出す。
老人は後ろに跳んで、それを躱し、散乱する死体の合間に立って距離を取った。そして構え、地面に向かって拳を突き出す。瞬間、爆撃を喰らったかのように死体と地面は破砕した。
「うおっ」
顔に飛んで来る石や土や死体の肉を手を翳す事で防ぎ、指の間から土煙漂う前方を見る。土煙の中には人影は無かった。
「!?」
右側から空気の流れを感じた。顔を右に向ける。そこには老人が拳を振りかぶっていた。
「土煙に紛れて……!」
突然現れた理由を推測しつつ、地面を蹴って素早く左に跳ぶ。瞬間、居た場所に老人の拳が叩きつけられた。弾け飛ぶ地面。
宙に浮きながら、気狂いは言う。
「まったく、その豪快さ、破壊屋を思い出すね!」
老人は土煙の中を突き進みながら答えた。
「私の特性は、岩や人体を容易く砕く、武術。破壊殲滅さんと似てますが非なる物ですよ――」
「オレにはどちらも同じに見えるがな!」
地面に着地し、言う。
それに答えず、気狂いの前に到達し左手による貫手を繰り出した。
半身になる事でそれを躱す。そして、気狂いは半身になった体を戻す勢いを利用し右手から反撃の一閃を放った。しかし老人は右に転がる事でそれを躱す。
「やはり一筋縄では行かないですね。ですから」
だん、と足を地面に叩きつけ、老人は先程よりも大きく後方に跳んだ。
着地すると同時に体制を低くし、気狂いに体を向ける。
「――!」
瞬間、気狂いは左に跳んだ。と同時に、気狂いが立っていた場所が抉れる。
たん、と着地し、気狂いは自分が今居た場所よりも右側――抉れた地面の最先端に立つ老人を見る。
「はっ。それがお前が鮫と呼ばれる由縁か?」
老人がゆらりと気狂いを見る。
「ええ。全身全霊で目の前の敵を蹴散らす、対大多数用の技。名前は付けていませんが、私が鮫と呼ばれる由縁」
「だがそれだけじゃあないんだろう? その程度じゃあ十指にはなれない」
「いえ、この程度ですよ。あとは相手の武器を使ったり、地形を利用したりしますね。こんな風に」
ひゅっ、と老人は右手を払う。瞬間、気狂いの左側を何かが通り過ぎる。
「――!?」
気狂いは視線を左後ろに向ける。距離約100メートルにある木の幹に石がめり込んでいた。それを見た気狂いは素早く右に。瞬間、気狂いの顔の辺りを石が通過した。
「地形利用ってそういう事かよ」
足元の石を蹴り上げ、左手で掴み右手に投げ渡し投擲しながら老人は答える。
「ええ。原始的な手ですよ。街の中ならアスファルトを、部屋の中ならそこらへんの物を、森の中なら木などを――削り、掴み、なぎ投げる」
「お前は駄々っ子か?」
そう言って、気狂いはを躱しつつ前の地面へと上半身を倒し、老人へと走り出した。
弾丸のような速さで放たれる投石の迎撃を、走るペースは落とさず顔や体を少し捻るなどして躱す。石が頬や肩をギリギリで通過するのを感じ取りながら、気狂いは老人の目の前へと到達した。
瞬間、気狂いの体が伸び上がった。地面と平行になっていた体を起こしたのだ。右手には銀の煌めき。
老人は上半身を後ろに逸らす事でそれを避ける。そして無防備になった脇腹に、反撃の拳を叩き込もうとした。威力は低いが構わない。相手の体勢を崩せば、その間に攻撃出来る――。
そう考えた瞬間、老人の視界にピンクの何かが飛び込んだ。予期せぬ投擲物に考えるより早く無理やり軌道を変え、それに叩き込む。
叩き落とされたそれは河原の石の上に落ちた。老人の目がそのピンクのパッケージといちごミルクと書かれた文字を視認する。
「なんだ、要らないのか?」
目の前で気狂いが言う。その右手は既に老人へと振り下ろされ――
「オレの勝ち、だ」
老人の首筋ギリギリでピタリと停止した。
「……てっきり殺すのかと思いましたが」
「殺さねーよ。殺したら聞きたい事聞けないだろ。今はそこまで狂っちゃいない」
「そうですか。とりあえずナイフを下ろしてください。この少し力込めれば死ねる状態に、私の心臓はバクバクしてるのですが」
「ああ。まあ、老人は大切にがオレの今週のスローガンだしな」
そう嘯き気狂いはナイフを引き、ポケットに入れる。そして足元のいちごミルクを拾い、言う。
「こんな場所で話すのもなんだからとりあえず、あんたの家にいこう。在るんだろ、この付近に」
「ええ」
パチリと電灯が点く。照らし出された部屋を見てオレは呟いた。
「質素だねェ」
「装飾過多は性に合わないので。とりあえずお茶を持ってくるので腰掛けてください」
「おう」
言われた通りに部屋の中央にある机を囲む椅子の一つに腰掛ける。
老人が部屋の奥――多分、台所だろう――に入るのを確認し、辺りを見回した。
中央にオレが座っている椅子と机があり、老人が入っていった扉は入り口の反対側にある。左の壁に本棚とその脇に扉、右の壁に2つの扉がある。扉の先は大方風呂、トイレ、寝室のどれかだろう。
「……ん?」
本棚を眺めるとその人間の性格が解ると言うのを思い出して眺め、一番下の段に箱があるのに気付く。
近寄り覗いてみるとそこには子供が喜びそうな玩具が入っていた。
「……」
玩具の包丁を手に取り、弄びつつ考える。
「家宅捜査とは。趣味が悪いですね」
背後から声。振り向くとそこには湯気の立つカップを乗せたお盆を持つ老人が居た。
「あいにくと育ちが悪いんでな」
返答し、おもちゃの包丁を戻してテーブルに戻る。
カップを取り、オレは老人を見た。
「さて、聞かせてもらおうか。覇王鮫。まず問うことは一つ」
オレは老人を見つめ、
「お前、桃太郎を拾ったか」
そう言った。
老人はカップに入った茶を一口飲み、カップを置いた。それから言う。
「流石気狂い。とち狂った言葉に関しては天下一品ですね」
「殺すぞ。まあ言い方が悪かったのは渋々ながら認めよう。言い方を変えると、覇王鮫。お前は子供を拾ったか?」
「はい」
「だろうな。そうじゃなきゃあの玩具の意味が解らない。玩具で遊ぶ年頃でもないし。まあ、あんたがロリコンとかなら話は別か。……質問を重ねるぞ。その子供は川から流れてきたな?」
オレの言葉に老人は首を傾げた。
「……ああ。だから桃太郎ですか」
「その言葉を聞くに流れてきたんだな?」
老人は頷いた。
「ええ。それがどうしました?」
老人の問いにオレは椅子に深く腰掛け、答えた。
「オレはその子供の正体を知ってる」
ほう? と老人がオレを見る。
「人外計画……って知っているか」
「いえ。知りませんね」
首を傾げる老人。フン、とオレは鼻を鳴らした。
「簡単に言うと悪の組織が怪人を作る計画だ」
「ふむ。なるほど」
納得したのか、老人は頷いた。……冗談だったんだが。
「で、その研究所はさっきお前とやりあった河原の上流にある。オレがお前を見つけた理由はそれだ」
「? よく解りませんね。どういう事でしょうか」
老人が首を傾げれば。オレは少し考え、言った。
「んーとだな。昔その研究所に行ってノートパクってファイアーしたんだが」
「大分端折ってそうですが良いでしょう」
「んでパクったは良いがパラパラ捲っただけであとはそのまま放置しててな。つい最近見てみたら面白い事が書いてあった」
「ほう」
興味深そうな表情をする老人。
「脱走した一体がいるって事さ」
「脱走?」
「ああ。その日記によると当時はようやく人の形をしたモノが作れるようになってな。とりあえずその中で一番人の形をした物が選ばれたんだが――」
日記の内容を思い出しつつ、言葉を紡ぐ。
「その数日後、欠陥が発見された」
「欠陥?」
ああ、とオレは頷き、
「成長しない。新陳代謝はあるし、髪も伸びたりするが、成長しないんだ」
「はて。それなら良いでしょうが」
「駄目なんだよ。人外計画のコンセプトは社会に溶け込むバケモノを作る事だ。故に大国に潰されたんだがな。成長しないって事はそのコンセプトが潰れると言う事だ」
老人はふむ、と頷いた。
「まあ、なんとなく理解は出来ます。それで、」
「数日後に処分される事になる……筈だったんだが」
「脱走した、と」
俺は頷いた。
「ああ」
「しかしどうやって」
「その世話をしていた研究員が脱走させたんだ。情が移ったのかは知らんが、処分前夜にその実験体と共に逃げ出した。が」
「が?」
老人が促す。オレは頷き、
「すぐ見つかって研究員は撃たれた。その後、川の近くで死んでいるのが発見された」
「実験体は?」
「その付近に杭とそれに巻きついたロープがあって、ロープの先端は切られてた。その事からして舟に乗せられ流されたんだろう」
そしてオレは一息吐いた。
「一つ質問があります」
「なんだ?」
視線を老人に向ける。老人は少し口ごもり、
「何故あなたはその実験体を追うのです」
「理由か。戦ってみたいんだよ。オレが勝てないと思っている相手にな」
「はい?」
老人が訝しげな表情を見せた。
「……その実験体が生まれたのは今から二年半前とかなり最近だ。んでさっきこの辺りに住んでる奴らにお前の事を聞いたらよ。二年半ぐらい前から子供を連れて歩いている所を何人もの人間が目撃したと証言した。さあ自白タイムだ。親子丼食うか?」
「いやそこはカツ丼でしょう……」
「ん、なんだ自白する気か」
「いえ。と言うか問題すり替わってません?」
老人の指摘にオレは、
「チッ」
と舌打ちした。
「すり替えてたんですね、やっぱり……」
「まあ半分は冗談だがな」
オレの言葉をはいはいと聞き流し、老人は問う。
「二年半前です。その話し方から察するに、その前後に何かあったと見て良いですね。して、それはいったい……」
「その実験体が生まれる半年前――三年前。人外計画は破壊殲滅によって殲滅された」
老人は眉間に皺を寄せた。
「……ならば何故、何故その後も人外計画が続いてるんですか?」
「……最初からその殲滅が仕組まれていたら?」
「……なに?」
老人の眉間の皺がより深まる。
「そう、最初から奴らは自身の研究を恐れた誰かが自分達の殺害を企む事を計画に織り込み済みだったんだ。否、もしかしたら自分で依頼したのかも知れないな」
老人は何度か頷き、
「ふむ。なるほど……。しかしそんな面倒な事を何故? ……自身らを裏社会から抹消するためですか?」
「もう一つある、サンプルを得るためだ」
「サンプル?」
まさか、と老人は言う。
「だからですか。だから破壊殲滅に襲わせたんですか。彼のサンプルを取る為に」
「……違う奴が来る確率もあっただろう。まあ所長あたりがギャンブラーだったんだろ」
こきり、と首を回し、俺は言う。
「さて、そろそろ聞こうか」
「何を、ですか」
「お前の子供の事だよ。さっくり聞こうとしたのに人外計画のせいで遠回りになっちまった。手短に行こう。お前の子供は今、どこにいる?」
「私の子供ですか。私の子供は一年くらい前に美味しい物を探しに旅に出ました」
「美味しい物を探しに……って。まるでお前みたいだな」
ええ、と老人は頷いた。
「適度な生活をさせたのに何故か私に似て暴食でしてね」
「ふん。蛙の子は蛙って事か。いや、お前の場合は鮫の養子は鮫と言った所か?」
「ええ、そんな所でしょう」
老人の返答を聞きながらオレは椅子から立ち上がる。
「さて、そろそろ帰るか」
ドアに向かって歩き出す。ドアの目の前に至った所で問うべき事があった事を思い出した。
振り返る。老人は悠然とお茶を飲んでいた。
「最後に一つ言いたいんだけどよ」
「はい」
「……あの研究所殲滅したの、お前だろ」
「何を根拠に?」
「何の根拠も無い。ただ思っただけだよ。破壊殲滅と破壊の仕方が似てるお前ならな」
老人は何もを言わない。まあもとより答えなど期待してない。オレはドアノブに手をかけた。
「私からも最後に一つ、言っておきましょう」
背後から老人の声がした。オレは振り向かずに問う。
「なんだ」
「脱走を幇助した研究員の事ですよ。彼女は情が移ったんじゃない、生きて欲しかったんですよ、あの子に。遺書を見る所によると彼女はあの子を死んだ自分の娘に重ねていたゆうですよ」
「……」
数瞬の沈黙の後、オレはドアノブを回し、ドアを開けた。そして外気を肌で感じながら言う。
「じゃあな」
「ええ。またの再開を」
老人の言葉を最後にドアは閉じた。
覇王鮫
男
無し
十指の一人だがいつの間にやら引退していた。
そんな訳で今回は戦闘シーンに力を入れてみた。そのせいか1ヶ月くらいで書き終われたよ。
次回予告
次回 12A日向高校の情勢
妹コンビ(+α)
「あまり出番が無い妹こと百棟縁っちだぜ~」
「その人より出てない美端琥金ですよっ!」
「上記の二人よりは遥かに出番があってちょっと肩身が狭い華葵架恋ですよー」
「あとあたしの家で買ってるペットの猫こと影猫ちゃんでーす」
「にゃあ」
「わー可愛い」
「愛らしいですっ」
「でー? なんであたし等呼ばれたの」
「琥金も疑問ですっ」
「あーわたし知ってます。前先輩と一緒にこんな謎空間に……くっ、思い出したら先輩に会いに行きたくなりました……! せーんーぱーい、どぉこですかああああぁぁぁぁぁ……」
「元気な人ですねっ」
「元気すぎるけどねー。と言うかどっか行っちゃったよ。唯一この場所に来た意味が解るっぽい人だったのに」
「そうですねっ。どうしましょうか……あ、帰って来ました」
「……ガッデム! 先輩居ないですよこの謎空間! かくなる上は早く脱出しなければ!」
「え、どうするの?」
「どっかに落ちてる紙に書かれた文章を朗読するんです」
「紙って……どこにもありませんけど」
「おかしいですね……どっかにあるはずなんですが」
「にゃー」
「ん、どうしだの影猫。……紙?」
「それですっ! 読んでください!」
「え、えっと「感想、批評、質問、助言等、待ってます」……あ。なんかドアが出現した」
「よっし、待っててくださいよせぇんぱぁーい!」
ちなみに妹キャラは他にも楠商店や御手洗家などに居るのだが登場していないので割愛する。




