9Cクリスマス・カプリチオ〈下〉
祝、PV1万、ユニーク4000! 来てくれた方には本当に感謝しますっ!
……あれ、最新する度に祝っているような。
◇一年四季視点
「……ねえ、ヒナタ」
「んー? なに?」
「これは、なに」
「何って……お粥だけど」
「……お粥って、普通白じゃないっけ」
「焦がしたんだぜ」
「……そう」
そう言って私は立ち上がる。
「んん? どーした、しっきー」
「作り直すのよ……。全く」
◇矢神統夜視点
「とりあえず、だ」
とある路地裏。そこに集う華葵と玄狼と双子とアリスとキャロルを除く朝霧荘メンバープラス2人に俺は言った。
「響歌、気狂い、覇峰は等々力の捜索。俺は家具の調達。巴手、サンダースは双子とアリスとキャロルの見張り。――質問は?」
その言葉に覇峰が言う。
「……矢神は追わないのか?」
「……俺はもう十指でも暗殺者でもなんでもない。しがないアパートの管理人だ」
「……そうか」
納得してなさそうな表情で言う覇峰。続いて巴手が聞いた。
「えっと……見張りって……?」
「そのままだ。今日は曲がりも何も入居者が増えた事を祝うパーティーだからな。当事者に余計な心配をさせたくない」
「……解りました。……あれ? じゃあ私だけでいいんじゃ……?」
「それはハテがうっかりばらすかもしれないからだよ! だよねえ、トウヤ!」
「そうだ」
「……ああ」
「……本人を前にしてひどいな、オイ。て言うか巴手。納得したような表情をするな」
覇峰が呆れたように言う。俺はそれを横目にまとめる。
「……とりあえず。今の所被害は出てないが……それもいつまでも持つとは思えん。急ぐぞ」
その言葉と共に気狂いは北に、響歌は東に、覇峰は西と別れ、巴手、サンダースは朝霧荘へ戻った。俺はそれを見送った後、家具を調達するため、日向デパートに向かった。
去る前に覇峰が去った方に顔を向け、一人呟く。
「……すまんな、覇峰。俺にはあいつとの約束があるんだ」
○どこかの部屋の会話。
パチン、と部屋に指を鳴らす音が響く。続いて響く心底楽しそうな声。
「――イエイ、イエイ、イエエ! よーうやく、動き出したみたいだねえ?」
ハイテンションなその言葉に心底めんどくさそうな声が返答する。
「……どうやらそうらしいな」
「んでんで? あーたーしーたーちーはー、どう動けばいーのかな?」
「……兵蔵曰わく、出来る限り殺さずに退場願いたいそうだ」
「ふーん? それだとあんたが適任ね?」
「……まあな。というか華奈。お前が活躍出来るのはハッキングとか機械関係のインドア根暗な方向じゃねえか」
「……まあね? でもあたし的にはどこぞの大量殺人禿げ親父よりはましだと思うけど?」
「……その禿げ親父ってのはもしかしなくても儂の事か?」
「……あら。自分が禿げてるって自覚あったの?」
「……ひゃはは。殺してやろうか? 根暗女」
「望む所よ大量殺人バカ」
険悪な雰囲気が部屋に流れる。それを破るように穏やかな声が混じる。
「――まあまあ2人とも。今は争ってる場合じゃ無いよ? ヤミちゃん曰わく早く終わらせたいらしいから。争ってると多分、今日の夕飯は2人の嫌いな物が出ると思うし」
「げー。……オッケー」
「むう。……了解」
穏やかな言葉に、“2人”の声が返答した。
「よし。それじゃあ行こうか」
◇美端西姫
数時間粘ってみたけど結局これと言った物は見つからなかった。
「はあ……」
ため息を吐きながらゾンビのような足取りでデパートを出る。
ほんとどうしようかと思いながら日向デパート前の広場のベンチに腰掛ける。
「……あれ?」
見るともなしに広場を眺め、あたしは違和感を感じた。
いや違和感と感じるには明らかに変わってる所があった。
目の前のビルに何か変な物が突き刺さっているのだ。目を凝らしてよく見る。ベンチの横にあるオブジェに似てるような……。
そこでもう一つ気付く。あたしが腰掛けているベンチにオブジェが無い事に。
「まさか……ね」
脳裏に巡った想像を頭を振る事で消し、あたしは立ち上がった。……とりあえずそこら辺りを歩こう。もしかしたら何か良い物が見つかるかも知れないし。
◇柊木信視点
「大体お前は! いつもいつも――」
「そりゃテメエが悪いんだろうが――」
……いつになったら終わるんだろうか。 目の前で行われている美鈴さんVS華葵父の言い争いを眺めながら俺は思った。ちなみに華葵は母親との会話を終え、何故か俺の腰にひっいていた。正直、邪魔だ。
「……何やってるんだ、華葵」
もうこれ逃げていいか? そう考えていると、横から声がした。思わずそっちを見る。視界の端で華葵父と美鈴さんが振り向くのを捉える。
視線の先に居たのはラフな格好で身を包んだ一人の男。よくよく見れば整っているのだろうが全身を包む疲労感がそれを台無しにしていた。
「……矢神」
美鈴さんが言う。どうやら知り合いのようだ。 矢神と呼ばれた男はポリポリと頭を掻きながら美鈴さんに問った。視線の先には壁に突き刺さったオブジェ。
「……この惨状はお前の仕業か?」
「……ああ」
美鈴がこくりと頷く。そして、
「で、矢神。お前はなんでこ「貴様! まさかこの放蕩娘の彼氏か!?」……おい」
何かを言いかけたが華葵父に阻止された。
「……は?」
矢神とやらも動きを停止する。華葵父はそれに構わず続ける。
「成る程。つまり貴様、僕に娘さんをくださいと陳腐で使い古された定番極まりない台詞を言うつもりだな? よし解った、貴様にこの放蕩娘はくれてやる」
「……いや、アンタだ「テメエ、このクソ親父! 何勝手に娘の将来決めてやがる!」……」
矢神が何か言おうとしたが美鈴さんに阻止される。
「ふん、だからOKしてやったんだろう。これからお前は自由だ! そいつを今すぐ振るもよし、付き合うもよし。結婚式をするもよし、だ」
「勝手に妄想を進めるな! いいか、矢神はオレが住んでいるアパートの管理人だ! テメエが考えている関係じゃねえ!」
「知ってるか? 人目がある所ではツンツンし、人目が無い所ではデレデレする奴の事をツンデレと言うらしいぞ」
「……オレがそれだと言いたいのか!?」
「そうだ」
「――ッ、この――!」
再開する言い争い。傍目から見ればトラの着ぐるみと男のような女のシュールな喧嘩にしか見えないだろう。親子喧嘩だと誰が思うか。……いや、これが親子喧嘩だと解る奴はほとんど居ないな。
そんなどうでもいい事を考えながらぼんやりトラVS美鈴さんの第二言い争い戦争を眺めてると不意に袖を引っ張られた。見ると華葵だ。
「先輩先輩」
「……なんだ華葵」
「今の内に逃げませんか? 母さんはわたしを止めようとはしませんし、お父さんはお姉ちゃんと喧嘩してますし」
「……ふむ」
しばし考え、俺は頷く。
「よし、さっさとこの場を離れるぞ」
「はい!」
元気良く頷く華葵をお供に俺はようやく日向デパートに入った。
○
「ふー、ふー……」
息を整え、等々力はこれからの行動を考える。
……あの馬鹿力男は多分デパート辺りに居るだろう。よってあそこには戻れない。他に沢山人が居る所と言えば――。
「商店街……か」
呟き一人頷く。そうと決まれば行動だ。片っ端からバラバラに切り裂いて殺してやる。
湧き上がる殺人衝動を抑えつつ、等々力は歩きだそうとして――。
風を切る音を聞いた。
「ッ!?」
反射的に頭を逸らす。その直後、今し方頭が合った場所にダーツのような物が突き刺さった。
「……」
首をダーツが飛んできた方に向ける。
「惜しい。外したか」
そこに居たのはスーツを着た女だった。言葉からしてダーツを投げたのはこの女のようだ。
「誰だ? テメエ」
問いながら等々力はナイフを構える。馬鹿力男に殴られた腹が痛むが、行動を妨げる程では無い。
「誰だ、とはご挨拶だな。まあとりあえず通りすがりの美女とでも名乗っておくか」
「……ふざけてるのか?」
「いや? 大真面目だが?」
そう言って肩をすくめる女。
その態度に等々力は何を言ってもはぐらかされると悟った。だから、とりあえず切り裂く事にした。
走り出す。前置きはいらない。今から斬る相手に必要だとは思えない。
「ん? なんだもう始めるのか?」
気怠げに女は呟く。そしてスーツのポケットに手を入れ、一本のダーツを出した。振り払うように投げる。
「――ッオオオオ!」
放たれたダーツ。それは正確に等々力の肩を打ち抜こうとした。バランスを崩しながらも体を捻る。ダーツは服をかすめ、後方に飛んでいった。
再度ダーツを取り出す女。させるかとばかりに等々力はナイフを持った右手を振る。女はそれを素早く屈む事で躱す。そして瞬時に狙いを定め、ダーツを放つ。
「っ、が――!」
右肩に走る激痛。思わずナイフを取り落としてしまう。
それを後目に後方へ跳ぶ女。その最中に再度ダーツを取り出し、着地する。狙いを付けるより早く、等々力は無事な左手でポケットを探り、玉のような物を取り出した。そして勢い良くコンクリートにぶつける。
ぼん。
間の抜けた音が響き、煙が噴き出す。
「……煙玉か。一昔古い逃走手段だな?」
そう言いながらダーツをろくに狙いをつけず、等々力が居た方に投げる。当然の事ながら手応えはなかった。
「……やれやれ。まあ手傷を負わせただけ、良しとするかな」
そう呟き、何事もなかったように女は踵を返した。
◇柊木信視点
「……あっれー? そこに居るのはもしかしなくても信?」
華葵と共にイベントコーナーに向かっていると横からそんな言葉が聞こえた。
「……光村か」
「あれ、華葵ちゃんも。なになにこれはもしかしなくてもデート?」
「男女が揃って歩いているのをデートと言うのならな」
「違うの?」
そう言って首を傾げる光村
「違う。こいつが勝手について来ただけだ」
俺がそう否定すると、
「あ、そうなの? 華葵ちゃん」
光村は華葵に問った。
「違いますよ! 先輩は照れてるんです!」
百%嘘の言葉を躊躇いも無く吐く華葵。
「……それこそお前の勘違いだ」
ため息を吐きながら俺は再度否定した。
「もー、相変わらずのツンデレなんですから!」
◇美端西姫
「やあ。君、買わないかい?」
「……?」
何か無いか何か無いかと商店街をふらふら歩いてると声をかけられた。
声のする方を見る。そこには路地裏に続く道があった。暗い方へ続くその道の壁際に、しかれた灰色のシートとそれに座る男。
他に人が見当たらないので彼が声をかけたのだろう。
「……何を、ですか?」
警戒しながら男に近寄る。男はにこりとあたしに笑いかけ、自身が座っている灰色のシートを指差した。その指先には何か光る物が置いてある。屈んで見てみる。どうやらキーホルダーのようだ。
「……手に取って良いですか?」
「どうぞ」
許可が出たので一つ掴み、目の前にあげる。奇妙なデザインだがどうやら虎をかたどっているようだ。……うん。なかなか良いかも知れない。
「何円ですか?」
「千円、と言いたい所だけどね。キミの運命はなかなか面白いから二百円にまけよう」
奇妙な事を言いながら男はまたニコリと笑う。
「……え? いいんですか?」
「うん」
「えーっと……じゃあお言葉に甘えて……」
ポケットから財布を取り出す。開き、百円を二枚摘んであたしは男に渡した。
立ち去ろうとすると男はまた奇妙な事を言う。
「それにしても本当、キミの運命は面白いね。まさかこの先の人生で一回も“呪い”に遭遇しないなんて……僕の運命と交換したいくらいだよ」
「はい?」
「いや、別に何も無い――いや、一つあったね」
そして爽やかに笑いながら言った。
「パンツ、見せてくれないかい?」
あたしは脱兎のごとく逃げ出した。
○
「うん、やっぱりあんな事言われたら普通は逃げ出すよね」
美端西姫が去った後。
男――語リ部終は一人頷く。
そして不意に灰色のシートの上に並んだキーホルダーを全て掴み、傍に置いてある大きな青いリュックサックに無造作に入れた。続いて立ち上がり、シートを丸め、同じくリュックサックに入れる。
「よいしょっ、と」
そしてリュックサックを背負い、足早にその場を立ち去った。
「それにしても――本当に面白い運命だ。数十分後、殺人犯が通るこの場所で僕に会うなんて、ね」
そんな言葉を残して。
それから数十分後。
語リ部終の言葉の通り、その路地裏に等々力が姿を表した。
「ちくしょう……!目についた奴みんなバラバラにしてやる……!」
等々力は錯乱していた。二回の思わぬ妨害と逃亡。更にその時に負った怪我によって。
「――……!?」
ようやく、商店街にたどり着いた等々力が感じたのは圧倒的なまでの静けさ。
静けさの理由は直ぐに解った。誰一人として人が居ないのだ。
「なん、だ……?」
一瞬等々力は自身が異世界に迷い込んだのかと思った。だが直ぐに滑稽な話だと否定する。
――……不意に。
静かな商店街に足音が響いた。
「――!」
急いで等々力は振り返る。そこにいたのは、
猫のお面をつけた真っ白な髪の少女だった。
普段の等々力ならすぐさま飛びかかって殺しただろう。だが今はしなかった。いや出来なかった、と言うべきか。その少女は異様な雰囲気を漂わせていた。数瞬の静寂。不意に少女が口を開いた。
「お主が殺人犯、等々力将吾、か?」
「ッ!?」
驚愕を浮かべ、等々力は後ろに飛んだ。そして左手でポケットのナイフを掴み、引きずり出す。
「誰だ……ッ、テメエは!」
恫喝させるかのごとく、叫ぶ等々力。それに少女は容姿に合わない口調で答える。
「儂の名か? 儂の名は、火野原燎原。元十死、虐殺自殺、と名乗った方が良いかね」
「虐殺自殺、だと……!? 馬鹿な、虐殺自殺は――。
十年前に死んでいる筈だ。
「ほう。虐殺自殺は死んだとな。なら、今貴様の目の前にいる火野原燎原は、誰だ」
「……そんな物、決まっている」
やや落ち着きを取り戻して、等々力は言う。
「お前は虐殺自殺を語る偽物だ」
「……普通なら誰もがそう思うだろうな。だが違う」
「何……? まさか虐殺自殺が生きてると言うつもりか?」
「いや、虐殺自殺――火野原燎原は確かに死んでいる。だが――まだ、火野原燎原と言う意識は完璧に死んではいない」
「はっ。つまり幽霊だとでも?」
等々力の言葉に女は首を振った。
「近いが違うな。幽霊は人間の意識で出来た物。……儂は、コピーだ」
「コピー?」
「そう。コピーだ。火野原燎原と言う意識を完全に復元した、な」
「ふざけるなよ。完璧に復元? 有り得ないだろう、そんな事」
「どこまでも疑う男だな。なら試してみるか? 今から儂を殺して見ろ」
「……言われなくてもやってやる」
その言葉を最後に等々力は火野原燎原と名乗る少女に向かって走り出した。
少女は身動き一つ動かさない。
等々力が少女の前に到達した。そしてナイフを振りかぶる。
「――……あ?」
振り下ろす瞬間、 少女が居ない事に気づく。変わりにあるのは黒い玉。
それが小型の爆弾だと気付いた時には手遅れだった。
弾く事も逃げる事すら出来ず、爆弾は――爆発した。
爆発音が商店街に轟いた。
「――ふん。何も出来ずやられるとは若いな」
倒れる男を背に少女はポケットから携帯電話を取り出した。
「――……ああ、兵蔵か? たった今終わった。……安心しろ殺しちゃいねえよ。半殺しにはしたがな。……ああ解った。じゃあ儂らはこれで帰っていいな」
ひとしきり話、少女は携帯電話をしまう。そして被っていたお面を外した。
「さて、と。おい無闇。今日の晩飯はなんだ?」
一人ごとのように言う少女。その返答は少女の口から帰ってきた。
「シチューよ」
「なら人参は入れないでくれ」
「いや。人参は体に良いの。あなたのわがままで体を悪くする訳には行かないわ」
「……むう」
「アハハハハ! ザマーミロ禿げ親父ー!」
「……華奈。あまり騒ぐと明日の昼ごはんにピーマン入れるわよ」
「えー。ピーマンいやー」
「こらこら華奈ちゃん。好き嫌いは良くないよ」
「いーじゃん別にー。どうせ私たちに影響は無いんだしー」
「闇ちゃんには影響があるんだよ。だから我慢しよう」
「うー」
「……あまり外で騒がないで。万が一でも見られたらこれから動き辛くなる」
「解った」
「はーい」
「うん」
少女――哭搭無闇は自分の口から漏れ出る言葉にため息をついた。そしてお面を手に自らが住まうマンションへと帰路を辿る。
◇矢神統夜視点
朝霧荘にて。
「……あー。そうですか。……はい。解りました……では」
受話器を置くと響歌が俺に聞いてきた。
「ん、どうだった?」
「終わったそうだよ。大きな被害は日向デパート前の広場の壁とオブジェのみだ」
「……ほう。奇跡的だな、それは」
「ああ、俺もそう思う。……っと」
「ヘイ、トーヤ。おかわり頼みますヨー」
「おい、矢神! 酒もっと持って来い!」
「音無し。苺パフェのおかわりたのむ」
「ボクはチョコレートパフェー」
「ワタシもー」
「すいません管理人さん。このチキン、まだあります?」
「あー、ハイハイ、解った解った。今用意するからまってろ!」
リビングから大勢の催促。
「多忙だな、矢神」
響歌がニヤリと笑う。
「ならお前も手伝え」
「却下だ。ワタシは食べる方専門なのでな。まあこれが終わったら一緒にシャンパンでも飲もう」
「……その前に死ぬかも知れんがな」
華葵家
「ぐうう、柊木めええ……! 次会ったら絶対にぶん殴ってやる……!」
「お父さん! 先輩に迷惑かけないでくださいよー。かけたらしばらく無視しますから!」
「おのれええええええ……!」
深旗家、玄関前。
「……はい、プレゼント」
「は、ハニーから、かい? サンタさんからじゃなくて?」
「そうよ。別に聖に言われて仕方無くやっている訳じゃないからね」
「……っ! は、ハニー! 今テープレコーダーを用意したからもう一度今のツンデレ台詞を言ってくれ!」
「誰が言うか」
「ぐふっ。きょ、今日もハニーはツンデレだなあ」
御手洗家
「よー断悟ー」
「……何しに来た、壱木」
「ちょっと夕食を集りに」
「帰れ」
「みたらし団子ー。お前の白菜だけで良いかー?」
「バッ、良いわけ無いだろこの鳥頭! くそ、そこで待ってろよ、壱木!」
「……お邪魔しまーす。おー、鍋だー」
「待ってろって言っただろおおお!」
「あ、すいません、お茶お願いします」
「あたしもー」
「お前らはお前らで寛ぐなっ! さっさと帰れっ!」
百棟家
「ただいまー」
「あ、兄さんお帰り」
「……なんだい? このお菓子の山は」
「あ、それ? ちょっと通りすがりの人に貰った」
「……面白い人もいたもんだね」
また戻って御手洗家
「……ったく。ちっとは人の家だと言う事を考慮しやがれ。……ん? そういや壱木、その菓子の少なさはなんだ? 俺はお前の事だから埋もれる程に買うと思ってたんだが」
「あー。確かにそれくらい買ったよ。けれどなんかお菓子の山に巻き込まれた子が居たんで可哀相だからあげたー。あ、所で御手洗。この鍋の中に煎餅入れていいか?」
「……入れてもふやけるだけだ。やめとけ」
道端で一人の男が凍てつく空気の中、夜空を見上げていた。やがて囁くように呟く。
「メリークリスマス」
ぐだぐだ感が否めない終わり方だー。そしてとても長い……。
補足。
十死。間違いでは無い。十指の前の十人を示す。
付録
とりあえず本文での説明が結構おざなりなので今更ながら種族の特徴をば。別に良いって方は飛ばして結構ですよ。
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No.1死神
冥府に居る死の使い。
寿命以外(事故、病死など)で死ぬ人の元に現れる。場合によっては戦う場合があるらしい。
一番偉いのは死神長って呼ばれる人。噂によるとその人は死神を人間にする事が出来るとか。
能力 使い魔の能力を上げる。魔力が必要らしい。ちなみに常時発動しているため、魔力の補給が期待出来ない現世では眼帯や包帯などで封印している。
使い魔 カラス、猫など動物が多い。死神を補助する。
弱点 身体能力は人間と同じ。
No.2不死の王
太陽に弱い、十字架を直視出来ない、など吸血鬼の一般的な弱点を一切廃した吸血鬼。
能力 蝙蝠になるなどの一般でいう吸血鬼が使える技は使えないが、その代わり再生能力は凄まじく、塵にされても灰にされても細胞が跡形も無く消滅しても一瞬で再生する。身体能力は常人の二倍くらい。
弱点 自身の僕がつけた傷のみ、瞬時には再生せず人間並みの速度になってしまう。
僕。不死の王唯一の弱点。不死の王同様再生能力があるが不死の王とは違って一瞬ではなくジワジワと再生する。身体能力は人間の頃の身体能力のままであるが、鍛える事で伸びる。
No.3悪魔
冥府の住民。悪戯が大好きな奴らが多い。現世では主に本体である動物で活動する。
能力 人間に化けたり、炎を出したり、飛んだりする事が出来る。
弱点 払魔師の武器。
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十指表(決定している物のみ)
名前、特徴
破壊殲滅暴力
奇術師手品
気狂い断剣
虚無不明
死角無し万能
殺戮者殺戮
覇王鮫大食い
出す予定は殺戮者と覇王鮫かなー。まあまだ先の話だけど。とりあえず次回予告ー。
次回予告
春。それは別れの季節。
春。それは出会いの季節。
春。それは物語の始まりに相応しい季節。
――春。それは街に人が増える季節。
それは日向市も例外では無いのだ。
the next title
「10C(表)草薙樟葉」
と、大見得を切りましたがその前に何件か季節物をやる予定ですぜ。




