5C=Ⅱ カーニバル〈文化祭、開幕〉
今回はやり方を変えて見ました。
いつも主人公らしき人物が必ず居るのですが、今回は居ないと云うことで、とりあえず、今回は~○○○視点~という形になります。
あ、三人称はいつも通りです。
~柊木視点~
「せ~ん~ぱ~い~♪ 今日から文化祭ですね! 先輩とわたしの愛の力で繁盛させましょうって暗っ!? なんか先輩からネガティブフィールドと言うかマイナスオーラと言うかまあなんだか暗い雰囲気がっ!」
文化祭、当日。
ガラリとそうするのが当然のようにドアを開け、入ってきた華葵。
その華葵が言った言葉の通り、俺は教室の隅に体育座りし、どんよりオーラを出していた。
「せ、先輩~? どうしたんですか~? お腹でも痛いんですか? 頭でも痛いんですか? わたしの愛が足りないんですね? そうですか、解りました、ならば先輩のためこのわたしが先輩にラプパワーを送りましょう、って何でですか!? 何で先輩が発するオーラがより暗くなるんですか!?」
くだらない言葉を吐く華葵。俺はため息を吐き、体育座りを止め、立ち上がった。
「……たしか開会式は8時だったか」
「いや、その前に暗かった理由を教えてくださいよ!?」
無視。そのまま入り口に向かう。
廊下を出たら右から声がした。
「あ、あの……すいませんっす」
右を見る。
黒髪の、平凡よりやや整った顔立ちの少年が居た。
胸ポケットに縫いつけられた紋章の赤色からして一年生だろう。
因みにこの日向高校では一年生の紋章の色は赤。二年生は青。三年生は緑だ。
「誰だ?」
訝しげに俺は尋ねる。彼はそれに答えた。
「えっと、おれは一年B組の八崎って言います。華葵と一緒に一年B組代表手伝いとして来ました」
「代表手伝いか」
代表手伝い。まあ簡単に言うとトレードだ。詳しく簡潔に言うと、まず手伝って欲しいと一年B組が何人かの人手を頼む。その代償としてこちらも何人かの人手を一年B組に要求する。こんな所だ。
今回、一年B組が頼んだのは二人。だからこっちには華葵と八崎の二人と言う訳か。
「はい、そうっす。……先輩、ごめんなさい」
「……何で謝る?」
「いえ、おれ華葵の制御頼まれたんですが……この辺りに来た途端、いきなり華葵が「先輩エネルギー補給~!」とか言って走っていっちゃったんですよ。迷惑かけてないっすか?」
「いや、来た途端に騒いだだけだった」
「あー、そうっすか」
ほっとしたような顔なる八崎。
「そんな事より、早く体育館に行こう。開会式が始まる」
「あ、そうっすね。……あれ? 華葵はどうしたんすか?」
「アイツか」
八崎の問いに俺は今し方出た教室を振り返る。
耳をそばだてると、女子の叫び声が聞こえた。多分華葵だろう。叫んでいるだけで教室から出てこないところを見ると……さてはコスプレ好きの女子に捕まったな。
当分は出てこれないだろうと半ば確信し、俺は八崎の方を見る。
「ま、アイツの事はほっといて、さっさと体育館に行くとしよう」
「……? はあ」
怪訝そうに八崎は相槌を打った。
~八崎視点~
変わった人だなあ。
それが柊木先輩を見たおれの感想だった。
普通あんな可愛い女の子に好意を示されたら喜ぶよなあ。おれだったらそうする。いや男だったら、その、ゲイだとかそう言う人以外は例外無く喜ぶと思うんだけど。……柊木先輩は違うよな? 聞いてみよう。
先を行く先輩に声をかける。
「……先輩、聞きたい事が有るんすけど」
「……何だ?」
先輩がおれを振り返る。
「えっと、先輩は華葵の事、どう思ってるんですか?」
先輩はしばらく沈黙したあと口を開いた。
「――……俺は、」
発されようとする言葉。
生み出されようとする答え
おれはそれを聞こうとした。
けれど。
この答えは彼女の闖入によって遮られる。
「んにゃは? そこにいるのは尊敬すべき柊木先輩とうちのクラスの京くんじゃないかにゃ?」
突然前方から声が聞こえた。
後ろにいるおれの方を向いていた先輩は振り返り、そいつを見る。
それよりも早く、おれはそいつを見た。
猫を彷彿させる喋り方をするアーモンド形の目の少女。
「……根古御坂」
赤い紋章を付けた少女の名字をおれは言う。
「……」
柊木先輩はどう反応すればいいか解らないようだ。
一年B組の根古御坂猫美。誕生日は2月22日。常にデフォルトで猫の絵が書かれた物を持っている、どれだけ猫好きで猫っぽいんだよと突っ込みたくなる奴だ。
「おい、根古御坂。柊木先輩が困っているだろうが」
根古御坂の隣にいる金髪ツンツン頭の背の低い男、狗神健が根古御坂に注意する。
「うっさいにゃ、いぬいぬ。犬は大人しく投げられた骨でも拾ってろにゃ。あ、丁度良い所に骨が。それ、取ってこ~い」
根古御坂はスカートのポケットから骨を取り出し開け放たれた窓の外にぶん投げた。
「ワン! ってふざけんな! 思わず乗っちまったじゃねぇか!」
「ほにゃほにゃ、怒らない。頭撫でてあげるかにゃ」
「ワンワン、ってだからふざけんな! オレは犬じゃねぇって言ってるだろうが!」
「……お前ら誰だ?」
ようやく先輩が呆れたような声を出した。
その問いにびびっと根古御坂が反応する。
「はいは~い! わたくしは一年B組の根古御坂猫美でーすっ! よろしくねっ☆」
「……星マーク付けてんじゃねーよ。オレの名は狗神健。よろしくってうおわっ!?」
言葉の途中で狗神は叫び声をあげた。理由は解る。おれの後ろから足音と声が轟いてきたから。
「せ、ん、ぱ~いっ! 生涯の伴侶であるわたしを何故置いてくんですかー!」
……華葵だ。
「ちっ」
柊木先輩は舌打ちをし、走り出す。
先輩が階段の方を曲がって二秒後、華葵がおれの横を通り過ぎた。
そして数秒後。先輩は捕まったらしく、階段の方に華葵と先輩の声が響き渡った。
おれはため息を吐く。
根古御坂はにゃははと笑った。
狗神は階段の方を呆気に取られた表情で見ていた。
やがて、おれはため息を吐くのを止め、
根古御坂は笑うのを止め、
狗神は表情を改め、
開会式に出るために、体育館に向けて歩き始めた。
~柊木視点~
「……で? 華葵。その格好は何だ」
開会式を終えて教室に戻ったおれは、まず、開会式前から訪ねたかった事を華葵に聞く。
「え~? 解らないんですか~? コスプレですよ~」
「それは解る。おれが聞きたいのは何故そんな格好だと云う事だ。」
華葵はメイドのような格好をしていた。
華葵がにこりと笑う。
「おもてなしするにはこれが一番だからですよ~♪ 先輩御主人様♪」
「……はあ」
「ちょ、その反応は何ですか先輩!? まるで興味なし的な態度ですが!?」
「興味ないからに決まってんだろうが。……そういやハロルドが居ないな。どこ行った?」
ギャーギャー騒ぐ華葵を無視し、近くのクラスメイトに尋ねる。
「ハロルドは遅れてくるらしいぜ?先程、華美月先生がそう言ってた」
……華美月か。あれでも担任だからな。信じる事にしよう。
そう自分を納得させ、俺はなんか手をわきわきさせている女子集団に気が付いた。
な、なんだ?
俺の疑問を感じ取ったのか、先頭にいるリーダーらしき女が答えるように言った。
「時間が無いから手早く行くわよ。皆の者、かかれ~!」
やけに芝居じみた台詞で彼女がそう合図した瞬間、彼女らは前に出て、俺達の横を目にも止まらない速さで通り過ぎた。
「うわっ!?」
気が付くと俺の服装は制服では無くなっていた。
「なんだ……これ。……タキシードか?」
自分が纏っている服を見て俺は呟く。周囲を見回すと他のクラスメイトも服装が変わっていた。スーツに作業服、ピンク色の服にエプロン、警察官、和服、ナース、ドクター、猫耳、甚平、果ては魔女っ子っぽい服装などetc.
しかし何故こんな格好に? 後、学生服はどこ行った?
その疑問を感じ取ったのか、華葵が答える。
「えっと、なんかあの人達デザイナーを目指しているらしいんですけど、紆余曲折あってあんな芸当が出来るようになったらしいです」
非常に気になる経歴だな。
内心でそう突っ込みながら俺は質問を変える。
「……で? 学生服はどこ行った?」
「え、えっと、先程私もそれを聞いたんですが……文化祭が終わるまで返さないそうです」
「……は?」
俺はしばし固まり、頭を振る。
「なんだそりゃ。もしかしてこの格好で明日も通えって事か?」
「もしかしなくてもそうよ」
「うおわっ!?」
いきなり隣から声がしたので俺はびくりと体を震わせながら隣を見た。
隣に居たのは、忍者もどき集団のリーダー格っぽい奴だった。
心臓を落ち着かせながら俺は言う。
「もしかしなくてもそうって……正気か?華美月にバレたらただじゃ済まされないぞ?」
二年担任の華美月はいつもはダルダルしているがやる時はやるのだ。これがバレたらこっぴどく怒るだろう。……怒るよな?いや、あの性格からして喜ぶような気がする。
俺が華美月の性格を分析していると、
「大丈夫よ。すでに先生の許可は取ってある」
自信満々にリーダー格の女は言った。
俺はせめてもの抵抗として皮肉を言った。
「……用意周到だな。是非ともそれを喫茶店に活かしてくれよ」
「誉めても何も出ないわよ」
……皮肉は通じなかったようだ。
ため息を吐いているとガラリと戸が開いた。
「すまなイ。少し遅れタ」
戸を開けたのはハロルドだった。
「……遅かったな。何かあったのか?」
「いヤ、ただ姉上からこれを受け取るのに時間がかかってナ」
「これ?」
「これの事だ」
そう言ってハロルドは右手に持っている車輪が付いた旅行バックを掲げて見せた。
「なんだそのバック。旅行にでも行くのか?」
「まさカ。中にロボットが入ってるんダ」
「ロボット? ああ、もしかして」
俺は昨日、ハロルドとハロルドの姉とか云う奴が交わした言葉を思い出した。
「ご明察の通りダ。これにはロボットが入っていル。正確にはロボットのパーツだがナ」
「パーツ? まさかここで組み立てるとか言うなよ」
「それが言うのサ」
その言葉と同時にハロルドはしゃがみこみ、バックを開け中から肌色の物体を出した。
「今回姉上が作ったのは簡単に組み立てらレ、簡単に持ち運び出来る物ダ」
ポケットからドライバーを取り出しカチャカチャと音を立てさせながらハロルドが説明する。
「その代わり知能は無くなリ、耐久性も大幅に下がっている様だガ……」
そう言ってポケットから今度は電池っぽいのを取り出した。
……俺的にはそんな事よりもお前のポケットの中がどうなっているかを知りたいんだが。
電池っぽいのを丸い球体に入れ、構築は進む。
数分後、人の形をした物が出来上がった。
足は車輪だが、それをドレスのように鉄板が覆い隠している。
頭は先程、電池っぽいのを入れた球体。
その最上には白い帽子が乗っかっていて、それによって目元は覆い隠されている。
……なるほど。遠目から見れば人間に見えなくも無い。
「これ、どうやって動くんだ?」
「動かし方は簡単ダ。まズ、この赤いランプ」
そう言ってハロルドはバックから赤い物を取り出す。
「これを押せばロボットはそれを目印に進ム。僕達の喫茶店は注文をファーストフード店形式にしているからナ。ロボットも活用できるだろウ?」
「ああ、まあな。戻す時はどうするんだ」
「戻す時は……こノ、」
青い物をバックから出す。
「青いランプを押ス。そうすればロボットは戻ってくる筈ダ」
……なるほど。よく出来ているようだ。
「何点か質問。いいか?」
「あア。良いゾ」
「まず、もし目印とロボットの間に物とか有ったらそのまま轢いてしまうんじゃないか?」
「それについては心配無用ダ。前方だけだガ、センサーが付いていル」
なるほど。
「次の質問。喋れるのか?」
「喋れなイ。ガ、口の部分にカセットレコーダーが付いていテ、赤いランプの所に着いた時に再生するように設定してあル」
「……最後の質問。故障、しないよな?」
そう聞くとハロルドは得意気な表情を見せた。
「当然ダ。このハロルド、同じ過ちは二度も繰り返さなイ」
「……解った。信じよう」
少々不安だが仕方無い。時間もヤバいし、最終確認もしなければならないから。
「おい、えーっとアンタ名前は?」
忍者擬き集団のリーダー格に言う。
「栗栖 (クルス)よ」
「栗栖か。よし、栗栖! ハロルドになんか着せろ!」
「是非とも喜んで!」
そう言って動く栗栖。一瞬にしてハロルドの格好が変わる。
白衣から――怪獣の着ぐるみに。
「……何故に怪獣の着ぐるみ?」
「手持ちにこれしかなかったのよ」
手持ちって……。というかどっから服とか着ぐるみとか出してきたんだろうか。
服は折り畳めるけど着ぐるみは明らかに無理だよな?
しばらく俺は考え――一つの結論にたどり着いた。
まあ良いか。手品って事で。
思考放棄とも言う。
……さて。そろそろ、始めなければな。
ハロルドが背後でなんか言っているが無視。
俺達(二年C組全員+2人)は喫茶店を開店させるため、動き出した。
―――AM9時00分。日向高校文化祭の開幕を告げる鐘が鳴り響いた。
AM9時01分
日向高校校門前。
○
一気に騒がしくなる日向高校。
その校門。喧騒の中で彼は呟いた。
「……ふむ。外は晴天、雲一つ無い。……が」
黒い帽子。黒い服。黒い手袋。黒いズボン。黒い靴。黒い髪。肌の色以外は全て黒の青年。
「雰囲気は曇天。はてさてこれはどういう事だろう」
顔を俯かせぶつぶつと何らかの推測を呟く青年。怪しいことこの上ない。
やがて何らかの結論に達したのか顔を上げた。
「……まあ何か起こった所で私は関われない、か。……だがもしも、運命が私の友人や見知った人間に降りかかるのならば――」
呟きながら歩き始める青年。
「その時は不肖ながらこの詐欺師。及ばずながら手助けをしよう」
一つの言葉を残して。
AM9時05分
日向高校校庭内。
~琥金視点~
「むうう。むうう。むううううううっ!」
琥金はこれでもかというぐらい唸るです。
何故唸っているかと云うと、それは単純です。
「……ここはどこですかっ!」
道に迷ったからです。
「むうう。むうう。むいー!」
意味の無いうなり声をたてながら琥金は周囲を見回すです。
人人人人、人だらけです。
これを琥金が知っている言葉で言うと……人がゴミのようだ? ……むう?何か違うような気がしますです。
「お姉ちゃんには内緒で出て来たけど……ホントどうすればいいのですかっ!」
こ、こういう時は確かおばあちゃんの言伝……否、秘伝が役にたちそうです。
行きますよ秘伝っ!
人の顔がカボチャのように見えると思い込む術っ!
って琥金はカボチャが嫌いですっ!? 人をカボチャに見るという事は……。つまり人に頼るなとっ! なる程、為になりますっ! ありがとう、おばあちゃんっ! でも問題は全然解決出来ませんでしたっ!
とりあえず先に進もうと思いますです。お金もたくさんありますです。願わくはお姉ちゃんに見つからないようにっ! 気分はこの前おとうさんが見てた大脱走のごとく?
あ、この射的って面白そうです。わくわくです。
よし、射的にれつごーですっ!
AM9時09分
日向高校近くの車道
~松平視点~
キキィ、と車が大きく曲がり、オレは少しバランスを崩した。
「ちょっと之崖! ちゃんと前見て運転しなさいよ!」
「ひいい!? すいませんっす、石原さん! 猫が前を横切ったので思わずカーブしちゃったっす!」
「ならいいわ。次から気をつけなさい」
「は、はいい」
「……黒琉。そんな馬鹿女の事なんて聞かなくていいぞ。お前はお前のペースで行け」
「は、はい! 解りましたっす、朋樹さん!」
「ちょっと誰が馬鹿女ですって!?」
「お前の事だ。穂積」
「アタシが馬鹿女ならアンタは陰険男ね!」
ぎゃあぎゃあと騒がしい車内。
備え付けのラジオからニュースが流れる。
「えー……で……の……きが……みつか……うです」
「……む」
ぎゃあぎゃあと騒がしい2人の所為でほとんど聞こえない。
オレは眉を顰め、2人に言う。
「……石原、木元。お前らが五月蝿くてニュースが聞こえん。静かにしろ」
「……解ったわよ」
「……承知」
オレの言葉に2人は渋々静かになった。
同時に後ろに居た小森が呵呵大笑した。
「あっはっはっはっはっ! あんた達何時も通り仲が良いねぇ! 特に朋樹と穂積! あんた等が一番最高に仲が良い!」
「誰がこんな陰険男と!」
「誰がこんな馬鹿女と……!」
木元と石原は同時に小森に噛み付いた
涼しげな表情で小森は言い返す。
「息ぴったりじゃ無いかい。それに古来の言葉で言うだろ? 喧嘩する程仲が良いって」
「……」
「……」
押し黙る2人。
沈黙する車内。
沈黙を破ったのは助手席に座っていた澄代だった。
「あ、あの……そろそろ日向高校に、着きます……よ?」
その言葉に乃崖が反応する。
「ああ、本当ですっすね。見えてきました。……そう言えば松平さん」
「……なんだ」
「この日向高校に息子さんが通ってらっしゃるんですっすよね?」
「ああ。それがどうした?」
「いえ、元気かな、と思って」
「元気だよ。人様に迷惑かけそうなくらいな」
再び沈黙に沈む車内。
車はそんな事はお構い無しに日向高校の駐車場に入った。
AM9時10分
日向高校校門前。
~森和視点~
「着きましたよ」
「そのようね」
そう言ってモアはぼくの顔を覗き込み、クスリと笑う。
「言いたい事が有るなら言いなさい。怒らないから」
「……プ。アハ、アハハハハハハハハ! 何、何その格好! アハ、アッハッハッハッハ!」
……怒らないと言った手前、ぼくは怒らず、呆れる事にした。
よく磨かれた校門に自分の姿を映す。
黒いサングラスに真っ白なマスク。それに白い軍手に赤い帽子。
……うん、モアが笑うぐらいの破壊力は有る。
ため息を吐き、校門を潜る。
ヒィヒィと涙目に笑いながらもモアは付いて来た。
AM9時15分
日向高校校門前。
○
数分後。校門前に六人の人間が現れた。
「これが」
「文化祭」
「楽しみ♪」
「楽しみ♪」
鏡のようにそっくりな2人の子供と
「えっと……お子さんですか?」
「違う。居候だ」
「……?」
大人しそうな女と黒フードの男と
「いよっし! 待ってろよ、クソガキども!」
「本当にやる気なのかよ……」
異様にやる気満々の男と乱暴な口調の男に見間違えそうな女。
「えっと、蘭はコイツ等と行くんだったか」
「えっと……はい、そうです。私、子供好きなので」
「フウン。ま、そこの黒達磨には気を付けろよ?」
「黒達磨とは失礼だな男女」
「男女とは失礼だな。破壊するぞ?」
「その頃には殺してやる」
「……? え、えっと2人共、喧嘩はやめて下さい……」
「何やってるんだ?置いてくぞ」
……あれ? 話が全然進んでないような……。
……。
……。
と、とりあえず、今回も登場人物紹介はありません。その代わり何かやりたいとは思っていますが……しばらくは保留ですね。
では次回予告。
吸血鬼、死神、殺し屋、小学生、中学生、高校生。それらが集結する文化祭は無論平凡に終わる筈が無く――様々な波乱が起きる。
その上、文化祭荒らしと云う者が現れ――!?
the next title
「バンクウィット〈文化祭、波乱〉」
楽しみにしてて下さい。




