第90話 朝は粥っ いいっ
きりがよいので、超短いです。
翌朝。ベッドから出て顔を洗い、歯磨きをするとすぐに、外へと飛び出した。
向かうは下町市場、朝ごはん確保である。
「今日は何を食べるかな~」
昨日の夜は頭を使いすぎて、お腹がぺりぺりである。
今日の大一番の案件は午後の為、午前中はゆっくりでもよかったのだが、お腹にせかされてここに来てしまった。
その為、今日は朝食に時間が取れるのだ。
「朝粥にするかなあ」
胃に優しい粥。お腹の足しにはあまりならないけど、美味しい。
「お姉さん、粥をお願いします!」
粥の屋台に近づくと、ティティは、2つお椀を差し出す。
「あいよ! 大銅貨5枚ね!」
椀を受け取ると、屋台から離れ、壁際によりスヴァと2人であつあつの粥をフーフーしながら食べる。
「ふわあ。身体に染みる~」
米粒があるかないか。粒がないとのりのようになってしまい、粒がありすぎると粥としては今一つ。そんなぎりぎりのちょうどいいラインをついてくる粥。絶妙で、超絶にうまい。
ティティはそんな激うま粥をぺろりと平らげる。もう視線は次の屋台を探す。
「次は何にするかなあ」
鉄板で焼かれているウインナー。
肉の串焼きもいいが、ウインナーもまたいい。かじった際にぷりっと皮がはじける感触がなんともたまらない。何本でも食べられる。
鉄板に吸い寄せられるように近づくと、ティティは叫んだ。
「お兄さん!10本ください!」
容器を差し出しながら、注文する。
「あいよ!」
屋台の主は、慣れた手つきで、次々と作っていく。
「大銅貨8枚だ」
「はい」
お財布巾着からコインを取り出し、店主に渡す。
少しお高めだけでも、納得できるうまさだから、気にしないっと。
「毎度!」
「またきまーす!」
ティティは次の客の邪魔にならないように離れると道の端に寄り、スヴァと一つづつ食べる。
残りはストックである。これでひとまずお腹は落ち着いた。
「さて後は、おむすびと混ぜご飯を買って、デルおじんとこに行くか」
このところ忙しかったので、ご飯の在庫が心もとなくなっていたのだ。
「スープとお茶も果実水も補充しないと」
やっぱり入れ物が足りないのを痛感しつつ、次々と食べ物を買い求めるティティだった。
甘いものも欲しいなあ。




