第75話 寄り道っ
デルコとマルコと別れた後、急遽雑貨店に寄った。
<湖にはいつ行くのだ>
スヴァのぼやきは知らんぷりだ。
美味しいものを食べた勢いのまま、それを入れる容器を買いたいのだ。
資金も入ったし、腹ぺりにとって、ストックするの大事である。
「こんにちは、ステラさん」
不機嫌なスヴァを引き連れ、店へと入る。
「はい、いらっしゃい。今日は何が欲しいのかしら?」
「今日は、おむすびをいっぱい入れられるものと、おかずがいっぱい入れられるものがほしいです!」
「あらあら、いっぱいいれたいものがあるのね」
ステラがころころと笑う。
「うん! 食べ盛りだから! 動くとすぐにお腹が空いちゃうんだよ」
「それは大変ね。こちらへいらっしゃい」
そう言って案内してくれたのは、まさにティティが欲しいと思っていたものがたくさんあった。
何かの繊維で編んだような。おむすびを入れる専用の籠。これは10個は入るだろう。
串焼きや煮物など、色々入れられそうな蓋がしっかりしている木箱。紐でしっかり縛れば、きっと汁もこぼれなさそうだ。
お重になっているのもある。形も色々だ。
うーん。今のところ、宿暮らしになるだろうから、自炊はできないだろうし。
ティティは少し悩んで、すっぱり決めた。
「ステラさん、このおむすびを入れる籠を2つと、この蓋がしっかりしてる大きめの4つください」
「はい、はい。いっぱい買うのね。持てるかしら?」
余裕と答えようとして、答えに詰まった。
確かにこのリュックに入る量でないだろう。
ちらりとみたところに、簡素な肩掛けバックがあった。
「あれを買って、入れていきます!」
その答えで、問題ないだろう。買う鞄と、リュックに入れれば、無理ないだろう。
「ふふ、どうしても、全部欲しいのね?」
「うん!」
「よいお返事だこと! 全部で、大銀貨1枚と銀貨7枚になるわ」
「わかりました!」
お財布から、言われた金額を出して、ステラに渡す。
「はい。毎度ありがとう。おまけに、こちらの袋を付けるわね」
ステラがおまけしてくれたのは、淡いグリーンの巾着袋だ。
「わあ、ありがとう」
これは、パンを沢山入れるのにちょうどいい。
ラッキーだ。ほくほく顔で、袋と買った荷物をリュックと買ったばかりの鞄に詰める。
後で、肩掛けカバンごと、亜空間に入れてしまおう。
「ステラさんのお店は、私の欲しいものがたくさんあるから、つい買いすぎちゃいます」
「あらあら、そう言ってもらって、嬉しいわ」
「またきます!」
「はい、待ってるわ」
いつもの挨拶をして、ティティは店を後にした。
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