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少女ティティルナ~転生と元魔王様とそれからTS?!~  作者: 天野建
隣国への旅立ち、ゴルデバ編
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第490話 ティティ、雑貨店に再来店す

「さて、お腹も膨れたことだし! もう一軒行きましょう!」

 冒険者ギルドを出た私は、そう宣言して、目的の店へと歩き出した。

 行きたい店。

 そこは、白地にピンク色の文字が踊る看板。ステラ雑貨店である。

「こんにちは~!」

 ノアの手を引きつつ、扉を開ける。

 すると、カランコロンと来客を告げるベルが鳴る。

 それに合わせて、1人の女性がティティの前にやって来た。

「はい。いらっしゃい」

 安定のふっくらした優しそうなおばさん、いやお姉さんである。

「お久しぶりです。ティティです!」

「はい。ご挨拶ありがとう。元気そうですね」

「あい! ノアも元気です!」

「ふふ。よかったわ。今日は何がご入り用かしら?」

「歯ブラシです!」

 そう! ステラお姉さんに紹介してもらったラモーネの歯ブラシ!

 とても使い心地がよかったのである!

 それを告げると、ステラさんは嬉しそうな顔をしたのち、少し困った顔をした。

 なんだ? 何か問題があるのか?

「気に入ってもらえて嬉しいんだけど、ティティちゃんが買って行ってくれた後、評判がよくてね。値段が上がってしまったの」

「なんですと!?」

 やはりいいものは、皆わかるのか!

「そ、それでおいくらに?」

 私は恐る恐る尋ねた。超高くなってたら買えないかも!

「大銅貨8枚になったの。どうやら、前の値段はお試し価格みたいでね」

 試して良さをわかってもらったら、値段を上げる。やるな! 商人め!

 私は思わず、後ろにいるブライトを振り返って、キッと睨む。

「僕がやったわけではないですよ。睨まないでください」

 わかってるよ!

「どうする? 買う?」

 ステラさんが尋ねてくる。

「買いますとも!!」

 虫歯を避けられるなら、買わない選択肢はない!

 そして、ノアを初め、仲間のみんなにも虫歯にはなってほしくないのだ!

 ましてやこれから隣国に向かうのだ。

 いつこの歯ブラシが手に入るのかわからないのだから。余分に買うぞ!!

 私は宣言する。

「このラモーネの歯ブラシは各自に3本ずつ、私が購入します! しっかりと朝晩と歯を磨くように! これはリーダーの至上命令である! 反論は認めない!」

 虫歯撲滅である!

「まああ! ティティちゃん、凜々しいわあ」

 ステラさんは、ほっこりと笑ってくれた。

 えへん。

 その後私たちは、店を物色した。

 私はハンカチと刺繍糸を補充したが、男性陣は特に惹かれるものはなかったようだ。

 ノアもそれほどでもなさそうだ。

 雑貨店の楽しみをわかってくれる仲間ができなかったのは残念である。


 翌日は下町広場の屋台などで、食料品の買い出しをした。隣国の食事が合わなかった時に困らないように、できるだけたくさん買い求めた。荷物は収納袋があるし、亜空間もあるからだ。

 私は結構おいしければ、何でも食べられるが、ノアはわからない。あ、ノアも大丈夫か。好き嫌い言って生き残れる家では暮らしてないからな。

 けれど、身体の調子が悪い時には、馴染みのある食べ物がよいだろう。

 買い出しと言いつつ、買い食いもして、一日のんびりと過ごした。

 そう! こういう時間が必要なのだよ! 私には!

 あー、ラーセラの港町で、こういった買い食いしたかったよ!

<隣国で存分にすればいいではないか>

 そうだけど! 天の溶光の為に、遊び部分が短縮される気がするんだよなあ。

 ブライトはもっとフランクだと思ってたのに。

 存外真面目で困ったものである。

<お主が脳天気で、大人2人が締める。丁度いいのではないか?>

 スヴァ! 失礼すぎるぞ!

歯は大事です(笑)

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

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