第485話 ティティ、気遣いを無下にされる
その日は領主さまに謁見したので、流石に疲れた私たちは夕食を早めにとって就寝した。
ちなみにカレドニア卿は、今日も城にお泊まりのようだ。夕食でお会いできなかった。
私の事で予定が押したのか? すまない、カレドニア卿。
そして早めに起き出した次の日。
私たちはヒース家族と、ブリアと早めの朝食を取る。
その朝食の場、ヒースとブリアが、ブライトとライに念を押すのを聞いた。
「近頃、街の活気が戻って来つつあって、その分、余所からの人の流入も多くなって来ている。くれぐれも小さなレディと小さな紳士、ノアの警護をお願いしたい」
「ティティはしっかりしているけれど、油断するところがあるからお願いします」
「ああ、任せてくれ」
ライが張り切って返事をする。
「任せてください。ティティちゃん、油断なりませんからね」
と、ブライト。
ライ、気張らなくていいから。そしてブライト、少し趣旨がずれている気がするよ?
2人とも話は程々にして、朝食に集中したほうがいいよ? おいしさ半減するからさ。
食後のお茶まで、存分に味わうと、私はヒースとブリアを玄関でお見送りをする。
厄介になってる身としては、お見送りはしないとねっ。
そうして馬車に乗り2人が城に向かった後、ブライトとライに向き直る。
「今日は知り合いの店に挨拶しつつ、必要なものをその都度買うだけだから、2人もそれぞれ各自、街を回っても問題ないよ?」
いつも私とノアのおもりばかりしているのもね。たまには観光してくるとよいと思い、そう提案してみた。
すると、
「ティティちゃん、昨日ルミエール様に言われたことわかってないですね」
「その通りだ。ティティさん、己の重要性をもっと自覚してください」
とのお小言をもらってしまった。
「なんだよ。私が国守さまの愛し子だから気をつけろってこと? それはわかってるけど、認知度はかなり低いんだから、それほど警戒しなくてもいいと思うんだけど」
それよりも2人には街をぶらぶらと楽しんで欲しい。
「これはなにを言っても無駄ですね」
「その油断があぶないのですよ。先程2人にも頼まれておりますから」
「なんだよ。私はよかれと思って言ったのに!」
私は2人の言い分に、ぷっと口を膨らませた。
「ひどい言い草だよ。ノアもそう思うでしょ?」
隣にいるノアに同意を求める。
「んー。ノアわかんない」
ノア、なぜ目をそらす。
<弟も、薄々感づいてきたか>
ちょっ! スヴァまでひどい!
「それにです」
ブライトがずいっと顔を近づけて告げる。
うお! なんだよ!
「僕の見てないところで、また色々な商品を垂れ流されたら、たまりませんからね。見張ってないと」
前から思ってたけど、垂れ流しって、表現考えて!!
<言い得て妙ではないか>
スヴァ、同意しなくていいから!
むう。私は2人によかれと思って提案してみたのに。
そう言うなら、ついてきてもいい。
へとへとに疲れさせてやるんだから!
ティティ、プンプンです(笑)
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