第462話 ティテイ、しんみりのち、驚く
短めです
幼子のような、それでいて巨大な魔物たちに心を残しつつ、私たちはホープトーチに向かった。
ほどなくして、私たちは無事にホープトーチにたどり着いた。
結局、あの子たち以外の魔物には出会わなかったな。
逆に言えば、あの子たちがいたから、ほかの小さな魔物は怖がって、この地域にはいなかったのかもしれない。
どうか私たちが、ここを離れるまで、出てこないでほしい。
ホープトーチは高い塔であったものの、おおーっとなるほどの建物ではなかった。特に装飾もなく、白い円筒の建物だ。
人間が入ったことがない場所。
となれば、この塔は人が作ったものでないのだろう。
では誰が作ったのか?
ティティは、スヴァを見下ろしてみる。
<我ではないぞ。我が存在した時には、すでにこれはあったのだ>
国守さまかなあ。
なら、わかる。
人間が入るに必要なあれがない。
そう。入口である。入り口がない。ぐるりと回ってみても、見当たらない。
「どうやれば、入れるのよ」
ちょっと、ここまで来て、入口がないから、入れないってある?
国守さまに、入り方、聞いておけばよかった。
だってさ、建物だもの。普通入口あるって思うよね?
<人間が来ることを、想定していないからだろう>
ちょっと、スヴァ、なに冷静に分析してんの?
目の前にゴールはあるのに、ゴールできないんだよ!?
<おちつけ>
落ち着いても、入れないっての!
「はあ」
なんかどっと疲れたよ。
肉体的にも、精神的にもね。
ティティは思わず、ホープトーチの壁に寄りかかった。
せめて私の疲れをうけとめろ、ホープトーチの壁よ。
と、刹那。
「え?」
壁が消えた。
ななななにごと!?
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