第449話 ティティ、ノアとライの無事を確かめる
シャボン玉! ノアが大きなシャボン玉に入ってるよ!
可愛いけど、なぜに!?
<おそらく、ここの魔素が濃く、ノアの身に不調がでるのを見越して、ワイスが簡易結界を張ったのだろうよ>
スヴァがさもありなんという風に、説明をしてくれる。
「簡易結界?」
「おおっ! 結界とわかるとはおぬしもやるな!」
いや、スヴァが教えてくれただけで、私はさっぱりだったよ。
って、簡易結界ってなによ。
「これは我が輩が張ったものよ。この中は人魚の里くらいの清浄な空気が保たれておるのじゃ。我が輩えらかろう?」
ワイスが胸を張ってスヴァに代わって答えてくれたおかげで、簡易結界がどんなものかはわかった。
しかしまだ魔王領のとばくちだよ?
「この地に着いた瞬間、濃い魔素を感じたのでな。すぐに張ったのじゃ。我が輩、素早かろう?」
更に胸を張る、ワイス。
って、張りすぎだよ! ひっくり返っても知らないよ。
<さきほど我が説明しただろう。魔王領に入っていないとは言え、このエリアは人も寄りつかぬ地。それはすなわち魔素が濃い地。子供の身体には負担が大きいのだ>
え、私は平気だけど。まあ、確かにうーん空気がねっとりしてるかなって思わないでもないけど。
<それですんでるのが、おかしいのだ>
なんだよ。人を鈍感呼ばわりするんなよ!
<自覚はしているのだな>
なにおう!
<きけ。今はお主メンタルな部分の話をしているのではない。フィジカル面での話だ。お主の中は常に聖素が循環してるし、魔素もしかり。更に愛し子の加護あろう。何よりも我もいる>
なるほど。ノアは 聖素はあるけど、魔素や魔力には慣れてないもんな。
ワイスがいい働きしてくれてんのか。
なんか、ちょっと、ひっかかるけど、よしとするか。
<ちょっとなのか>
なんだよお。
ま、そうだな。私は、前世で培った経験があるし、国守さまの加護も働いてるのかあ。気づかなかったけど。そしてスヴァにも助けられてるんだな。どんな風にか知らんけど。うむ。私って結構みんなに助けられてるんだな。
<そうして、細かいところに突っ込まないのがおぬしよの>
なんだよ! いいんだよ! スヴァが助けてくれてるのがわかればよ。
「あ、ライは? ライは大丈夫か!?」
<おそい>
んだよ! ライは大人だから大丈夫かなって思ってただけだ!
決して、忘れてた訳ではないぞ!
「大丈夫です」
きょろりと見渡せば、すぐ近くに、いつも通りの麗しい姿で立っていた。
特に苦しみに顔をゆがませてもいない。
<そやつは問題あるまい。王家の血を引いておるし、何より魔素に慣れておるだろうからな>
「私は元騎士ですから、魔素が多少多い地域でも問題ありません。今はただのライですが」
スヴァの言を裏付けるように、ライが言葉を紡ぐ。
「そっか」
しかし、最後の台詞いる? 本当気に入ったのね。
<しがらみがないことの、象徴の言葉なのだろうよ。好きに言わせておけ>
うん。そうだね。それで少しでも心が安定するんであれば、いくらでも言ってもらってもよいか。
いや、少し聞き飽きてきたんだけど。
「あ、ニーネは? ニーネがいないよ!?」
腕に巻き付いていた、かわいい従魔のニーネがいないよ!
おいてきちゃった?!
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