第440話 ティティ、愕然とす
ホープトーチ編始まりました!
ディッセントヒル編の最終話を少し修正してありますので、さらっと読んでいただいてからのほうが、読みやすいかもです。
お手数おかけして、すいません!
それでもどうか最後までお付き合いくださいませ!
「うそぅ」
国守さまである、アマノリアさまの前で、愕然とするティティ。
ここが課題の最終地点ではないの?!
そういえば、国守さまとアーリデアルトの森でお話した時に、そうおっしゃってたかも。
でもさ、人魚の里に着いて、人魚の卵のカラをゲットしたら、国守さまが現れて、ぱぱっと人魚の卵のカラを加工してくれたらさ、もう天の溶光というありがたい御水を、ぽとりぽとりと落としてくれるって思うじゃない?思っちゃうよね?
思うでしょう!
それなのにだ!
まだこれから、もうひと踏ん張りしなきゃいけないって、それはないよう、国守さま!
<最初からここは中継点だったであろう。御使いの泉は次の目的地ぞ>
スヴァが追い打ちをかけてる。
うう。
もう私、アルステの森をこのまま抜けて、ちょいと先のブライトおすすめの宿に泊まって、おいしい食事と柔らかなベッドを堪能しようと思ってたのにい!
ティティはかっくんと肩を落とした。
<次が最終目的地でよかったではないか。もしかしたら、もうワンクッションあったかもしれないのだぞ>
やめて、これ以上の追い打ちはやめてよう。
「そんなにがっかりするでない」
見かねたのか、国守さまがお優しい言葉をかけてくれる。
でも、それでもしょんぼりは抜けないよう。
だって、まだ国守さま、天の溶光くれないっしょ?
そればかりかまだ泉を探せって言うんでしょ?
しょんぼり、しょんぼり、しょんぼりぼりだよ!
国守さまのお話では、天の溶光探しの旅は、まだまだ先は長そうっしょ?
なのに、ホームグラウンドである、我が生まれ故郷のグロシルバ王国での天の溶光をもらいうけるのに、こんなに手間取ってしまってたら、ほかの国に行ったらどうなるのかあって思っちゃったら、がっかりもするよ。
私の寿命が尽きるまでに、果たして天の溶光集め、終えられるのだろうか。
まだ行ったこともない異国の地で。
異国の地を治める御使い様を探して、事情を話して。
うわああ。そう考えると、結構厳しい。
だって、元々御使いさまとは滅多にめったーにお会いできないんだよ?
厳しい、超厳しい旅になるに違いないわ!
険しい山を登るがごとくだ。
まあ、途中、お金になりそうなアイテムを拾いつつ、そしてもちろんおいしいものを食べつつと、楽しい旅になるよう、私は最大限の努力をするつもりだけど!
<おぬしはぶれぬよの>
スヴァが隣で、やれやれというように呟いている。
おう! 私の生き方の根本だからな!
それは譲れないよ!
それはさておき。
端から見れば、果てしない厳しい旅だ。
まずは幸先の景気づけとして、イージーに天の溶光を手に入れたかったのが、人の常だろ!
ここホームグラウンドだもの!
<我に言わせれば、十分おぬしの言うイージーだと思うがの>
え!? そうなの?
<だろうよ。御使いの癒やす泉の水が、どうやら天の溶光のようである。とすれば、天の溶光は御使いの力の源の神気が溶け出しているものだろう。お主風にいえば、それはそれは超絶貴重なものぞ。およそ人の手には滅多に手に入らないものだと思うがの。それを、懇切丁寧に天の溶光を入れる容器を手に入れる場まで教え導き、更に、御使いの重要拠点の一つである、泉の場所までこれから教えてくれるのじゃぞ。その裏に何か企みがあるにせよ、十分に慈悲深いと、我は思う>
ふえええ。そうだったの?
逆に文句を言う私のほうが不敬だった?!
ホープトーチ編は、ディッセントヒル編の続編みたいなものなので、少し短めです。
それでも楽しんでいただければ幸いです!
しばらくお付き合いくださいませ<(_ _)>




