表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
436/496

第434話 ティティ、先が見えてきてほっとする

「わかりました! 貴女たち人魚さんの安全を確保しつつ、人魚さんの卵のカラの販売をしましょう!」

「そんなに簡単に、引き受けていいのか?」

 スヴァがティティを見上げて、尋ねる。

「大丈夫でしょ。私たちの旅の仲間に、心強い商人がいるじゃないの!」

「だが、これらがどのような効能や効果があるのか、お主は知らぬだろう。引き受けたはいいが、ろくな価値がなかったらどうする」

 スヴァもブライトを思ったようだが、それでも、更に懸念を伝えてくる。

「そっか。私、すっかり人魚の素材って、何でも高く売れると思ってたよ」

 そうじゃない場合も、あるのかな?

 引き受けたはいいが、大した額にならなかったなんてのもありか。

 やはりもっと細かく聞いてから、引き受けたほうがよかったのか。

 でも、断るって選択肢、私たちになくない?

 ほら、人魚の卵のカラをもらわなくちゃならないんだから。

 あ、売ってもらえばいいのか!

 とすると、安いほうがいいのか?

 ぐるぐると考えていたティティに、カリアが情報をくれた。

「その点なら心配ないわよ。例えば、これ」

 素材の山から一つ取りあげたのは、小さな綺麗な真ん丸なもの。

「これなんか、そのままアクセサリーの素材として使ったら、結構売れるし、粉にしておしろいに混ぜれば、肌が活性化されて皺が無くなって、お肌がぴちぴちになるわよ?」

「ええ!? それはアクセサリーに使うより、美容関連で、使ったほうがいいのでは?!」

 そのほうが高く売れそう! 特にお貴族様の女性に!

「そうね。それに孵化しなかったもので、結構大きな卵、薬としても効果は抜群よ?」

「たとえばどのような?」

 聞くのが恐いような。

「そうね、ものによっては欠損を治したり、大病の薬としても使えるかも」

「うわあ!! 結構やばい効果ばかりなんですけど! スヴァ! 何も心配なかったみたいだよ!」

「うむ」

「ふふ。でもね、そこまでのものは、滅多にないわ。ほとんどは、ポーションの効果を、多少底上げするくらいのものがほとんどね」

「それだけでも、すげーすっ。これは売る時には、十分注意しないと!」

「怖気づいちゃった?」

 カリアが、少し意地が悪そうな顔をする。

「いいえ! 目一杯、協力させてもらいます! てか、私の仲間が、主体で、売る算段するんですけどね」

「仲間って、丘で待ってる人かしら?」

「はい、ブライトと言って、軽そうな感じの男のほうです」

 ブライトの紹介が、我ながらひどいな。でも、的を得ているだろう。

「あー。あの人ね。商人ぽいわね。でも、本当に信用できるの? 卵や卵のカラだけでなく、私たちも素材として売られたら、本末転倒よ?」

「大丈夫です。彼は信頼のおける商人です。私が頼めば秘密は守ってくれますし、人魚に手出し無用との言いつけも守ってくれるでしょう」

「本当?」

「ええ。国守さまの名に誓ってもらいますから」

「それは信用しているといえるのか?」

 スヴァが、鋭い突っ込みを入れて来る。

 だが、私は重ねて言うぞ。

「言えるでしょう?」

「疑問形か」

 ふふ。絶対はなーい、からね。

国守(アマノリア)様の名に誓ってもらっても、特に制約はない。普通ならばね。でも、ブライトは私が国守さまの愛し子だと知っている。それが、きっと枷になる筈」

「なるほどね」

 カリアが、納得したように頷いた。

「ええ。できれば、その誓いの時に、国守さまか、僕のシープのどちらかがちらりとなんかやってくれると、より誓約(脅し)が深まるですが、それは望みすぎかもしれませんね」

「そこまで考えてくれてるなら、彼を中に入れてあげてもいいかしら」

 カリアが、納得したように頷く。

「あ、できれば、ライ、もう一人の男と、従魔もお願いします」

 ライアン、従魔がいるとはいえ、ボッチで取り残したら、かわいそうだからさ。

 さあ、これで人魚さんたちの困りごとは、解決したってことでいいのかな?

 人魚の卵のカラをくれるかな?

 できれば、極上のものが欲しいなあ。てか、一番きれいなのが、欲しい!!

 あ、綺麗なのじゃなくて、性能がいい奴のほうがいいのかな?

ティティ、気をぬくとぶすりとあるかもしれないよ。ないかな。

いつもお読みいただきありがとうございます!

少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。

励みになります~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ