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第431話 ティティ、滑り出しは順調

「そんなに変かしら? そうね、なんと言ったらいいかしら。神を信じているからとか、信仰があるからとかもあるのだけれど、それらを通して、心に一本芯が通っていて、心が澄んでまっすぐなのがわかったからかしら」

「掃除を通してですか?」

「ふふ。そう」

 わからん。

「ご説明していただいたんですけど、なにがあなた方の琴線に触れたのか不明です。でも入れてもらえたのでよしとします」

 結果オーライだ。深くは考えまい。

「ふふふ。本当に(こだわ)りがないのね。それは貴女の長所かしら」

「短所にもなりうるな」

「ふふ。そうね」

 そこの2人(スヴァとカリア)。なんか、私の悪口になってますよ。

 これは久しぶりに、スルースキル発動だな!

 歯向かって、勝てる気がしないし。

 さて、気を取り直してと。

「ごほん。本題に入ってもよいですか?」

「ええ」

 にっこり笑ったカリアさんが、眩しい。

 そして圧を感じる。拒否されてるのか?

 でも負けないぞ!

「あの、私たちが来た理由、少しでも国守さまから聞いていますか?」

「まあ、そうね」

 よかった!

 どう話そうかと思ってたよ。

 だって人魚側にとっては、自分たちの卵のカラってやっぱ大事なんじゃないかなと思ってたから。

 ふう。国守さまありがとう!

「なら、話は早いです。大変恐縮ですが、貴女方の、人魚の卵のカラを分けてもらえないですか?」

 さあ、どう返事する!

「いいわよ」

「えっ!? あっさり?」

 本当、あっさりだよ!

 刹那の返事だったよ!

「特に、拘りはないから」

「そ、そうなんですか?!」

「ええ。卵そのものじゃないもの。本体が抜けたカラだもの。別に問題ないわね」

 そう言うカリアさんの顔色も、平静だ。

「そういうものなんですね」

 はあ、緊張して、損したわ。

 国守さまに交渉時に困ったことはないか聞けって、アドバイス言われたけども、それ言わなくても、あっさりだったよ!

「とは言っても、貴方たち人間にとっては、とても貴重な素材だっていうのも知ってるの。況してや、貴女にとっては、死活問題にかかわってくる素材でしょ? だからね、こちらとしても、条件をつけさせてもらうわ」

 やっぱりそうだよね。すんなりいくとは思ってなかったよ。

 条件ってなんだろう。

 簡単なものだといいなあ。

 しかし、私って、年中課題出されてる気がする。今回は条件だから、違うか?

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!


少し修正しました(R7年5月23日)

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