第423話 ティティ、あらためて感謝する
「ほほほほほ!!」
ニーネのおかげで、安全に<時忘れの葉>を大量にゲッドできた。
笑いが止まらない。
「いやあ、良いものがとれましたねえ」
ブライトも最初渋い顔していたくせに、今ではにこにこである。
商人の息子であるブライトも、やはり<時忘れの葉>をよく知っているのだろう。
2人で、ほくほくである。
まったくニーネ様様だ。
そのニーネと言えば、もう少しお腹がこなれたら、追いかけてくるそうで、まだ森の中でのんびりしている。やはり、食べ過ぎたらしい。
ティティたちは一足先に街道に戻り、ぽかぽかと馬を走らせている。
「しかし、ティティちゃんは、貴重な素材の採れる場所をよく知ってますね」
ブライトが首を振りつつ、突っ込んで来る。
「そっかな」
「そうですよ。この街道一般人には危険ですが、騎士2人が居れば、ある程度安全に進めるのに、貴女の寄り道のせいで、危険度が倍増です」
「へへ。そんな褒められても」
「ねえね、しゅごい!」
ノアが目をきらきらさせる。
ふふ。姉をもっと尊敬していいよ!
「誉めてませんよ! いいですか! 危険なことをする場合は、予め、相談してくださいね!」
なんだよ。さっきまで、ご機嫌だったのに。いきなりお説教かよ。ブライトうるせー。
まあ、ちゃんと返事は返して置こう。
「わかった。危険と判断した時には、相談する」
「いえ! 間違えました。何かする時は相談してください! 判断は僕がします!」
「ちぇ! 信用ないなあ。安心していいよ。もう丘までは採取はしないから」
だから、その疑わし気な目はやめて。
でもそっか。意識してなかったけど、ゴールデンシープとシルバーシープ経由で、国守さまから教えてもらった知識って、やっぱ貴重だったんだなあ。
ジオル時代、とても助かって、孤児院に仕送りたくさんできたし。
ありがたかったなあ。その恩を返す前に、死んじまったからなあ。
これは今世でその恩を返さなくてはならないだろう。
うん。人魚の里、頑張って見つけるぞ!
話しはそこからだからな!
うん、短めですが。今日はこの一話のみで。
すいません。




