第419話 ティティ、ぽくぽくすすめる
「掃除して、スケッチできるのは、1日に3つまでかなあ」
翌日、その3つ目の石像を掃除を終えながら、ティティは呟いた。
とは言っても、それほど時間が押してるわけではない。
まだ午後も早い時間だ。
だから急げばもっと数をこなせるのだろうが、別に急ぐ旅でもない。
またいつここに来れるかわからないのだから、丁寧に掃除をしたい。
それに食材をとったりしないといけないしね。
そう、食は大事なのだ!
<帰りにまたこの道を通らないのか?>
スヴァが尋ねる。
<ん~。国守さまの指示次第だし、アーリデアルトの森にはもう戻んなくていいってことだからなあ。私が自由に選べるのなら、海の方へ抜けたいなあと>
<なんだ? 陸の人魚のみならず、海の人魚も制覇したいのか? うむ。わかるぞ>
<違うわ! 海産物が食べたいなあって、単純に思っただけだ!>
<ふう。やっと其方が学術に目覚めたのかと嬉しく思ったのだが>
<それは永遠にないからっ>
本は好きだが、そこまで追求する胆力はない。
<残念である>
スヴァ、ごめんよ。
って、かなり話がそれてしまったじゃないか。
まあ、スヴァもみんなと一緒だから、心話でしか話せないから、こういったコミュニケーションも大事だよな。
うんうん。
しかし、改めてみると、石像の作者、だれだか知らんがかなりユーモアのある人物だよな。
ゴールデンシープが二本足で立ち上がって、上に手を突きあげてるとか。
シルバーシープが後ろ向きで、振り返っているとか。
なお、今のところ色付きはなかったので、ゴールデンシープとシルバーシープの区別はほとんど勘である。
「ティティちゃん、ノアくん、お疲れさまです。これからどうしますか? また名物料理の野生化した食材を探しますか?」
ブライトが掃除を終えた頃合いを見て、声をかけて来た。
「いや、ここら辺なら、あれを探したい」
「あれですか?」
「そう。私とノアだけだったら、スルーするけども、幸い元騎士2人がいるんだから、狙ってみようと思う。手に入れられれば、お金になるからさあ」
ふふふ。
食も大事だけど、お金も大事だからね!
元騎士2人に期待だ!
ティティ、悪巧みかw
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