第418話 ティティ、気分は上々になる
短めです
腹ごしらえも兼ねた休憩を終え、ティティはスケッチに入る。
ノアはお昼寝タイムだ。掃除という適度な運動をしたから、よく眠れるだろう。
ティティは、石像の前に座り込む。
最初のゴールデンシープの像は、スタンダードな形だ。
まんま羊だ。
変哲もない。
これから丘に向かうにつれて、二本足で立っていたり、片腕を高々と上げていたり、デフォルメされたりして、様々な像が見れる。
そんな最初はやはり、そのまんまの姿のゴールデンシープの像。
うむ。間違いない。
木炭を使ってササッと描いて行く。
後ろに立って見ていたライアンが、感心したように言う。
「うまいですね」
「だろう?」
謙遜はしないよ。画家にはなれないが、ちょっと人が感心するような絵は描けるのだ。えっへん。それに自分が楽しむための絵だから、自由にかける。
魔王討伐してるときには、余裕がなかったからライアンに絵を描いてやれなかったか。
「ふんふん♪ よっし! こんなもんかな」
絵の具は使わないから、それほど時間はかからない。
はあ。でも結構疲れた。集中して描いたからな。果実水を出して飲む。
「うーい」
<おっさんか>
スヴァのするどいつっこみに、はっとする。そうだね。ティティは乙女だもんね。
いくらなんでも、うーいはないか。
気を付けねば。
「よっし! 次に行こう! 次! まずは掃除だ!」
たわしはどこだ!
しかし、こんな調子で、一日何体、描けるかなあ。
絵がうまく描ける人って、よいですね。




