第417話 ティティ、道具にこだわる
「むう」
張り切って掃除を開始したものの、なかなか手ごわいものとなった。
石像が結構苔むしてるので、まずはたわしにて、それをそぎ落とすことからだ。
ワイスに水を出してもらって、石像をノアと一緒にこする。
石像はそれほど大きいものではないので、大人二人は、周りの警戒と今夜の夕ご飯の食材の確保を頼んでいる。
ワイスには水を出してもらう為、近くに待機をお願いする。スヴァは周りを探索、ニーネは自力でご飯を食べに行ってもらっているところだ。
「むむ」
そしてなぜ私がうなりのごんたになっているかというとだ。
決して、掃除が苦になっている訳ではない。
たわしの使い心地に、不満があるからである。
1つはステラさんの雑貨店で買ったもの、後はヨハネ村でも購入した。
どちらもいいものだとは思う。お値段以上だと思うが、使い心地が今一つなのだ。
<お主は、たわし一つに何をそんなにこだわっておる。消耗品であろう?>
スヴァが私の内心のもやもやを感じ取ったのか、近くに来て呆れたように言う。
<確かに消耗品だけども! 毎日使うものだし、納得いくものだと、掃除もはかどると思うわけだ!>
<持ち家がある訳でもあるまい? 毎日使うか?>
<ぐう! 毎日は言い過ぎかもだけど! 道具には拘りたい!>
<こだわるなら、武器関係にもっとこだわるべきだな>
<おっしゃるとーり! けど、掃除道具のこだわりも譲れません>
やっぱ。棕櫚を使ったものが欲しいかなあ。それとも専門店だと、色々な素材のものがあるかも。少し大きめの雑貨屋に行くか、それとも、オーダーメイドしてみるか。
<オーダーメイドとは。そんなに金をかけて、どうする?>
スヴァがあきれたように突っ込む。
金はある! がしかし、ノアがいるからなあ。ワイスがいて体調を調整してくれるとはいっても、幼児は体調を崩しやすいし。
無駄金を使うべきではないか。
<無駄金なのか? 語るに落ちたな>
<いや!? 違うよ!?>
私にとってはね。でもある程度のものでも、対応できるしなあ。
悩みどころだ。
そう悩んでても、手だけはしっかり動かして掃除は進む。
「よーし。あとは雑巾で一拭きして、終了でいいかな!」
ふう。やったぜ。やりきったぜ。
ゴールデンシープの護石像は、見違えるように綺麗になったよ。
「ノアも、お手伝いありがとうな」
手を拭いてから、頭を撫でてやる。
「ん!」
うんうん。ノアもやりきった感、出てるね!
「おわりましたか」
ライアンが近づいてきて、像を見る。
「綺麗になりましたね」
「おうよ」
ティティは道具を片付け、いそいそと紙と木炭を出す。
さあ、これからスケッチだよ!
と、その前に、休憩して腹ごしらえをしてからだね。
一働きした後のご飯はうまいよね。
うなりのごんた、ニュアンスで理解してもらえればと思いますww
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