第413話 ティティ、細かいことは気にしない
「ねえね! おいち!」
はい、ノアからおいち!いただきました!
最初、ノアがポブロンを口にいれた時に、顔を歪ませかけたが、甘さが強い味付けが幸いしたのか、次にはあむあむと食べ進めてくれた。
よかったよかった。
私も食べようっと。
うん。美味しい。そう。この口に残る苦みがくせになるんだよねえー。今は甘さの中に苦さが隠れているけど、次食べる時は、私塩味でいけるかも。
まだポブロン残ってるし、次はしょっぱい系で食べよう。
でも嫌いな人は嫌いだよね。
<スヴァは? だいじょうぶ?>
<美味である>
一言そう言って、もくもくと食べている。
ライアンは大丈夫かな?
問題なく食べ進めてるけど、騎士は文句なく、食事は食べるって言ってたからな。
聞いておかねばなるまい。
「ライ? 味付けどう?」
「はい。私はこの苦さがいいですね」
「だよね! 私もこの苦み好きなんだよ!」
よきよき。
無理はしてないようだね。
「確かに美味しいですが、ちょっと名物料理と、味と形が違うようですが」
「ブライト、あそこの宿の名物料理、食べたことがあるんだ?」
「ええ。巡回で回る機会にちょっと寄ったことがあります」
「そっか。残念だよねえ。美味しいものが食べられなくなるとさあ」
それだけで、罪だよ。
「仕方ないですよ。イーズリー街道沿いの新しい宿屋、っていっても、アルステの森沿いではないですけど、もう少し海寄りのところに、飯が上手い宿屋がありますよ。」
「そうなんだ! いつか食べなくちゃね」
「ノアもー!」
うんうん食べようね。
と、話がずれた。
「確かにブライトの言う通り、味と形が全くちがうよね」
<その二つが違ったら、完全に別物では?>
ふ。細かい事さ。
「完全に別物になってしまったなあ、作ってるうちにやっぱ再現は無理だなって気づいたよ! でもね、この野菜を作って美味しいものが食べれたから、私的にはよし!」
<いいのか?>
いいの! ようは気持ちよ! やっぱ、本職の人には敵わないってね。
私が満足してればいいのだ!
<お主はお気軽な性格よの>
そこ!うるさいよ!
ティティはおおざっぱな性格です。いや、そうなってきた?




