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第405話 ティティ、落ちて、首をかしげる

「ぎゃあああああ!!」

 落ちる! 落ちるぅ!

「死ぬ! 死ぬ! ライ! 頼む! 受け止めてえええ!」

 そう叫びつつも、ティティは衝撃に備え、目を瞑った。

 痛いのやだよう!

 と、そんな悲痛な願いの中、身体が当たった感触は。


 ぽいん。


 がちがちに覚悟を決めてたのに、予想していた固い地面でも、ライの腕でもなかった。

 な、なんか、すっごいやわっけーものに受け止められた。

 驚いて目を見開き、がばりと起き上がる。

「ふぉ! ふわあああああああ!!」

 目の前に広がっていたのは、今まで見た事のない空間。

「天上たっけー。壁がクリーム色に光ってるー」

 地面は羊の毛のような感触で。苔なのか?

 人工的な場所ではない。

「洞窟? 木のうろ?」

 わかんないが、いるのはティティ1人だ。なにこの不思議空間。

「あー。これは国守さまかなあ」

 思い当たるのは一人しかいない。天上のお人だ。 

 連れてくるなら、もう少し穏やかに連れ出して欲しい。切実に。

 そして連れて来たであろう本人は、いないし。

「はあ、仕方ない。まずは」

 よっこらせっと立ちあがると、羊の毛のような苔?をいそいそと採取する。

 国守さまが来られる前に、採れるだけとっておこう。

 初めてみるものだ、何かわからないけど、売れそうだ。

「金貨~♪ 銀貨♪ 銅貨はいやよう♪」

 つい鼻歌がしまう。

 と、突然お尻を強く突かれた。

「でっ!」

 ティティは前にコロコロと転がった。

「なにすんの!」

 当然の文句が口から飛び出す。

 ティティを転がした犯人は、なんか文句あんの?というように鼻息をふんと吐き出した。

「あー。シルバーシープ」

 まったくしょうがない子ね。もっと警戒しないとだめでしょ!といったように、近づいてくる。

「えへへ。だって、国守さまがここに連れて来たんだろうなって思ったし。この森の中では、危険がないでしょ?」

 そうだけど。日ごろの行動を見てると、無防備すぎるのよ。いつでも警戒忘れないの!

 シルバーシープは、こつんと口でティティを突いた。

「はーい」

 シルバーシープはしゃべらないので、全部ティティの想像である。

 国守さまの下僕であるゴールデンシープ、シルバーシープが人語をしゃべれないと言うことはないと思うが、しゃべっているのを見たことがない。

 声聞いてみたいなあ。

 ほら、くだらないことを考えてないで、ついてきなさい。

 そう告げたように、先に立って歩き出す。

「はーい」

 ここは大人しくついて行くしかないのだ。

 ゴールデンシープ、シルバーシープには逆らわない。

 これが鉄則なのである。


シルバーシープは案外世話焼きかもですw

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

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