第399話 ティティ、買い物に出る
いざ買い出しに!
と、その前に。
昨日も森をおさんぽさせたけど、せっかく国守さまお膝元の森だ。
私たちが買い物をしている間、ニーネを再度アーリデアルトの森に放すことにした。
「ニーネ、行っておいで~」
<はーい>
その返事とともに、ニーネは森へするすると入って行く。
うんうん。存分に羽を伸ばしてくるとよいよ。
ただ、魔物はいないだろうから、お腹が膨れるかは微妙だけどね。
ニーネの為に、何か肉を買っておこうかな。
ティティは手を振りつつ、密かに思った。
「それで、最初はどこに行くつもりかな?」
ブライトが尋ねて来る。
ヨハネ村はのどかで犯罪など起こるなど皆無に等しい。
スヴァが居れば十分だから、ノアと2人で買い物したいと言ったのだが。
ブライトも、ライアンもついて来た。
その油断があぶないのだと。
ライアンはともかく、ブライトもそこは真面目だよね。
まあいい。どうせついて来るなら、文句を言っても無駄だ。
切り替えよう。
「ノア、まずは雑貨屋さんに行くよ」
「ん!」
ノアはティティと一緒ならどこでもいいらしい。
繋いだ手をぎゅっと握ってくる。
ちなみにワイスは定位置であるノアのリュックの中でお休み中である。
スヴァは定位置、私の横を歩いている。
「雑貨屋ですか? 食料品店ではなく?」
「もちろん食料品店にも行くけども、まずは、ノアとブライト、後ライアンの分のお掃除道具を買わないとね」
私のなかで、掃除は結構重要な位置にある。
綺麗にしてると気持ちいいんだよね。
<本当か?>
うっ。本当だよ。余裕のない時はそこまでこだわらなかっただけ!
話を進めるよっ。
予備は持ってるけど、やはりマイ用具は必要だろう。
ぜひみんなにマイ用具を持って欲しい。
ジオル時代、孤児院にいた影響か、ティティは掃除を厭わない。
貧乏ながらも、綺麗に掃き清めれば、意外とぼろい建物でも住みやすいと身をもって知っているからかもしれない。汚くしていると病気になる確率が高くなるからか、シスターたちは子供たちに掃除の大切さと方法を徹底的に教えたのである。
なので、汚れていると落ち着かない。
<その割には汚れたまま、ベッドに寝転がったりするよの>
それはそれ。掃除とは少し違うのである。
<汚さぬようにすれば、掃除も楽になるだろうに>
汚さないのと掃除をするのとでは、別なのだ!
そこは注意して欲しい!
あ、スヴァ、なに首振ってんだよ!
そんなやり取りをしているうちに、目的の雑貨屋に到着した。
その名もフォレストニア雑貨店だ。
買い物開始だ!
次回、結構好きな回になるかも(笑)
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