第397話 ティティ、首をひねる
ヤル気につながるのは食事っしょ。
そんな私にかまわず、ブライトは話を進める。
「今言った通り、街道沿いを含め、ディッセントヒルや、その周辺に、村や集落はなかったですよ? 本当にそこに人魚の里があるんすかね?」
ブライトが顎に手をやりつつ、記憶をなぞるように天井を見上げる。
「ブライト、そこ通ったことあるんだ?」
私もあるけど、ジオル時代だからねっ。情報が古い。
「ええ。これでも商人の息子ですからね。親父について色々なところに行ってますよ。それに騎士としても巡視でも回りますからね」
「そっかあ。そうだよね。やっぱ、あからさまに集落があったら、すぐに人魚も狩られちゃうし。接触できる場所ってことだから、そこに定期的に人魚が来るとか?」
「ありえますね」
「でも、人魚って人間に模倣できるらしいじゃない。どうやって区別すればいいのかな?」
あからさまに分かっちゃったら、人間の男を騙せなさそうだし。
「うーむ。その丘に行けばわかるのかなあ」
それまでだまって話をきいていたライアンが口を開いた。
「御使いさまのヒントはそれだけですか?」
「んんっ」
そうだ。まだあったね。謎のヒントが。
「実はまだあるけど、意味がわからないんだよね」
「ティティちゃん、国守さまはなんとおっしゃっていたんですか?」
「里を見つけられるかは、私がいつも通りの行動をするかにかかってるって、そんなようなことを言ってた」
<正確に言うなら、其方がこの森でしてくれていること、そして妾との縁を結んだ時のようにしておれば、道は自然にひらける、だな>
すげえ。スヴァってば記憶力いいな!
スヴァに教えてもらった通り、繰り返して、ブライトとライアンに教える。
「はあ? 訳がわかんないっす」
「私もです」
私も2人に同意。
国守さまの言葉はいつも抽象的過ぎて、こちらは悩みまくるんだよねえ。
<いつも回らぬ頭を鍛えるには、よいのかもしれぬな。なるほど、御使いの裏の狙いはそれか>
スヴァ、なに最もなようなこと言ってんの!
失礼な!
‥‥‥でもそれが狙いなのか?
スヴァの辛口が好きです。
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