第391話 ティティ、頭を整理する
心行くまで食べた夕食後。
まったりと余韻に浸ることを許されず、うつらうつらし出したノアをベッドに寝かせて、さっさと話し合いの場が持たれる。
せっかちな2人の熱い要望により、仕方なくだ。
できれば、私はこの満腹感のまま、眠りたかったよ。
とほほ。
場所は、宿の女性陣の部屋だ。
本当は女性の部屋ではと男性陣には渋られたが、ノアが私と離れるのを嫌がった為、やむなくである。
それでも最初、ノアも一緒に話し合いに参加するっと、だだをこねられたが、そうしている間も、上瞼をあげているのが必死のノアに、ノアが寝ている部屋で話し合いをするからとなだめたのだ。
そうして何とか納得して、寝るまで、ティティが横でお腹をポンポンしたら、すっと寝てくれた。
やっと会えたのに、またどこかに行ってしまうかもと不安だったのだろう。
うん。しばらくはなるべく傍にいて、甘やしてやらねばなるまい。
ノアはそれだけがんばったのだから。ちなみにワイスもノアの枕元で就寝中だ。
ニーネもベッドの足元で丸まっている。
私も寝たいなあ。
何も考えずにぐっすりと。
<諦めろ。話さぬうちは、眠らせてはくれぬぞ>
スヴァが椅子に座ったティティの足元で、忠告してくれる。
<ですよねー>
子供をいたわって、とかないらしいね。
<中は成人してるだろうが>
<ガワはこどもなんだよ!>
そんなやり取りをしているうちに、丸テーブルにヒース、ブリア、ルミエール、ライアン、ブライト、揃い踏みである。
がっつり私の話を聞く体勢だよ。
本来なら、報告義務などないのであるが、それは許されない雰囲気100パーである。
さて、何を話すかなあ。
うーむ。
どれを話して、どれを話さなくていいか。
聖素関係は、この場で話さなくてよいだろう。
ヒースとブリアには話したし、後のことはお任せだ。
となると、予め話してある、ノアの身体についてのことか。
ヒースとブリアには簡単に話したし、とっかかりとしてはいいかな。
ちらりと振り返ったベッドに、ちいさな山が出来ている。
「えーと。まずはノアの体調ですが」
と話し始めたティティだったが、そこでブライトとライアンが目に入る。
そっか。この2人、ノアには今日会ったばかりで、彼がどんな状態か知らない。
まずはそこからか。
一緒に旅をするのでなければ、詳しく話す必要はないが、当面は一緒にいるのだから、話しておかないといけない。
子供は体調の変化が激しい。
何かあった場合に困る。
<当面ではなく、当分ではないか?>
そういう細かい突っ込みはいいから。
でも、あまり詳しい事はここでは話せないな。
なぜって、聖女の、ノアは男の子だから聖人になるのか?の卵ってわかったら、ルミエール、絶対囲いにくるからなあ。
その危険もあって、ルミエールにはノアは身体が弱いとしか説明していないのだ。
スヴァ、私がなにかするっと言わないように、注意をしておいてよ。
<わかっておるなら、自ら注意せよ>
そのスヴァはくわっとあくびをして、足元に伏せた。
うう。私だって、お腹が膨れて眠いのに。
自分は寝るとか。
くそう。さっさと終わらせ、私も寝る!
皆、ティティのガワが7歳だって、忘れてそう(笑)
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