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第389話 ティティ、 聖素を注入する

「じゃあ、2人とも準備をしてくれる?」

「もちろんだとも!」

「ええ!」

 2人が聖力循環するには、準備が必要なのだ。

 聖素を練り、聖力を回す道が体内にない2人は、魔力が通る道を代用させる必要がある。その為まずは魔力を身体のどこかに集約しておくか、もしくは体外のどこかに保管しておく必要がある、例えば自分の専用の杖とかにだ。

 それの練習は散々してきたからか、すぐにできるようになっていた。

「じゃあ、まずはブリアからやろうか」

 ヒースからにすると、できた、できた、とうるさそうだからね。

「わかったわ」

 ブリアは自分の魔力を、自分の杖に封じ込めたみたいだ。

「ちなみに、魔力の封じ込め、魔石でも試してみた?」

「ええ。でも杖が一番私の魔力に馴染んでいるし、魔力を杖に込めるのはいつもしてるから、やりやすいのは杖ね」

「なるほど。ちなみに体外に全部魔力を出して魔力切れになった状態で、具合悪くならないの?」

「おそらく完全には抜けていないんだと思うわ。魔力は常に身体にあるものだし。それでも私には空っぽって感じてるけれどね」

<うむ。もうある程度は身体にあるのが自然な状態なのだろうよ>

<それでも大丈夫なの?>

<お主だって、常に魔力が身体にあるのだから問題あるまい>

<そっか>

 ちょっとなら大丈夫ってことか。普通の人でもそうなのかもね。魔素はそこら中にあるしね。

「じゃあ、始めるよう」

 そうしてティティは、意識して視る。

 いつも視てると疲れちゃうからね。

 視ようとしなければ、視えないようにしておいてるのだ。

<そういうところは、お主は器用じゃな>

 なにを! 私はいつでも器用だよ!

 と、集中。集中。

 意識して聖素を集めて、ブリアの手に押しこんだ。

 うん。やはり、視えれば、練習しなくてもいけた。私って、天才か?

<無駄も多いがな。もう少し精度をあげろ>

 スヴァ、水をさすな。

「ん!」

 ブリアが、手をぴくりとさせる。

 そのまま聖素をブリアの両手に循環させる。

「これが聖素。聖力よりも純粋でまっさらな光の感じね」

 聖素と聖力の違い、わかってもらえてるかなあ。

 しいていえば、聖素のほうが薄い感じ? 

 まあどっちにしても、身体が綺麗になる感じがすると思う。

 まだ力になっていない、うっすい光って感じかなあ。

 ティティはそっとブリアから手を放す。

「集められそう?」

 ブリアの感覚を壊さないように、ティティはそっと呟く。

「ええ。やってみる」

 ブリアは少し両手に隙間をとり、招き入れるように手をまあるくする。

「ああ、集まって来たわ」

「うん。きっとこの森は聖素がほかよりもたくさんあるから、すぐ感じとれるのかも」

「ええ。いい感じ。これを魔力を練るように、身体に取り入れて循環させる」

 ブリアは自身に言い聞かせるように、呟く。

「ああっ! できた! できたわ!」

 しばらく瞑っていた目をあけると、ブリアが嬉しそうに叫んだ!

 すげえな。現物に触らせたら、一発かよ。

 それも私みたいに視えてないのにだ。

 練習していけば、きっと彼女も 聖素視えるようになるんじゃないか?

 やっぱ、エリートな魔法士なんだな。

 魔力循環で慣れているってのもあるんだろうけど。

「よかったよ! これで体調を整えらえるよね!」

 多分。まだ予測の段階だけど。

 けど、その予測があっていれば。

 長生きできる!

 魔法士の長生き計画の第一歩が踏み出せたわけだ。

「ちなみに、聖素って視える?」

 ブリアが周りを見渡してみてから、残念そうに首を振った。

「そっか。でも馴染んでくればそのうち視れるようになるかもしれないね」

「ええ! そうね!」

 ブリアはそれは満面の笑みで頷いた。

 それはそうだろう。寿命が延びる可能性が出てきたのだ。

 まだ本当にそうなるかわからないが、まったく希望がなかったのに、可能性が出てきたのだから。

「小さなレディ!! 私も! 私にも、頼む!」

 ヒースが目を輝かせて催促してくる。

「了解!」

 そしてヒースにも同じようにしてたら、彼も聖素の感覚を掴み、森から 聖素を集めることに成功した。

 ふう。よかった。これで心置きなく、旅立てるね!

 そしてやっぱり、はしゃいだヒースはうるさかった。

 子供かっ!

ヒース、きっと子供のようにはしゃいだことでしょう(笑)

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

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