表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
386/496

第384話 ティティ、ヒントを得る

 国守さまが、こちらをおもしろそうに見つめて、続けた。

<そうじゃ。人魚と交渉するのに、1つ情報をやろうか>

「おおっ! ありがとうございます!」

 そうこなくちゃね!

 難しいばかりじゃ、やる気がそげまくりますからっ。

 なんのかんのといってもやっぱ、国守さまは優しいね。

<あ奴らに会ったら、困ったことがないか尋ねてみよ。さすれば、道は開ける>

 なんか商人の営業みたいだねっ。

 なんかお困りのことないっすかあ。なんて挨拶なかったでしたっけ。

 ブライトが得意そうだ。

 でも、それで交渉のきっかけがつかめるなら、使わせてもらいますよ。

「了解しました!」

 しかし、西の領での課題からまたハードル上がったよね。

 クリアできるかね。

<心配するな。まだ旅の始まりじゃ。易くできよう>

「そうですか?」

 な、なに? もしかして、これってイージーな課題なのかな?

 国守さまそうなの?

 私、信じちゃうよ! ほら! 私、国守さまへの信頼度100パーセントだからねっ。

 よっしゃ!

「わかりました! 頑張って手に入れて見せます!」

<うむ。励むがよい>

 その時、黙って聞いていたスヴァが、口を開いた。

「まて。人魚の里は隠されておるのだろう。丘に着いて、どのように捜せばよいのだ」

<ほう。元魔王のお主でも捜せぬのか?>

「妖精、精霊のたぐいは、本気で隠れられたら、視つけるのが難い。視つけられても今の我では結界を破壊し突破するのは難しい」

 スヴァが忌々しそうに言う。

 おいおい。破壊するって、物騒なこというなよ。何事もまずは交渉、話し合いからだぞ。

<まあ。そうだろうの。それだけ力が半減していなければ、お主は今ここにおらぬからの>

 スヴァがふんと、不機嫌そうに鼻を鳴らす。

<ふふ。小魔王に免じて、もう少しヒントをやろうかの。妾の愛し子よ。其方がこの森でしてくれていること、そして妾との縁を結んだ時のようにしておれば、道は自然にひらける>

「国守さまに出会った時? そしてこの森でいつもやってること?」

 えー。なにかなあ。

 とんち?

 私、国守さまと出会った時に、何かしてたかなあ。

 むーん。

<さあ。もう存分に話した。其方の仲間も心配しておろう。もうお帰り>

「えっ! ちょっ! もうひとこえ!」

 ヒントギブミー!!

 しかしティティの叫びむなしく、国守さまは無情にも、右足を地面にポンと打ち付ける。

 刹那。

 ざあっと強い風が吹いて視界を遮る。

<また次に会うのを楽しみにしているよ。我が愛し子よ>

 頭に響くは国守さまの優し気な、それでいて面白げな声。

 次に目をあけた時には、祠にほど近い、前に来た森の空き地にいた。

 腕にニーネ、傍らにスヴァ、ノア、そして亀のワイスが一匹。

「ちっ。あれがヒントか。」

 ちょっ。スヴァ、舌打ち下品だよ!

 まあ、私もちらりと思ったけどね。

 はあ。とにかくも、今やることは一つ。

「まずは、薬草を集めるよー!」

 ここで採れる薬草は貴重だからね。

 旅をするにも先立つものが必要です!

国守さまとの会合は終了です。ティティ、お疲れ様でした。

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ