第378話 ティティ、らんこうげする
<さて。これで自発的に聖素を取り込み、聖力を練り、循環させられるだろう。魂の補填まではいかぬが、それで当座しのぐことはできよう>
「ありがとうございます!」
視えればこっちのもんよ!
今まで無意識での聖力循環だったから、調整なんてできなかった。
けれどこれでおそらく聖素を自分の意思で取り込めるようになるだろう。そして、調子が悪ければ聖素を多く取り込めば、調子を取り戻せる! てことかな?
<うむ>
助かった! ありがとう! 国守さま!
「ねえねもげんきになるの?」
ノアがくいくいと袖を引いてくる。
「そうだぞ! もう心配ない!」
それにこれで、国に帰る前に、ヒースとブリアに聖力循環を完璧に教えることができるねっ!
やった!
これで魔法士のみんなが長生きして、面白おかしく暮らせるね!
「むふふ」
「ねえね。うれしそう」
「うん。うれしい。うれしいぞー」
「きゃあ!」
ノアの頬をむにむにして喜びを表す。
<これ。まだ話の途中じゃ。それだけでは当座はしのげるだけぞ。話の続きを聞け>
「すぐ脱線するからな。こやつに話して聞かせるのが大変なのだ」
スヴァがやれやれと首を振る。
<ほんにの>
なんだよう。ちょっとくらい先に喜んでもいいだろうよ。体調の回復ではないけど、自力改善の手ができたんだから。
ちぇ、本当こういう時だけ、2人仲良しさんになるのやめてほしい。
<続けるぞ>
「はい」
それでも話は全部聞かないとね。ちゃんと聞きますとも。
<当面は心配ない。けれど根治にはならぬ。後数年で天上に行きたくなければ、魂の補強が必要じゃ>
「ええっ! ちょっ! 国守さま! 今さらっと後数年の命って言いました!? 言いましたよね!?」
「言ったな」
スヴァ、なぜに冷静!? 他人事なの?!
「他人事ではない。我とお主は同一だからの」
けど、冷静! すげえな、おい!
「おちつけ。それを避ける為に、御使いが知恵を授けてくれると言っておるだろうが」
「はっ! そっか」
ふう。落ち着け私。
「国守さま、続きをお願いします」
<お主はいちいち騒がしいの。まあ、それが其方か。やれやれ」
どうもすみません。
ティティ、気持ちが激しく変動してます(笑)
いつもお読みいただき、ありがとうございますv
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