第376話 ティティ、タジタジになる
<くくっ。さて。そなたの願い通りに平穏に旅を続けるには、其方の身体をどうにかしなくてはならぬな>
あ、国守さまに笑われちゃった。
楽しんでもらえてなによりです。
いかんいかん、集中。集中しろ。
ここに味方は誰もいない。そういう場合は抵抗してはいけないのである。
神妙に頷いておくのが、一番である。
それにジオル意識がティティの体内で目覚めてから、身体の不調は大なり小なり日常的にある。改善はしてきてるけどね。
体力はないし、すぐに倒れるし、すごくお腹はすくし。
これの原因はスヴァに言わせれば、元々の魂がスヴァを救うたために半分になっていたところに、補強するようにスヴァの魂もくっついていた。要するに2つの魂の半分ずつを1つになって補い合っていたのだ。
それがジオルの自我で現世に復帰した際、スヴァの自我が分離した為、私の魂が不安定な状態に。
防御措置で食事で補っているが、それで間に合うものでもなく、度々倒れる事態になっているそうな。
魂自体は繋がってるらしいけどさ。
<ふむ。それでだいたいあっておるの>
あ、国守さまったら、また私の頭を覗いて、頷いてるよ。
<そのほうが早かろう?>
「そうですけど。私にもプライバシーというものがありますから」
<何か隠さねばならぬことがあるのかの?>
そう言われて、顎に人差し指を当てつつ、上を見上げる。
「うーん。ないかも?」
<ならばよかろう>
「いいのかな?」
国守さまがいうならそうなのかも?
それにそもそも国守さまに隠し事なんて無理そうだし。
「やれやれ、本当に其方はちょろすぎるぞ」
スヴァが首を振りつつ、あきれている。
「なんだよ!」
だって、ないもんよ! それに覗かれても困らん!
<この世界に住む人間がみな其方のようであれば、妾も苦労はしなかろうよ>
「だろうな」
あーまた2人で分かり合っちゃって。
そして褒められてる気がしないんすけど。
この議論をこれ以上続けても実りはなさそうなので、先に進めてほしい。
国守さまとスヴァのタッグでは、ティティはかないませんね(笑)
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