表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
375/496

第373話 ティティ、弟の相棒と対面する

 のそのそと歩くその速度は、ノアよりも遥かに遅い。

「亀、ですか」

<普通の亀ではないぞ。精霊に属する亀じゃ>

「そうなんすね」

 なんか首を上にあげて、偉そうにしているけど、普通の亀にしか見えない。

 体長も大人の女性の手のひらに乗るくらい。ノアが両手で持ってちょうどいいくらい。

 ちっさい。

 大丈夫か? こんなにちっさくて。

 たよりなさそー。

「おい! 小娘! 今失礼なことを考えていただろう! ちっさ! とか、たよりねーとか!」

「おっ! しゃべれるのか?!」

「当たり前だろう。吾輩はかしこいのだ!」

 また頭を逸らせて威張っている。

 威厳もなにもねえ。可愛いだけだ。

 自然、目が緩む。

「あ、お主、我を可愛いと思ったな。かっこいいと思え!」

「あーはいはい。かっこいねー」

「むー。こころがこもってないのじゃ!」

 亀の精霊は地団太を踏む。

 踏んでるつもりなんだよな。ゆっくりすぎてそうはみえないけど。

「国守さまぁ」

 ちょっと不安になって国守さまに視線をむける。

<うむ。心配になるのも無理はない。なにせ、年若いからの。だが、仕事はしっかりするから安心するとよい>

「あ、国守さま、吾輩が年が小さい事は内緒にってお願いしましたのに!」

<約束はしておらぬぞ。それにこれから長きにわたり、ともに過ごすのじゃ。必要なことは伝えなければならぬ。こやつはちゃんと仕事はできるが、今申した通り、年若い。それにここから出たことがない。なので人間世界にはうとい。その点を注意して欲しい」

「わかりました」

「そこは我が注意しておこう。お主は自分自身のことでさえ、うっかりするからな」

 スヴァがため息をつきながら、補足する。

「ちょっ! ひど!」

 口では文句をいうものの、言い返せない。

 だって、事実だから。くすん。

<うむ。よきにしてもらおう>

 あ、国守さまも否定しない。

 これはスルーだ、スルースキル発動だ!

 しかし、話題の主の亀さんはスルーできなかったらしい。

「吾輩はしっかりしておるから、其方らの注意は不要じゃ!」

<おぬしは、この中でも一番の新参ものよ。我には従ってもらうぞ>

「わ、わかったのじゃ」

 瞬時に上下関係が決定したようだ。

 即答である。

 スヴァはただ、亀さんを見ただけなのだろうが、ちっさくても元魔王さま、貫禄が違う。亀さん涙目で ある。

 ところでこの亀、名前はついてるのかな?

ノアの相棒、亀さんでしたv

皆様の予想は当たっていたでしょうか?

いつもお読みいただきありがとうございます!

少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。

励みになります~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ