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第366話 ティティ、ヒースに和む

「ルミエール殿?! ブライト殿!?」

 珍しくライアンの焦ったような声が後方から響く。

 振り返った先に、ルミエールとブライトの姿は消えていた。

「あー、やっぱりだめだったかあ」

 あんなに教会で祈ったのに、ルミエール、アーリデアルトの森の入り口付近で早くも脱落である。

 ブライトは説明する必要がないくらいだね。根っからの商人で打算のかたまりのブライトはやっぱりねって感じだわ。

 アーリデアルトの森はティティにとって危険はない為、ティティは先頭を歩いていた。

 その後ろにヒース、ブリア、ルミエール、ブライト、そして殿にライアンだったのだが。

「ティティさん、これは」

 ライアンが説明を求めるようにこちらを見る。

「うん。ライも知ってるよね? このアーリデアルトの森は国守さまのお膝元と言っていい不可侵の森だからさ。入れる人は少ないのよ」

「知識で知っていたとはいえ、目の前で実際に人が消えると驚きます」

 ライがどこかにルミエールがいないかと見回している。

「そうだね。でも大丈夫だよ。ちゃんと森の外に出られてるから、宿で待っていてくれる筈」

 前回もそうだったしね。ブライトもそうしてくれるだろう。

「ライアン殿! おめでとう! 貴殿は更に奥まで行く事を許されたのだ! この貴重な機会を楽しもうではないか!」

 ヒースがライアンの肩をポンと叩く。

 ヒースすげえな。公爵家の御曹司に気軽に肩ポンしてるよ。

<裏がないから許されるのかもしれぬな>

 スヴァが冷静に講評する。

 うん。ヒースがシリアス長く続かないのもあるよね。

 ライアンも怒ってないし、友達になれるとよいね。

「さあ! ともに行こう! 神秘なる森の奥へと!」

 ヒース久々に張ったね。やっぱ、ヒースもルミエールがいると少しは遠慮してんのかなあ。

 まあ、とりあえずヒースの言う通り、先に進もうかね。

ヒースの軽さが好きです(笑)

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