表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
346/496

第344話 ティティ、指名依頼を実行する

 テルミニーネのご飯でプチハプニングがあったものの。

 その後はスムーズに騎士食堂でのメニューよりも豪華な食事を食べ終えた。

 でもやっぱり、騎士や魔法士たちとわいわい食べたほうが楽しいかなって思う。

<まずかったとは言わぬのだな>

<そりゃね! ご飯は美味しかったよ!>

 料理人さんが腕によりをかけて作ったものがまずい筈ないって。

<スヴァも不満はなかったろう?>

<うむ>

 そう美味しい料理をより美味しく食べるにはやっぱ、環境も大事で。

 ビジネスディナーでなければ、なおよかったなって。

<仕方なかろう。問題を大きくしてるのはお主であるからな>

 それには意義を唱えたい。

 が、ちょっとそっかなあって思ったりするので、口を尖らせるだけで我慢しておく。

 私って大人だよね。

 そんな埒もないことを考えていると、ヘクタが切り出した。

「それでは、一つ一つ片付けて行こうか」

 うんうん。そうだね。ちゃっちゃと片付けて、早く部屋に帰りたいよ。

 お腹いっぱいになったら、眠くなってきたかも。

<お主、ちゃんとせよ。要らぬことをもらすでないぞ>

 スヴァが前足でバシッと脛を叩いて来る。

<そ、そうだな>

 いかんいかん。すっかりくつろいでしまった。

 はっ。これが食べ物のワナか?!

<違う>

<わかってるよ>

 ふるりと頭を振るって、頭をはっきりさせる。

 よし!

 なんでもこい!!

「そうだな。まずは冒険者ギルドに依頼を出した、ハッカサユリ草の受取を先にすませようか」

 ヘクタはそう切り出すと、ブライトに顔を向ける。

 ブライトは頷き、収納袋持ってヘクタのすぐ後ろに進み出る。

 やっぱすげえな。時を止める収納袋常備してんだなあ。お貴族さまって金とつてがあるんだな。

「それでは、ティティ、花を貰おうか」

「はい」

 ティティは席を立って、ヘクタに近づくと、持って来ていた国守さまから預かった収納袋からハッカサユリ草を素早く取り出して、ブライトが持っている収納袋に入れる。

 ハッカサユリ草は特殊な花だ。すぐに枯れてしまう為、空気に触れる時間は少ないほうがよい。

 ここでポイントなのは、ヘクタの目の前で、受け渡しをしたことである。

 そしてブライトが自ら持っていた収納袋に手を突っ込み、本物かどうか確認する。

「はい。確かに。ハッカサユリ草受取りできました」

 ブライトがヘクタに告げる。

「ティティ、これにて依頼は完了しました」

 わあ。ちゃんと渡したけど、やっぱその言葉聞くとほっとするね。

 冒険者のさがかしら。

「依頼書をこちらに」

「はい」

 ティティは、収納袋から書類を取り出し、ヘクタに渡す。

 ヘクタはブライトが用意していたペンでさらさらとサインをしてくれた。

「ありがとうございます!」

 よっしゃ! これで大金ゲッドだぜ!

「次は私の番ですね」

 ルミエールが終わるのを待っていたように、声をかける。

「はい」

 わかってますって。

 ティティは、ルミエールに近づき、ヘクタと同じようにハッカサユリ草を渡し、依頼書にサインをもらう。

 ヘクタさまも、ルミエールも花を入手できて満足そうだ。

 うんうん。これで、みんな、ウインウインウインだね。

 じゃっかんルミエールの視線がチクチク刺さるけど。

 席に戻りつつ、ティティはほくほくする。

 ああ、これで何買おっかなあ。

可もなく不可もなくなお話だったので、今日はもう一話投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ