第330話 ティティ、ヘクタとルミエールの指名依頼を受け、従魔登録をする
列に並んでしばし。
ティティの番になった。
「こんにちは、おねえさん!」
「はい。こんにちは。あら? 貴女はこないだの」
「覚えていてくれたんですね!嬉しいです!」
ひゃほう。美人に覚えられていた。
金髪をアップした色っぽいお姉さん、今日も素敵です。
「もちろんよ。たくさん貴重な素材を持ちこみありがとうございます」
そっちで覚えられてた。そうだよね。ティティは凡々顔だからね。
ちょっとがっかり。
「今日は、私に指名依頼があると聞いて来たのですが」
依頼人の部下に告げられたからね、間違いないよ。多分、手配した張本人だと思うし。
「確認します。確か貴女はティティルナちゃんよね?」
あ、ちゃんと名前も憶えていてくれたんだね。
美人さんに名前覚えられてた。やっほい。
「はい。お願いします」
待つ事しばし。
「ありました。‥ご領主さまとそのお客人さまからですね」
一瞬驚いた顔をみせたが、すぐに笑顔で依頼書をティティに渡してくれる。
プロだね。
あ、もしかして注意書きが添えてあったのかな。
まあ、何にしてもスムーズにすむのはありがたいね。
うむうむ。変なところはないね。
「受けますか?」
この問いは形式上だね。
ヘクタ様とルミエールからなら受けないという選択肢はないよ。
「はい。受けます」
「では手続きしますね」
そう言ってお姉さんは、てきぱきと手続きを進めてくれた。
うーん。俯いた顔もいいなあ。
「はい。それでは、お願いします」
お姉さんは、書類を渡してくれる。
「了解です」
これで、後はお城で、ヘクタ様とルミエールにハッカサユリ草を渡して、サインを貰えば、依頼完了だ。
簡単な依頼ですね!
その前にこっぱずかしい思いはしたけどね!
でもこれでまたランクアップにつながるぞ。
お金ももらえるし。ほくほくである。
「あ、それとこの子の従魔登録をお願いします」
腕に絡みついたテルミニーネを示す。
忘れるところだったよ。
「まあ、新しい従魔ですか? 可愛らしいですね」
お姉さんが目を細める。
おっ、もしかして、お姉さん、爬虫類好きか?!
話、合いそうだね!
「テルミニーネっていいます!」
でもね、このテルミニーネ、実は体長30メトルある大蛇なんだよう。
それでも、お姉さん可愛いって言ってくれるかな。
試してみたい気がする。
<やめろ>
<冗談ですとも>
内心を押し隠してにっこり笑う。
「もうすごい懐いてくれて、本当可なんですよ」
「ふふ。よろしいですね。あ、少しおまちくださいね」
そしてまたスムーズに登録完了。
これで問題ないね。
「あ、従魔とわかるようにまた可愛い目印買ってやんないとな」
テルミニーネの顎を撫でながら、呟く。
「そうですね。その首輪は味気ない感じがしますものね」
「ええ、そうなんです」
うん。これ魔封じの魔道具だからね。
この街出る時、お返ししなきゃだしね。
「お姉さん、ありがとうございました!」
「いえいえ、またよろしくお願いしますね」
うん。にっこり営業スマイルもいいね!
「終わったの?」
ブリアが見計らって近づいてきてくれた。
「はい。無事依頼を受けられました」
「じゃあ、スローター商会に行きましょうか」
ブリアが出口へと促す。
「あ、待ってください」
ティティは急いで、冒険者ギルドを見回す。
ロルフはいないか。
やっぱり、スラム街にいかないとかな。
「ティティ?」
「いえ。何でもありません。商会に行きましょう」
ここで会えたら、面倒なかったのにな。
そううまくいかないか。
今日はスローター商会に行って、土産のお菓子を買って、その足で孤児院に行ったら、それでいっぱいいっぱいだろう。
明日以降にスラム街に行くか。
行く時間があるかなあ。
最悪、この街でヒースたちとお別れしてもいいのだが、まだ聖力循環がうまくいっていないので、ぎりぎりまでお手伝いしたいしなあ。やっぱアーリデアルトの森までは同行したい。
ヘクタさまの依頼完了の報告に冒険者ギルドに来た時に会えたらいいな。
今度は今日よりも早く来よう。
ロルフががんばっているなら、依頼を受ける為に早朝冒険者ギルドに来る確率が高いだろうから。
よし。頭を切り替えて、次はスローター商会へゴー!
ここ2,3日でいきなりぐーっとPVが伸びました!
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