第31話 おっさん?お兄さん?
「門番のおっちゃん、いるかなあ」
ティティは、自分たちが入って来た街の門、北門のところまで来ると、心持ち首を伸ばして、自分を対応してくれたおっさんを探す。
リュックの中には、先程手に入れた酒の壺がある。
門番のおっさんが今日休みなら、言伝とこの酒の壺を頼むが、できれば直接渡したい。
ついでに、お礼を言いつつ、通行料も払ってしまいたい。
「なんだ? 何かここに用か?」
ティティが誰かを探してうろうろしているのが目についたのか、門番の1人の男が声をかけて来た。デルコに負けず劣らずの強面のおっさんだ。子供なら普通に泣くぞ。
俺は泣かんけんどな。
「あの、昨日午後に外で検問をしていたおじさんに会いたいのですが、今日出勤してますか?」
「ん? どんな奴だ? 名前は?」
しまった。おっさんの名前聞き忘れた。
「名前は聞いてないです。無精ひげを生やしたおじさんで、仮通行証を発行してくれたんです」
うーん。無精ひげ、この強面のおっさんも生やしてる。特徴にならないな。
「嬢ちゃん、名前は?」
「ティティルナです」
「そうか、ちょっと待て」
ぶっきらぼうだけど、ちゃんと対応してくれるらしい。
人は見かけによらないな。それに近くで見ると若いか。おっさんじゃないかも。
ほどなくして、強面のおっさん改め、お兄さんが戻って来た。
「記録を見て来た、嬢ちゃんの対応したのは、ハンクだな。今日も外で、列の整理をしてるぞ」
「ありがとうございます! 助かりました。後、もう一つお願いしてもいいですか、お兄さん」
「お、おお! もちろんだ」
うむ。心持ち嬉しそうである。
やはり見た目より若かったのか。
「通行料をお支払いしたいんですが、お願いできますか?」
「お、お金できたんだな。よし、俺が処理してやる。こっちに来な」
お兄さんが門のすぐ横にある、レンガ造りの建物に誘導してくれる。
そこで、通行料を無事支払う事ができた。
「確かに受け取った」
強面のお兄さんが、台帳にちゃんとサインをしてくれ。何やらハンコを押していた。
ともあれ、これで晴れて、ここに滞在できるっと。
「この仮通行証お返ししますね」
ティティは首に下げていた仮通行証を渡す。
「確かに。この後どうする? ハンクに挨拶するだけか?」
ティティの格好を見て、冒険者とわかったのかもしれない、強面のお兄さんが尋ねた。
「ハンクさんのところに行った後、外に採集に向かいます」
「嬢ちゃんは冒険者か?」
「はい」
「そうか。出入りする時は、ギルドカードを見せてくれ。そうすれば、通行料は取られないからな」
「わかりました」
冒険者はフリーパスか。うむ。ラッキー。まあ、冒険者がいちいち通行料支払ってたら、商売あがったりだもんな。
「改めて、ようこそ。ゴルデバへ」
ちょっと強面のお兄さんが気取って言った。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
ふう。これで憂いは一つなくなったな。
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