第316話 ティティ、話す側から聞く側を望む
短めです。
ブリアはティティを送る役目をあっさり、ライアンに譲った。
シリンジャーもすぐに了承した。
ちょっ!ブリア、私にそれでいいか、確認してくれてもよくない?
シリンジャー様もよかったね感が出てるけど、先日とは状況違ってるからっ。
2人を少し恨めしく思うも、さっさと話し合ったほうがいいとティティは気持ちを切り替える。
「ではお願いします」
そう一言告げて、ティティは先に歩き始めた。
ティティはライアンを従え、自分に割り当てられた部屋へと向かう。
考えてみたら、英雄様を従えて歩くなんて、私すげえな。
それに私の名前をちゃんと覚えていたなんて、それも驚いた。
<くだらぬことを考えてないで、どこまで話すか早々に決めろ>
スヴァが横を歩きながら、せっつく。
<えっ。もう話すことはさっき全部話しちゃっただろ? 後はライが私の話を信用するか否か。信じたとしての質問に答えるくらいだろ?>
<我の事は話さないのか?>
<話さないよ。話す必要ないだろっ?>
元魔王であるスヴァを助けても助けなくても、きっとジオルは魔王城で死んでいた。
それくらいジオルは弱かったからね。
逆にスヴァを助けたことで、ライアンや他のみんなが助かったんだから結果オーライだ。
助かったよな? まさかライアンだけ助かったとかないよな?
それにスヴァのことを話したら、面倒なことになるだけだ。
<ライとはここでお別れなんだし、話す必要ないだろ?>
<そうか>
<そうだよ。それよか、バレちまったんだし、私が死んでからどうなったか、詳しく聞ける絶好の機会だよな。私がジオルって信じてくれたら、きっと昨日までのツンツンはないだろうしな>
<ああ、それは我も興味はあるな>
そうだよ! 今度は私がライアンに尋ねる番だ。
<だろっ? スヴァも聞きたい事あれば、言ってくれよな>
<わかった>
スヴァとそんな相談をしているうちに部屋の前まできた。
さて、ここまで来る間の短い時間で、ティティを信じるか否か、決まっててくれると嬉しいなっ。
そしてできれば、信じてほしい。
じゃないと、ジオルの死後とのこときけないからねっ。
つなぎなお話だったので、今日はもう一話投稿します。
よろしければ、お付き合いくださいませ。




