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第306話 ティティ、まだ存在に気付かず。

短めです。区切りがよかったので。

 ティティの心配をよそに、砦の外では。

 久しぶりの魔物の群れであったが、練度が高い騎士たちによってそれほど混乱することなく、対応されていた。

「久しぶりの団体さんだ。運動不足解消には丁度いいな」

「ほう。おまえ運動不足だったのか。それは知らなかったな。隊長に後で報告しておくぜ」

「ばっ! よせ! ちょっと調子こいただけだろっ」

「はは。ちくられたくなければ、後で酒を奢れ」

「くそっ! わかったよ! その代わり、隊長には言うなよ!」

「酒がうまかったらな」

 騎士たちの中には、そんな軽口を叩いてなお、確実に魔物を屠っていくぐらいの余裕があった。

 だがそれも、かなり遠方にも拘らず、びりびりと空気を震わせるような巨大な存在感を示すそれの出現までであった。

 騎士たちの背中に一気に緊張感が走る。

「おい! あれ!」

「隊長に報告するっ!」

「おお!」

 騎士の一人が、目の前の魔物を倒したのち、即座に引き返す。

「隊長!」

 騎士の報告を受け、すぐに発令。

「全部隊出動! ただちに門へ急行せよ!」

 隊長からの激が飛ぶ。

 なぜ小型、中型の魔物の群れが突如、このマクベス砦に押し寄せてきたのか。

 その原因が今、ゆっくりと姿を現した。

 それは身の丈30メトルはあろうという巨大な大蛇であった。

 

1メトルは1メートル。わかりやすく。

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