第303話 ティティ、ヒースとブリアに相談する。
なぜにあんな頑な青年になってしまったのか。
その原因を突き止める為には、彼と過ごす時間が必要である。
ブライトは砦見学をと勧めてくれたけども。
やっぱり、ライアン青年を優先したい。
つーことで、昼食後、ヒースとブリアに相談した。
難しいかもしれないが、もう少し話をして仲良くなりたい。
だから彼と過ごす為時間が欲しいと。
「よいよ」
「ええ」
ヒースとブリアは快諾してくれた。
「いいんですか? 私、おまめではあるけれど、一応ここには視察というお仕事で来ているのに、それを2の次にしてしまいますが」
「構わないとも!」
空になったお皿を前に、ヒースが大仰に頷いてくれる。
「そもそも視察団に加えたのは名目上のことだからねっ。ブルコワ様の望みは小さなレディの願いをかなえることさっ」
「ええ。それはつまりティティをライアン様に対面させるってことでしょ?」
ヒース、ブリアぶっちゃけちゃったな。ブライトもいるのにいいのか?
「え、ええ。そうですけれど、もうお会いすることはできました」
「でも、それはティティが望むような対面ではなかったでしょ? だから、それを修復したいのよね?」
その通り。
「ならば! 我々がそれを阻む訳がなかろう! 存分にライアン様と語り倒したらいいのさ!」
ヒースが寸分の迷いもなく言いきってくれた。
本当にそう思ってくれているらしい。
うん。ありがたい。
ヒースの言う通り語り倒して、しばき倒したい。
<おい>
足元で昼ご飯を食べ終わったスヴァの突っ込みが入る。
<だってさ、そのくらいしないと、あのがんこちんの考えは変わらなそうでさ。つい>
<ふん>
それよりもだ。
「お2人ともありがとうございます」
ティティはぺこりと頭をさげた。
「お礼は無用だ。視察は私が進めておくよ。ブリアはティティの護衛を頼む。ブライトは私の案内を頼むよ」
ヒースがそれぞれの役割を決める。
「ええ」
「了解しました。でも、あのライアン様と仲良くなるのは、相当難しいですよ。ライアン様がここに来て以来、誰もそれに成功した者はいないのですから」
あ、ブライト、ヒースのぶっちゃけをスルーしてくれてる。まあ、ヘクタ様への親書でだいたい察していただろうから、問題ないのかもね。
「ということは、ライアン様に友達はいないのですか?」
「私の知る限りいないね」
ブライトが迷いなく答える。
「孤高の英雄か」
ヒース、恰好よく言っているけど、ぼっちなだけでしょ。
おいおい7年も友達なしかよ。
だめでしょ。それ。
題名のテイストを少し変えてみました(笑)
そしてそして。
いつもお読みいただきありがとうございます!
少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。
励みになります~。




