表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
262/496

第260話 やだやだっ!ぜったいついていくからあああ!!

なんか徐々に一話が長くなって行くような。

 話しを戻して戻してっと。

「それで、ゴーストはいたんですか?」

 正面に座ったブライトに尋ねる。

 ご飯食べてるのに、聞いてごめんね。

「まだ確認できていないよ」

「じゃ、デマだったんですかね」

「いや、そうとは限らないよ、小さなレディ。存在が微弱なゴーストの場合、普通の人間では確認は難しいんだ。特に昼間の確認は難しい。だから、いないとは限らない」

 ブライトの隣に座るヒースが、解説してくれる。

「へえ、そうなんですね」

 アンデッドにも色々あるらしい。

「僕は報告の為に一度帰って来たけど、これからまた増員の魔法士を連れて、現場に戻るつもりだよ。

確認されれば、討伐は明日になるかな。夜はアンデッドたちの力が強まるからね」

「はいはいっ! そうなったら、明日私も行きたいです! 庭に野生化した薬草を採集したいです! あ、ブライトさん領主さまに採っていいか聞いてくれました?」

 ティティはテーブルに両手をついて身を乗り出す。

 だって、薬草採取がかかってるからね。ちゃんと聞いておかないとっ。

「うん、今回の重要な情報を見つけてくれたからね。許可が下りたよ」

「やったあ!」

「ただし、ゴーストの討伐が終わってからだ。だから明日は連れていけないな。もし今日見つけられなかったとしても、数日は調査するからね。安全とわかれば、連れて行ってあげるよ」

「ええ! 困ります!」

「困る? 薬草は逃げないわよ?」

 ティティの隣に座っていたブリアが首を傾げる。

「だって! もしゴーストがいたら、庭の薬草が踏みつぶされたりしませんか? それに家の中にも貴重な薬草があるかもです。私、結構知識があるんですよ。それが台無しになったらもったいないです!」

 知識があるのはスヴァだけどね。

「ブライトさんはどうですか?」

「ある程度はあるかな?」

 なんで疑問形なの? どうやら、自信はあまりないようだ。

「薬草の知識を持っているものを連れていけばいいでしょう。ティティが行く必要はありません。私でもヒースでもブリアも相応の知識はありますよ。私たちで事足りますよ」

 ヒースの隣に座るルミエールの言葉に、ヒースとブリアが頷く。

 そりゃそうだよね。みんな優秀な魔法士だもんね。

 薬草の知識は豊富そうだ。

 くそっ。正論をいいやがって。

 薬草はもちろんだけど、アンデッド退治も見たいんだ!

 今後、冒険者としての活動の幅が広がりそうじゃないか。

「私が得た情報ですよ! 私も現場に行く権利があります! 冒険者としてでもいいですから!」

「行くのをとめている訳ではありません。安全になったら、連れて行くと言ってるのです」

 それじゃ、アンデッド退治が見れないじゃないかっ!

「大丈夫ですよ! みんな強いですし! 私、邪魔しませんから!ヒース、守ってくれるよね?」

 ティティはヒースを縋るように見る。

 ヒースが口を開く前に、ルミエールが畳み込む。

「ダメです」

「行きたいです! 行きたい! 行きたい! すぐ行きたい!」

「許可できません」

 ルミエールとティティがにらみ合う。

 こうなったら、最後の手段だ!

「何か不測の事態が起きた時に、私がいれば、何とかなるかもしれませんよ!」

 暗に国守さまがみてくれてるよ、アピールをしてみる。

 うそである。今回はここにいる間はまるっと課題だろうから、手は貸してくれないだろう。

 しかし、それを知ってるのはティティだけだ。

<お主、いい性格してるな>

 スヴァが足元から突っ込む。

<私はやりたいことみたいことは我慢しない主義なのさ。スヴァだって興味あるだろ?>

<うむ>

 しばしの沈黙後、折れたのは、ルミエールだった。

「わかりました。しっかり私たちのいう事を聞いてください。それが条件です」

「やったあ! もちろん、いう事ちゃんと聞きます!」

 そんなティティを、怪しいと言った視線を向けて来るルミエール。

 ルミエールの許可に驚いたのは、ブライトだ。

「ええっ! ティティちゃんを討伐に連れて行くのですか? それにルミエールさまも同行するのですか?!」

「視察の間、ティティの保護者は私ですからね。当然です」

 いつの間に保護者になったのか。

 確かにライアンに会って、視察も無事終えた時点で、ルミエールたちとはお別れ予定にはなっているけど。それまではルミエールが保護者なのか。知らなかった。

「ええ~。それじゃ、討伐隊の編成、組みなおさなきゃならないですよ~。領主さまにも相談が必要になりますし。ルミエールさまは城に残ってもらえませんか」

「できない相談ですね」

「ぐっ、わかりました。ではそのように対応させてもらいます。まだ討伐隊が組まれるかは決まってないですけどねっ」

 すまんな、ブライト。

 ゴーストが見つからなかったら、安全な薬草採取だけになるから。その確率の方が高いんでしょ?

 そうなるようにお祈りするのも一つだよ?

 私は違うほうにお祈るするけどねっ。

 実はルミエール、自分も行きたかったんじゃないのか。

 私のわがままに渡りに船だったのでは、ちょっと疑っちゃうぞ。

<それはないだろう。指揮官は自分の欲よりも隊の秩序を優先する>

 スヴァ、冷静な突っ込みいらないよ。

 しかし、ブライトの一人称私、僕、俺、どれが正解なのかな?

 いや、正解も何もないけどもっ。

いつもお読みいただきありがとうございます!

少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。

励みになります~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ